2008/10/27

   新製品四半期ランキング
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1位にソニー「ブラビア KDL-40ZX1」
常識を打ち破る新提案で需要生み出す
2008年12月8日 日経新製品ウォッチャー89号より
 日経産業地域研究所がまとめた2008年第4四半期ランキングは、ソニーの液晶テレビ「KDL-40ZX1」(写真@)がトップだった。最薄部の厚さがわずか9.9mm、40型としては世界最軽量の12.2kgを実現し、テレビの既成概念を打ち破った。2位は世界第3位のカジュアル衣料専門店「H&M」、3位はトヨタ自動車の超小型ボディー車「iQ」。上位には独自の技術力で世界初を実現した製品が並んだ。
(研究員 中村奈都子)


《日経産業地域研究所の新製品四半期ランキング》

 「日経新製品ウォッチャー」で毎月2回、それぞれ30品目の注目商品を選んで主にベンチマーク方式で評価している「クイック評価」の掲載商品のうち、期間中に取り上げた約180品目を主な対象として各分野の専門家ら20人弱で組織する「新製品総合評価委員会」で採点、議論し、日経産業地域研究所・新製品評価情報センターでランキング作成した。
 ランキングは6つの指標ごとの採点を総合評価からなる。指標には文化や生活へのインパクトを測る「生活提案」のほか、「使い勝手」「新技術・品質向上」「健康・エコロジー度」「価格メリット」「アピール度」がある。「アピール度」はデザイン、ネーミングやマーケティング、商品としてのインパクトを評価する。総合評価は売り上げ動向も1つの評価軸となるが、市場に与えたインパクト、商品コンセプトも重視している。
 今回は「日経新製品ウォッチャー」85号(10月13日)から89号(12月8日)に掲載され、発表された商品が主な対象。結果は日経産業新聞などでも公表する。



総合ランキング

順位 製 品 名 企 業 名
1位 世界最薄の厚さ9.9mmを実現した液晶テレビ「ブラビア KDL-40ZX1」
ソニー
2位 世界第3位のカジュアル衣料チェーン日本1号店「H&M銀座店」
エイチ・アンド・エムヘネス・アンド・マウリッツ・ジャパン
3位 超小型ボディーの新型車「iQ」
トヨタ自動車
4位 新型携帯ゲーム機「ニンテンドー DSi」
任天堂
5位 小型軽量のデジタル一眼カメラ「ルミックス G1」
パナソニック
6位 疲れにくいテーピング靴下「歩くたすけ」
小林製薬
7位 プレミアムカテゴリーを創造する缶コーヒー
「スターバックス ダブルショット」(2品)
サントリー、スターバックスジャパン
8位 ブルーレイを内蔵したフルハイビジョン液晶テレビ「アクオス LC-37DX1」
シャープ
9位 ワゴンタイプの軽乗用車「ワゴンR/同スティングレー」
スズキ
10位 私大・付属高の「お嬢様」向け婦人服・雑貨売り場「イセタンガール」(伊勢丹新宿本店地下2階)
三越伊勢丹ホールディングス

ソニーの世界最薄液晶テレビ「ブラビア KDL-40ZX1」
ハイビジョンテレビの薄型化が急速に進んでいる。チューナーをテレビ画面から分離することで最薄部を数cmのレベルまで薄くした。BDレコーダーなどはすべてチューナー部につなぐため、画面側の配線はチューナー部と結ぶケーブルと、電源コードの2本だけ。画面の周辺がすっきりしてインテリアの自由度が格段に高まる。 シャープが10月に発売した液晶テレビ「アクオス Xシリーズ」は52型、65型ともに最薄部が2.28cm。日立製作所は最薄部1.5cm、重量10kgの37型液晶テレビ試作機を9月に開催された「CEATEC JAPAN 2008」に参考出展した。
 
■チューナー別体で設置自由度高める
 ソニーが今回発売した「ブラビア KDL-40ZX1」はさらにその上をいく。最薄部で9.9mm、最も厚い部分でも28mmだ。価格は49万円程度となっている。 薄さの秘密は、LEDバックライトをフレーム部だけに搭載した「エッジライト方式白色LEDバックライト」にある。従来は液晶パネルの背後にバックライトがある直下型CCFL(冷陰極管)バックライトだったがエッジライト方式白色LEDバックライトでは上下左右から来るバックライトの光を動向板で拡散させて画面を光らせる。別体のチューナー「ワイヤレスメディアレシーバー」は同社のBDレコーダーと統一されたデザイン。映像と音声は無線伝送するため、設置場所を選ばない。画面が薄くなることで配線がすっきりし、壁掛けなどテレビ配置の自由度は大幅に高まった。部屋の中央にテレビを置くなど、まさにレイアウトフリーが実現した。
エイチ・アンド・エムへネス・アンド・マウリッツ・ジャパン「H&M」
  スウェーデンで1947年に創業したカジュアル衣料専門店チェーン。売上高は米国ギャップ、スペインのインディテックス(主力ブランドは「ザラ」)に続く世界第3位で07年11月期の売上高は1兆3710億円。紳士服、婦人服、子供服の店を世界28カ国で1522店展開している。大量仕入れと中間マージンを省いた直接販売により最新の流行をとらえたデザインの商品をユニクロ並みの低価格で販売する。

■1週間で5万人を集客
 日本進出1号店である「H&M銀座店」のオープンは9月13日(写真A)。来店者数は初日で8300人、15日までの3日間で2万4000人を超えた。1週間で5万人以上が来店し、連日長蛇の列を作って話題を集めた。1階は最先端の流行を取り入れた商品「トレンド」が中心。2、3階は毎日着られるおしゃれな日常着「エブリデー」やOLの通勤に着られる「モダンクラシック」などをそろえる。地下1階は男性用で全体の売り場面積は約1000m2。 最大の武器は約100人のデザイナーが企画する年間100万点を超える豊富な独自商品。ユニクロと同様に製造から小売りまで一貫して手がけるSPA(製造小売り)がビジネスモデルだ。ユニクロが定番のカジュアル衣料を中心に販売動向に合わせて追加販売を繰り返すのに対し、最新のトレンドを取り入れた斬新なデザインの商品を売り切り方式で毎日のように投入しているのが特徴だ。また、ユニクロが素材開発に力を入れているのに対し、プリント生地を除いて取引先の既存素材を大量仕入れし、直営店販売で低価格を実現している。銀座店では婦人セーターが4000円台で並んだ。 婦人服や紳士服、子供服、雑貨、化粧品など20以上の商品ラインを持ち、店舗の立地、顧客層に合わせて機動的に組み替える。
 2号店は11月8日、原宿の明治通り沿いにオープン。売り場面積は1500m2で銀座店の1.5倍。白と黒で仕上げた銀座店とは異なり、白を基調として外光を取り込むようにガラスを多用した。


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◆生活提案◆
“お嬢様”の生活シーンで売り場構成
生活提案では三越伊勢丹ホールディングスの伊勢丹本店(東京・新宿)地下2階に、9月3日開業した婦人服・雑貨売り場「イセタンガール」が1位。18〜22歳の富裕層の“お嬢様”に向け、従来の百貨店に多いブランド単位ではなく、生活シーン単位で構成した売り場が評価された。2位の「歩くたすけ」、3位「ライフリー ズボンを脱がずに交換 リハビリパンツ」、4位「シーメンス ピュア700」RICタイプは、いずれも高齢者の行動領域を広げ、明るい生活をサポートする商品だ。
(研究員 堀聡)

順位
製 品 名
企 業 名
1位 私大・付属高の「お嬢様」向け婦人服・雑貨売り場「イセタンガール」(伊勢丹新宿本店地下2階) 三越伊勢丹ホールディングス
2位 疲れにくいテーピング靴下「歩くたすけ」 小林製薬
3位 着脱しやすい大人用紙おむつ「ライフリー ズボンを脱がずに交換 リハビリパンツ」 ユニ・チャーム
4位 軽量小型のデジタル補聴器「シーメンス ピュア700」RICタイプ シーメンス ヒアリング インスツルメンツ
5位 ヘッドフォン型カラオケ「ハイカラ」 タカラトミー

伊勢丹新宿本店の婦人服・雑貨売り場「イセタンガール」
 イセタンガールはターゲットとする18〜22歳の女子学生の生活シーンと、ターゲットが誰の視線を気にして生活しているかを意識し、5つのコーナーで売り場を構成したのが特徴。「フォープライベート」は自分に対するナルシスティックな視線から、自宅でカワイク過ごすための商品を集積。「フォーイットガール」は友達と一緒にいるときに、自分が友人の視点でおしゃれに見えるための商品を編集した。特にフォープライベートは最近の若者の“イエナカ志向”に合致したユニークな生活提案だ。コンセプト優先でブランド間の垣根を低くしたため、ブランドによっては複数のコーナーに商品が置かれている。 「富裕層母娘のお買物」を促す手法も注目を集めた。東京近郊の本店の商圏にある私立の女子大とその付属高校の生徒のうち、伊勢丹の顧客であってほしい学校の生徒約9万人を顧客予備軍に想定。同時に自社カードの利用状況から、大学生の娘のいる富裕層女性が娘のためにあまり買い物をしていないことに着目した。母親には娘のスポンサーになってもらい、娘には将来の固定客になってもらう作戦だ。そのため、親に「おねだり」するための、やや高めの商品を集めたコーナーや、親子でコーディネートを楽しむ試着室などを設置。狙い通りの客層を集めているようだ。
小林製薬の疲れにくいテーピング靴下「歩くたすけ」
 2位の小林製薬が9月に全国発売した「歩くたすけ」はスポーツのテーピングと地下足袋の技術を応用し、履くだけで足の筋肉をサポートしてウオーキングなどをしやすくする靴下だ。体力の衰えを気にしてスポーツに消極的になっているシニア層の生活を活動的にする点が評価された。 小林製薬の調査ではシニア世代の65%が「疲れやすい」「ひざが上がりにくい」などの足の衰えを感じているという。その原因として、つま先を持ち上げるすねの筋肉と、足首を動かすふくらはぎの筋肉が衰え、歩き方がすり足気味となり、つまずきやすくなったり、足が前に出にくくなる現象に着目。靴下にテーピングと地下足袋の要素を組み合わせた独自の構造で改善を目指した。 テーピング効果は部分的に伸びの少ない特殊な編み方にすることで獲得。これにより土踏まずが上がり、足の裏にかかる負担を軽減。つま先の上がり方も素足の状態より3割以上向上し、すり足の改善にもなる。足の着地位置のブレも減って安定した歩行ができるという。地下足袋のようにつま先を先割れにすることで長時間歩いても疲れにくくした。年商目標は5億円だが、「見通しを上回るペース」(同社)と好調だ。


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◆新技術・品質向上◆
新規格採用し一段と小型・軽量に
 新技術・品質向上の1位はパナソニックのデジタル一眼カメラ「ルミックス G1」。既存の一眼レフカメラからレフレックス(反射鏡)を取り除いた新規格「マイクロフォーサーズシステム」を業界で初めて採用し、大幅な小型・軽量化を実現した点が評価された。2位のソニー「ブラビア KDL-40ZX1」は液晶テレビとして世界最薄で、5位の「アクオス DXシリーズ」は世界で初めて液晶テレビにブルーレイ・ディスク(BD)レコーダーを内蔵するなど、ともに先進的な技術力が注目された。3位のニコン「メディアポート UP」は独自の光学技術とデジタル画像技術を活用し、新タイプのAV機器として提案した。
(主任研究員 土居輝行)

順位
製 品 名
企 業 名
1位 小型・軽量のデジタル一眼カメラ「ルミックス G1」 パナソニック
2位 世界最薄の厚さ9.9mmを実現した液晶テレビ「ブラビア KDL-40ZX1」 ソニー
3位 ヘッドホン型の映像再生装置「メディアポート UP」 ニコン
4位 軽量・小型のデジタル補聴器「シーメンス ピュア700」RICタイプ ーメンス ヒアリング インスツルメンツ
5位 ブルーレイレコーダー内蔵液晶テレビ「アクオス DXシリーズ」 シャープ

パナソニックのデジタル一眼カメラ「ルミックス G1」
 マイクロフォーサーズは今年8月、パナソニックとオリンパスイメージングが共同で策定した新規格。オリンパスと米イーストマン・コダックがデジタル一眼レフカメラの使い勝手を高めるために提唱した「フォーサーズシステム」規格を拡張した。主な特徴は3つ。まず反射鏡をなくしてカメラ本体のレンズ接続部であるマウント部と撮像素子の間隔をフォーサーズ規格の約半分に縮め、カメラ本体が薄くできること。2つ目がマウントの外径を約6mm縮小し、カメラとレンズを小さくできること。3つ目がマウント部の電気信号を送る接点数を9点から11点に増やし、動画など拡張性能を高められることだ。 G1のターゲットはデジタル一眼カメラの初心者。特にこれまで未開拓だった女性ユーザーの取り込みを狙っている。取り扱いやすい小型・軽量の本体に加え、大きめの3型液晶画面を見ながら撮影できるライブビュー、カメラが自動的にシーンを判別して最適な設定や画像補正をする独自の「おまかせiA」など、自社のコンパクトデジカメで好評を得ている機能を盛り込んだ。初めて使う人でも迷わず使いこなせる操作性を目指した。 カメラ本体は赤、青、黒の3色。黒が圧倒的に多いデジタル一眼では異例の色展開に踏み切ったのも女性を強く意識したからだ。CMには女優の樋口可南子さんら5人の女性で結成した「女流一眼隊」を登場させ、簡単さをアピールしている。 本体価格は実売8万円程度。調査会社BCNによると、11月のデジタル一眼カメラ販売台数シェアでG1は9.3%といきなり3位に食い込んだ。4割前後のシェアを握るキヤノンとニコンにどこまで対抗できるか、年末商戦が注目される。
シャープのブルーレイレコーダー内蔵液晶テレビ「アクオス DXシリーズ」
 ハイビジョン映像をそのままの画質で記録できるBDの録画・再生機能を液晶テレビに組み込んだ。配線作業は不要で、リモコン一つで簡単に操作できる。液晶画面の側面にBD/DVDスロットを装備。映画などのBDソフトを挿入すると電源が自動的に入って再生を始める「一発再生」や、録画用ディスクを挿入すると約3秒で録画が始まる「瞬速録画」などユニークな機能を備えた。
 サイズは26、32、37、42、46、52型の6種類、本体色は黒、白、赤と3色(46、52型は黒と白)そろえるなど数多くの選択肢を用意。「高画質のまま録画したいが、多機能なBDレコーダーを使うのは面倒」として手軽さを最優先するユーザーの取り込みを狙っている。


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使い勝手◆
利便性向上が高品質に
使い勝手では、ユニ・チャームの大人用パンツおむつ「ライフリー ズボンを脱がずに交換 リハビリパンツ」が1位に選ばれた。テープによる着脱で、いちいちズボンを全部脱がなくても交換できる利便性が評価された。スズキの軽乗用車「ワゴンR/同スティングレー」は5年ぶりのフルモデルチェンジだが、走向性能はもちろん居住性や乗り降りのしやすさなどを全面的に改善した。
(主任研究員 北沢淳)

順位
製 品 名
企 業 名
1位 着脱しやすい大人用紙おむつ 「ライフリー ズボンを脱がずに交換 リハビリパンツ」 ユニ・チャーム
2位 ワゴンタイプの軽乗用車 「ワゴンR/同スティングレー」 スズキ
3位 スピーカー付き携帯音楽プレーヤー 「ウォークマン NW−S630シリーズ」 ソニー
4位 就職活動の必要書類を収納するホルダー 「就活ホルダー」 キングジム
5位 軽量小型のデジタル補聴器 「シーメンス ピュア700」RICタイプ シーメンス ヒアリング インスツルメンツ

ユニ・チャームの大人用パンツおむつ「ライフリー ズボンを脱がずに交換 リハビリパンツ」
 ユニ・チャームが10月7日に発売した「ライフリー ズボンを脱がずに交換 リハビリパンツ」は同社が販売している大人用紙おむつのラインアップのなかでも特別な性格を持つ。体の状態に応じた段階的な品ぞろえの充実は定評があるが、今回の新製品はパンツ型と、重度の人が使う本格的なおむつ型の中間を埋めるからだ。 形はパンツ型だが、両脇に特殊なテープを付けて繰り返し留め外しができるようにしたことで、一般的なパンツ型おむつと違ってズボンをひざまで下ろすだけで交換できる。ささいな違いのように感じる人も多いだろうが、立位の不安定になった人はパンツ型をあきらめ、これまでは乳幼児のようなおむつに変えざるを得なかった。これが介護される側にとっては精神的なダメージが強く、介護の現場からもQOL(生活の質)の面から実感を持って新たな製品開発を求める声は多かった。 紙おむつの交換については介護する家族などにとっても負担が大きく、「できれば自分でトイレに行って排せつしてほしい」というのが本音。介護される側も恥ずかしがって交換を嫌がる人も多い。今回の新製品はこうした需要に応え、「座れる人ならトイレで排せつができる」ことを目指した。テープ式のため着脱に要する時間も従来の2分の1で済むという。 ユニ・チャームは「これが大ヒットする商品ではないことは承知のうえで、こうした商品を待ち望んでいた人のために商品ラインに加えた」(秘書広報IR室)としている。販売計画は公表していないが、計画を幾分上回る数字で売れている。
スズキのワゴンタイプ軽乗用車「ワゴンR/同スティングレー」
 ワゴンRは発売後15年になる軽自動車だが、累計販売台数が300万台を超えるロングセラー商品。フルモデルチェンジではコストパフォーマンスをさらに高め、燃費効率や新型サスペンション採用などで走行安定性を着実に向上させている。9月25日の発売から1カ月余りの10月末までで販売台数は2万台を超え、「いまのところ滑り出しは計画通り」(広報部)と好調なスタートを切っている。
 箱形ワゴンタイプの特性を生かし、居住性はかなり改善されている。室内長は105mm、前後乗員間距離を140mm広げて後部座席でも空間に余裕を持たせたほか、後部は座席の床部分を低くしてドアの開口部を大きくし、乗り降りを楽にしている。後部座席のシートベルトには着脱の簡単な自立式の留め具を使っている。


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◆健康・エコロジー度◆
健康への効果実感をアピール
 健康・エコロジー度では、シャープのウォーターオーブン「ヘルシオ AX-X1」が1位となった。調理で削減したカロリー量をウオーキング時間に置き換えるなど健康的な調理を目に見えるよう工夫した点などが評価された。2位は小林製薬の疲れにくいテーピング靴下「歩くたすけ」、3位にはサントリーの全面リニューアルした健康志向の発泡酒「ダイエット<生>クリアテイスト」が入った。上位の多くは健康への効果が実感しやすい面をアピールした商品が目立った。
 (主任研究員 小池正夫)

順位
製 品 名
企 業 名
1位 健康的な調理が実感できるウォーターオーブン「ヘルシオ AX-X1」 シャープ
2位 疲れにくいテーピング靴下「歩くたすけ」 小林製薬
3位 全面リニューアルした健康志向の発泡酒「ダイエット<生>クリアテイスト」 サントリー
4位 超小型ボディーの新型車「iQ」 トヨタ自動車
5位 着脱しやすい大人用紙おむつ「ライフリー ズボンを脱がずに交換 リハビリパンツ」 ユニ・チャーム

シャープのウォーターオーブン「ヘルシオ AX-X1」
9月に発売した「AX-X1」は、100℃を超える過熱水蒸気で脱脂・減塩調理するスチームオーブンレンジの先駆けとなった「ヘルシオ」の5代目。約340℃のスチームを食材に直接吹きつけて焼き物や煮物料理などができる独自の「ウオーターヒート技術」によって、脱脂・減塩調理が手軽にできる。庫内にスチームを充満させて低酸素状態にして調理するため、ビタミンCやポリフェノールなどの栄養素を保つ機能も持っている。
 こうした基本機能に加え、健康への効果を視覚的に示す機能を採用した。搭載した57の健康メニューでは、肉料理などで脱脂したカロリー削減量を数値化して表示し、さらにウオーキング時間に換算して液晶画面に表示する。健康的な調理を目に見える形として、消費者へのアピール効果を狙っている。カラー液晶画面には搭載した自動メニュー(メニュー数231)の写真も表示できる。 本体の背面を壁につけて置けるように改良したので、奥行き45cmの食器棚にすっきり置けることも消費者に評価されているようだ。 実売価格は13万円台と高額。しかし、売れ行きは好調で調査会社GfKジャパンによると、高級機(実売8万円以上)分野の週間販売台数ランキングで、9月以降、パナソニック製品と首位争いを展開中。需要が盛り上がる年末に向けてテレビCMや店頭で実演・試食プロモーションを展開するなど、販促に弾みをつけようとしている。
サントリーの健康志向の発泡酒「ダイエット<生>クリアテイスト」
 自社のこれまでの発泡酒よりカロリーを50%、糖質を70%、プリン体を50%それぞれカットした健康志向の提案が評価された。健康志向の発泡酒は糖質ゼロを訴求する各社の製品が主流だが、この商品は糖質カットを70%にとどめた半面、カロリーとプリン体もカットして「3つのオフ」をワンセットで提案した。糖質ゼロの商品に負けないだけの商品力をアピールしている。 ダイエット<生>のリニューアルは発売(2001年10月)からこれで6回目。カロリーオフなど健康志向の内容は従来と同じだが、今回は味の改善に取り組み、スッキリした後味と飲みやすい味わいに一段と磨きをかけた。 缶のデザインも一新。ネーミングのロゴを縦書きから横書きに改め、外国のビールを思わせるようなスタイリッシュな雰囲気に仕立てた。これまでの女性ユーザーだけでなくビールファンが多い男性ユーザーの取り込みも狙っている。 10月7日発売後の売れ行きは順調だ。「年内目標160万ケースの達成は固い」(酒類カンパニービール事業部)という。


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◆価格メリット◆
3990円までのワンピース、あらゆる点で驚き
価格メリットではユニクロの「ワンピース」が1位に選ばれた。3990円までの価格でワンピースを展開。競合他社の商品と比べても素材感が格段に良質なうえに、デザイン性やファッション性も高いことに対し評価の声が相次いだ。2位はオンキヨーの5万円パソコン「ソーテック C1」。日本メーカーとして初めて5万円パソコンに挑戦したことが評価された。3位には東京・銀座と原宿に出店し、連日長蛇の列でにぎわう衣料チェーンの「H&M」。以下、軽自動車の「ワゴンR/同スティングレー」(スズキ)、ブルーレイレコーダー内蔵のフルハイビジョン液晶テレビの「アクオスDXシリーズ」(シャープ)が選ばれた。
(研究員 竹内太郎)

順位
製 品 名
企 業 名
1位 女性向けワードローブの定番、全39アイテム「ワンピース」 ユニクロ
2位 5万円パソコン「ソーテック C1」 オンキヨー
3位 世界第3位のカジュアル衣料チェーン日本1号店「H&M銀座店」 エイチ・アンド・エムヘネス・アンド・マウリッツ・ジャパン
4位 ワゴンタイプの軽乗用車「ワゴンR/同スティングレー」 スズキ
5位 ブルーレイを内蔵したフルハイビジョン液晶テレビ「アクオス LC-37DX1」 シャープ

ユニクロの女性向けワードローブの定番「ワンピース」
  ユニクロがこの秋に発表した「ワンピース」は、国内最大級のファッションフェスタ「東京ガールズコレクション」(9月開催)で好評だった新作をはじめ、一挙に全39アイテムを投入。「品質、カラーバリエーション、デザイン、価格などすべての面で一段と魅力のある品質に仕上がっている」(学識委員)など各方面から驚きの声が相次いだ。 旬のデザイン、色などを取り入れた豊富なラインアップから選べるうえに、価格も1990円から3990円と節約志向が一段と高まるなかでとても手ごろ。「ファッションリーダーであり女優でモデルの山田優さんをイメージキャラクターに起用したことも話題を呼び、ターゲットとしていた20〜30代の女性から支持を受け売れ行きも好調」(同社)という。 これまで距離をおいていた女性を取り込もうという戦略製品。現在、40%という女性客の売上高に占める割合を60%に引き上げることを目指す。 国内の衣料品各社が苦戦するなか、ユニクロは前年対比で唯一プラス。今秋、ユニクロと同様のSPA(製造小売り)であるスウェーデンの「H&M」が日本に上陸したが、11月7日の製品発表会の席で、記者からの「H&Mの影響は」との問いに対し、柳井正会長兼社長は、「我々の業界や商品が注目されることは同業者にとってはいいこと。今まではほかの商品や業界に注目がいっていたものが、我々の業界が注目されるようになった」とむしろライバル登場をチャンスととらえている。ワンピースの次の戦略商品も期待ができそうだ。
オンキヨーの5万円パソコン「ソーテック C1」
 外資系メーカーの参入が相次いでいた5万円パソコン。オンキヨーが国内勢では他社に先駆けて発売した。「ソーテック C1」の最大の特徴は、液晶画面が10.1型と大きいにもかかわらず、本体の重さを1.2kgに抑えた点だ。本体天面は金型と樹脂の間に転写フィルムを挟んで成形する「インモールド成形」を採用した高級感のあるデザインも目を引く。「メール送受信やウェブへのアクセスができればいい」というユーザーだけでなく、移動中の書類作成などを目的とするユーザーも想定。ビジネスマンのニーズが大きいマイクロソフトの統合ソフト「オフィス」搭載モデル(7万円程度)を用意したことも、高い評価につながった。 外国メーカーの独壇場だった低価格パソコン市場だったが、この「C1」に追随して東芝やNECら国内勢も低価格パソコンに参入するなど、ますます競争が激化している。


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◆アピール度◆
既成概念にとらわれない発想
アピール度は1位にサントリーの缶コーヒー「スターバックス ダブルショット」(2品)が選ばれた。シアトル系コーヒーとして知られるスターバックスブランドを冠にして、従来の缶コーヒーにはなかった高級感をアピールした。2位はセレブなお嬢様をテーマにした伊勢丹新宿本店の婦人服・雑貨売り場「イセタンガール」。3位以下はニコンのヘッドホン型の映像再生装置「メディアポートUP」などだった。既成概念の殻を打ち破るユニークな発想の製品が上位を占めた。
(スタッフライター 相良隼二)

順位
製 品 名
企 業 名
1位 プレミアムカテゴリーを創造する缶コーヒー「スターバックス ダブルショット」(2品) サントリー、スターバックスジャパン
2位 私大・付属高の「お嬢様」向け婦人服・雑貨売り場「イセタンガール」(伊勢丹新宿本店地下2階) 三越伊勢丹ホールディングス
3位 ヘッドホン型の映像再生装置「メディアポート UP」 ニコン
4位 世界最薄の厚さ9.9mmを実現した液晶テレビ「ブラビア KDL-40ZX1」 ソニー
5位 酢が主成分の家庭用消火器「キッチンアイ」 宮田工業


缶コーヒーのイメージを一新したことがアピール度の高さにつながった。
 缶コーヒーのイメージを一新したことがアピール度の高さにつながった。 これまで190gが標準的だった内容量を140gと少なくした一方、価格をこれまでの120円から一気に178円に引き上げた。価格が最も高い缶コーヒーのプレミアム製品を提案して、これまで各社の製品が横並びだった市場に新風を吹き込んだ。 缶デザインも新しくした。従来より背を低くして小柄なタイプにし、缶にくびれを入れて、手に持ちやすくした。どことなく小柄な女性を思わせるたたずまい。従来の缶にあった男性的なイメージとの違いを際立たせた。 これまで缶コーヒーは男性に支持され、女性に敬遠されるところがあった。それを女性でも手が出しやすくなる洗練されたデザインにして、新しいユーザーとして取り込んだ。 中身の味も本格的なエスプレッソにして、缶コーヒーを嫌うコーヒー通にも受け入れられるよう仕上げた。濃厚なミルク感のある「エスプレッソコンパーナ」、ビターな味わいの「エスプレッソドッピオ」の2品をそろえた。 10月21日発売後の出足は好調。大手コンビニエンスストアによると、「発売されるやいきなり缶コーヒーの売れ筋ナンバーワンに躍り出た」という。 サントリーは昨年、スターバックスブランドのチルドカップコーヒーを発売。従来製品の価格が140円前後だったところに、210円の高価格を提案してチルドカップコーヒーの“プレミアム市場創造”に成功した。缶コーヒーでもそうなるか注目される。
ニコンのヘッドホン型の映像再生装置「メディアポート UP」
AV(音響・映像)再生装置をヘッドホンと一体化した、これまでなかったコンセプトの製品であることが評価された。世界でも珍しい。 特殊なレンズを応用した超小型の液晶テレビを眼帯のようにヘッドホンに取り付け、ヘッドホンを装着すればAVが楽しめるよう提案した。操作はあらかじめセットするほか、頭を上下左右に動かすことで動画・音楽の選択などの操作ができるようにした。そのため、手を使わずに済む利点がある。 映像再生装置を片目にあて、もう一つの目で外界を見ることができるため、屋外でも楽しめる。 従来なかった製品だけに、使用シーンが需要創造のカギになる。消費者向けの提案だが、業務用の需要も期待できそうだ。例えば、設計書を手でめくりながら仕事をするような現場で重宝されるかもしれない。 ネット通販で予約販売し、販売台数も5000台と少ない。同社によると「テスト販売と位置づけ、今後は消費者の声を聞きながら製品改良を施していく」という。




データに関するお問い合わせは、日経産業地域研究所・新製品評価情報センター(Tel:03-5294-2596)
または まで、お願いいたします。