2007/12/10

   新製品四半期ランキング
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1位にソニーの有機ELテレビ「XEL-1」
新しい技術・コンセプトで独自性打ち出す
2007年12月10日 日経新製品ウォッチャー65号より
日経産業地域研究所がまとめた2007年第4四半期新製品ランキングは、ソニーが世界で初めて商品化した有機ELテレビ「XEL-1」(写真@)が1位になった。画面の最薄部3mmという驚異的な薄さに加え、100万対1以上のコントラスト(明暗比)や高い動画性能を備え、既存の薄型テレビをしのぐ高画質を実現した。2位は多彩な動きが可能な二足歩行人型ロボットながら3万円台と値ごろ感のあるタカラトミー「オムニボット17μ アイソボット」、3位はゲームで健康増進をめざす任天堂「Wiiフィット」。上位には新しい技術やコンセプトを生かして独自性を打ち出した新製品が並んだ。(研究員 土居輝行)

大ヒット商品の後継・新シリーズも
 今回のランキングではソニーのXEL-1のように独自の新しい技術を生かした製品や、任天堂のWiiフィットのようにユニークなコンセプトを打ち出した製品が目立つ。ニコンのデジタル一眼レフカメラ「D300」(5位、写真D)は、撮影時に51の計測点で距離を測ったり、被写体の色や明るさを自動解析してオートフォーカスの精度を高めるといった新しい機能が評価された。毎秒8コマ、連続100枚の高速撮影を可能にするなど中級機として最高水準の性能を実現した。三菱電機の加湿空気清浄機「ラクリアエア MA-517DK」(9位)は独自の技術を使い、集じん・脱臭・加湿フィルターの交換を不要にした。集じんフィルターは約1年ごとに、脱臭フィルターは約半年ごとに水洗いすれば能力が回復する。加湿フィルターは水受けトレー内のカルキ濃度を低く保つことで水アカが付着しにくくした。ユニークな商品コンセプトが評価されたのが湖池屋のスナック菓子「おいしい! 100kcal」シリーズだ(6位、写真E)。消費者の健康志向の高まりに配慮し、スナック一袋当たりのカロリー摂取量を100kcalに設定した。トヨタ自動車の新型車「マークX ジオ」(8位、写真F)も今までにない新しいコンセプトが光る。使用シーンや乗員数に応じてセダン、ワゴン、ミニバンと3通りの使い方ができるよう内装に工夫を凝らした。大ヒット商品の後継機種や新シリーズもランクインした。ホンダの「フィット」(4位)は6年ぶりに全面改良した2代目。外観は前機種を踏襲しており意外性はないが、室内空間を広げて快適性を高めたほか、新開発エンジンにより低燃費と高出力を両立させるなど基本性能を高めた。価格を据え置いて買いやすさにも配慮した。資生堂の「ツバキ ゴールデンリペア」(7位)は容器の色が従来の赤とは対照的な白を採用。「美髪の赤ツバキ、ダメージの白ツバキ」という訴求にインパクトがある。テレビCMには鈴木京香さんら人気女優6人を起用し、赤ツバキに続く大規模な広告活動が注目を集めた。

《日経産業地域研究所の新製品四半期ランキング》

 「日経新製品ウォッチャー」で毎月2回、それぞれ30品目の注目商品を選んで主にベンチマーク方式で評価している「クイック評価」の掲載商品のうち、期間中に取り上げた約180品目を主な対象として各分野の専門家ら20人弱で組織する「新製品総合評価委員会」で採点、議論し、日経産業地域研究所・新製品評価情報センターでランキングを作成した。
 ランキングは6つの指標ごとの採点と総合評価点からなる。指標には文化や生活へのインパクトを測る「生活提案」のほか、「使い勝手」「新技術・品質向上」「健康・エコロジー度」「価格メリット」「アピール度」がある。「アピール度」はデザイン、ネーミングやマーケティング、商品としてのインパクトを評価する。総合評価は売り上げ動向も一つの評価軸となるが、市場に与えたインパクト、商品コンセプトも重視している。
 今回は「日経新製品ウォッチャー」61号(10月8日)から65号(12月10日)に掲載され、発表された商品が主な対象。結果は「日経産業新聞」などでも公表する。



総合ランキング

順位 製 品 名 企 業 名
1位 世界初の有機ELテレビ「XEL-1」
ソニー
2位 世界最小の二足歩行人型ロボット「オムニボット17μ アイソボット」
タカラトミー
3位 ゲーム機を使った健康増進ソフト「Wiiフィット」
任天堂
4位 広さと使い勝手を向上させたコンパクトカー「フィット」
ホンダ
5位 中・上級者向けデジタル一眼レフカメラ「D300」
ニコン
6位 1袋100kcalを提案したスナック菓子「おいしい! 100kcal」シリーズ
フレンテ
7位 傷んだ髪を補修するツバキのダメージケアライン「ツバキ ゴールデンリペア」
資生堂
8位 使用シーンに応じて3通りに使える新型車「マークX ジオ」
トヨタ自動車
9位 フィルター交換不要の加湿空気清浄機「ラクリアエア MA-517DK」
三菱電機
10位 薄くても暖かい冬用肌着「スゴ衣(スゴイ)」
ワコール

ソニーの世界初の有機ELテレビ「XEL-1」
 「有機ELテレビを『技術のソニー』復活の象徴として反転攻勢の旗印にしたい」。10月に都内で開いたXEL-1の発表会で、ソニーの中鉢良治社長は力強く宣言した。同社は今年1月に米国で開催された家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」に11型と27型の有機ELテレビを出品して大反響を呼び、商品化の動向が注目されていた。年内にまず日本で投入するという井原勝美副社長の公約通り、年末商戦直前に11型のXEL-1発売にこぎつけた。
タカラトミーの二足歩行人型ロボット「オムニボット17μ アイソボット」
  2位に選ばれた「アイソボット」の最大の魅力は3万1290円という低価格だ。人間と似た動作をする二足歩行ロボットで市販されているのは近藤科学の「KHR-2HV」をはじめ、10万円近いホビー用ロボットばかり。モーターやセンサーを追加して機能を高められる長所はあるがユーザーはマニアに限られている。かつてソニーの犬型ロボット「AIBO」も脚光を浴びたが、20万円台半ばという高価格のため購入者は限定された。タカラトミーは広く普及するロボットを目指し、誰にでも手の届く価格を設定した。
 低価格の秘密は量産化と部品の自社設計、調達先の使い分けによるコストダウンにある。量産化を果たすため世界中での販売を前提とし、高さ16.5cm、重さ350gの超小型サイズにした。値段と見た目の両方で驚きを与える狙いだ。ギネス記録にも「世界最小の人型ロボット」として認定されており、日本や東アジア、欧米で初年度30万台という大きな販売目標を打ち出している。
 CPUやICは台湾、モーターは中国から調達。ギアやバネなどの機械部品は日本製を採用した。「日本のメーカーは償却済みの加工機械を使っているため中国メーカーよりコストが安い。生産管理も行き届き、品質の安定性が高い」(戦略開発室シーズ開発グループの渡辺公貴リーダー)からだ。
任天堂のゲーム機を使った健康増進ソフト「Wiiフィット」
  任天堂の据え置き型ゲーム機「Wii」用の健康づくりソフトで、重心バランスを測定する用具「バランスWiiボード」がセットになっている。楽しみながらトレーニングし、測定結果はテレビに表示できる。12月1日発売で価格は8800円。販売目標は非公表だが、岩田聡社長は「野望としての目標は相当大きい」としている。エンターブレイン(東京・千代田)の推計によると、昨年12月に発売したWiiの累計販売台数は9月末で350万台。中高年層にもユーザーを広げており、Wiiフィットの販売にも追い風になりそうだ。
 Wiiフィットはソフトを収録したディスクをWii本体に差し込んで起動する。バランスボードの大きさは横51.1cm、縦31.6cm、厚さ5.3cmで、重さは3.5kg。体重センサーが4つ組み込んであり、プレーヤーが前後左右へ重心を移動する様子が測定できる。測定データは短距離無線通信規格「ブルートゥース」によりWii本体に送信する。


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◆生活提案◆
そば打ち、短時間で簡単に
 生活提案ではタカラトミーの家庭用そば打ち器「いえそば」が1位だった。敷居が高いそば打ちを素人でも短時間でできるようにした点が中高年の暮らしを豊かにすると評価された。2位は1袋当たりのカロリー数を100kcalに抑えた湖池屋のスナック菓子「おいしい! 100kcal」シリーズ、3位にはゲーム機を使った任天堂の健康増進ソフト「Wiiフィット」が入った。おいしさや楽しさなどの本来価値に健康の要素を付加し、新しいライフスタイルを提案している。
(主任研究員 小山義文)

順位
製 品 名
企 業 名
1位 家庭用そば打ち器「いえそば」 タカラトミー
2位 1袋100kcalを提案したスナック菓子「おいしい! 100kcal 穀物ブレンド」など3品 フレンテ
3位 ゲーム機を使った健康増進ソフト「Wii フィット」 任天堂
4位 カレーを使った鍋の素「カレー鍋」 永谷園
5位 画面をなぞって操作する携帯音楽プレーヤー「iPodタッチ」 アップル

タカラトミーの家庭用そば打ち器「いえそば」
 そば粉とつなぎ、水を混ぜて生地を作る「水回し」、生地を延ばす「のし」、「めん切り」など素人には難しいとされる作業のかなりの部分をこなせる。本体と水回しぶた、回転ベラ、かくはんボウル、ハンドル、こねベラ、ローラー、カッターなどの部品で構成。そば粉とつなぎの小麦粉をボウルに入れてハンドルを回すと、後から加えた水と混ざり生地がまとまる。ふたの穴から水が少しずつ落ちることで均等に混ざる仕組みで、最も難しい水回しが難なくできる。
 生地の延ばしや同じ太さに切る手間も部品を交換して説明書通り進めればさほど困難はない。初心者で1時間ほどかかる作業が20分程度で済むため、「苦労のしどころを奪われる」との指摘もあるが、そば玉を作る「くくり」を手作業に委ねるなど楽しみの部分も残している。
 価格は1万3000円程度で、本格的な道具をそろえるよりかなり安い。こね鉢で粉と水を混ぜたり、めん棒でのしたりする広いスペースも要らない。
 タカラトミーが成人男女を対象に実施した調査によると、「今後やりたい趣味」では陶芸とそば打ちが圧倒的な上位だった。これを受けて昨年9月には“大人の趣味シリーズ”第1弾として家庭用オーブンレンジで焼ける陶芸入門セット「ろくろ倶楽部」を発売、これまで4万台強を出荷した。いえそばはシリーズ第2弾として投入したが、「出足はろくろ倶楽部の2〜3倍のペース」という。対象がなじみやすい食品であるうえ、陶芸ほどの創作心が不要なことが好調の理由。「この分では来年3月末までに目標である3万台の出荷は難しくない」と同社ではみている。
湖池屋の1袋100kcalスナック菓子「おいしい! 100kcal」シリーズ
 肥満の敵とみられがちなスナック菓子に健康の要素を加えた。ポテトチップスのように食べ切りサイズの小袋に入れたものはあったが、100kcalに抑えたのは日本初。ダイエットなどでカロリー摂取を気にする消費者に安心感を与える狙い。
 素材を厳選し、味付けも薄味にするなど気を配った。種類は「穀物ブレンド」「サクサク玄米」「オリーブオイルポップコーン」の3つ。19〜21g入りで、価格も実売80円程度とこなれている。
 米国では2004年にクラフトフーズ社がクッキーなどで1袋100kcalの商品を投入、この分野の先駆けとなった。ハーシー社のチョコバー、フレトリー社のシリアル食品などへ広がり、06年上期には42品目発売されている。一般加工食品で低カロリー訴求が普通になっていることもあり、今回の商品を契機に日本の菓子でもブームになりそうな気配だ。


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◆新技術・品質向上◆
デジタル一眼レフ、中級機が高性能化
 新技術・品質向上の分野では、ニコンが11月下旬に発売した中・上級者向けのデジタル一眼レフカメラ「D300」が1位になった。今年のデジタル一眼レフ市場の秋・冬商戦で中級機が主戦場となっているなか、ニコンが満を持して発売した主力機種。ライバルのキヤノンの「イオス 40D」(8月下旬発売)を画素数、連続撮影枚数、撮影感度など多くの点で上回っている。2位には小顔や美白に印刷できるセイコーエプソンのインクジェットプリンター「カラリオ PM-T960」(10月上旬発売)が入った。いずれもフラッグシップ機として最新機能を惜しみなく取り入れ、市場拡大をけん引した。(研究員 西村正巳)

順位
製 品 名
企 業 名
1位 中・上級者向けデジタル一眼レフカメラ「D300」 ニコン
2位 小顔や美白に印刷できるプリンター「カラリオ PM-T960」 セイコーエプソン
3位 世界最小の二足歩行人型ロボット「オムニボット17μ アイソボット」 タカラトミー
4位 画面をなぞって操作する携帯音楽プレーヤー「iPodタッチ」 アップル
5位 笑顔検出機能搭載のデジタルカメラ「サイバーショット DSC-T200」 ソニー

ニコンの中・上級者向けデジタル一眼レフカメラ「D300」
 2005年12月発売の中級機「D200」の後継機で、上級者にも満足が得られるよう、基本性能を大幅に高めた。実売価格は本体が23万円前後、レンズセットで27万円前後から。本体はD200の当初実売価格に比べ、約3万円高い。
 有効画素数はD200の1020万から1230万に上げた。1秒当たりの連続撮影枚数はD200の約5コマから約8コマに増やした。撮影感度も拡張設定時に最大ISO6400と、同ISO3200から向上させた。オートフォーカス撮影時には最大51点で距離を測れる。D200では11点にすぎなかった。
 使い勝手も向上した。背面の液晶画面を見て構図を確認しながら撮影できるライブビュー機能や、ホコリ対策機能も備えた。その一方で本体重量は約825gと、D200の約830gよりも軽くなった。
 キヤノンの40Dと比べても、基本性能は上を行く。40Dの有効画素数は約1010万、連写は1秒間に最大約6.5コマだ。
 今年下半期には中級機の発売が相次いでいる。両社以外にも、松下電器産業が10月下旬に「ルミックス DMC-L10」を、ソニーも11月上旬に「α(アルファ)700」を発売した。しかし、中級機のなかでの売れ行きはD300と40Dが他社機種を大きく引き離している。
 調査会社、BCNの販売ランキングによると、D300は発売直後の11月19〜25日に本体が1位となった。40Dもレンズセットが5位、本体が6位に入っている。しばらくはこの2機種の首位争いが続きそうだ。
セイコーエプソンのインクジェットプリンター「カラリオ PM-T960」
 セイコーエプソンが今年の年末商戦向けに発売した家庭向けインクジェットプリンター4機種のなかでの最上位モデルだ。当初実売価格は3万8000円前後。
 エプソンは今回の機種すべてに、小顔や美白にお好みで補正して印刷できる「ナチュラルフェイス」機能を搭載した。そのうえでPM-T960は印刷速度がL判フチなし1枚で約19秒と、同価格帯でライバル機に当たるキヤノンの「ピクサス MP970」(同約29秒)を大幅に上回るなど基本性能が高い。売れ筋の「カラリオ PM-A840」(当初実売2万8000円前後)ができない前面給紙と両面印刷も可能なほか、無線LANにも標準対応している。
 キヤノンも年末商戦では写真の自動補正機能の搭載を前面に打ち出している。しかし、エプソンの「小顔・美白補正」は効果が具体的に分かり、消費者によりアピール力がある。


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使い勝手◆
使用シーンに応じ室内をアレンジ
 使い勝手の部門では、トヨタ自動車の新型乗用車「マークX ジオ」が1位になった。使用シーンに応じて室内がミニバン、セダン、ワゴンそれぞれの使い勝手に対応できる車で、1台で複数の用途に対応できる多様性が評価された。2位には使いやすくホイップ状に加工した雪印乳業のクリームチーズ「やわらかホイップクリームチーズ」、3位にはネットワーク機能を強化したソニーのフルHD液晶テレビ「ブラビア X5000シリーズ」が入った。新技術で製品の持つ本来の機能を拡充させた商品が上位に並んだ。
(主任研究員 木戸睦夫)

順位
製 品 名
企 業 名
1位 使用シーンに応じて3通りに使える新型車「マークX ジオ」 トヨタ自動車
2位 ホイップしたクリームチーズ「やわらかホイップクリームチーズ」 雪印乳業
3位 フルHD液晶テレビ「ブラビア X5000シリーズ」 ソニー
4位 家庭用インクジェットプリンター「ピクサス MP610」 キヤノン
5位 お湯なしで足湯効果が得られるカイロ「スチーム足湯」 桐灰化学

トヨタ自動車の新型乗用車「マークX ジオ」
 洗練された高級感と優れた走行性能が売り物のマークXに使用シーンに応じて自由にアレンジできる室内空間を加えた。具体的には「4+フリー」というコンセプトのもと、大人4人がゆったりとくつろげる「独立4座」と用途に応じて自在に変化させることができる“3モードキャビン”を設けた。3列シートの1〜2列目は4人乗り独立座面とし、格納式の3列目を引き起こせば6〜7人乗車のミニバン、仕切りボードで3列目を仕切ればセダン、仕切りボードを外せば大量の荷物が積めるワゴンとして使える。
 独立4座は高級セダン並みで、前後席間距離はマークXより20mm長い980mmとし、後席にゆとりを持たせた。また、独立した4席すべてに上質な座り心地の良いシートを設定。後席でもコンソールとドアのアームレストの高さを同じにし、スライド&リクライニング機構を採用することで、どの席でも変わりのないリラックス感とパーソナル感を得られるようにした。
 ラゲッジスペースは4人乗車時でも全長1100mmを確保、大型スーツケースやゴルフバッグを収納できる。さらに、簡単に折り畳めるダブルフォールディング機構を採用した2列目シートを前倒しにすれば、大型ワゴン車並みの広さのフラットなラゲッジスペースが確保できる。
 トヨタでは「子育てを終え、自分たち自身のための自由な時間を求め始めた大人たちが新しいライフステージを楽しむための車」と位置づけ、行動的な熟年層をメーンターゲットに売り込みを図っている。
ソニーのフルHD液晶テレビ「ブラビア X5000シリーズ」
 クリアで色鮮やかな映像に加え、新開発の無線通信リモコン「おき楽リモコン」を採用した。従来の赤外線リモコンと異なり、手に持ってテレビに向けなくてもテーブルなどの上に置いたまま操作できる。家具などの障害物をはさんだ場所からでも操作が可能。リモコンとテレビが1対1で認証されるので、周囲に複数台のテレビがあっても他に干渉することはない。
 また、このリモコンには「シアター」「VOD(ビデオ・オン・デマンド)」「リプレイ」「見て録」「予約する」「見る」の6つのダイレクトボタンが配置されており、テレビとネットワークでつながったレコーダーやホームシアターなど周辺機器との連動操作がワンボタンでできる。従来はそれぞれの機器のリモコンを持ち替えて操作することが必要だった。


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◆健康・エコロジー度◆
健康志向と環境配慮に対応
 健康・エコロジー度では、任天堂のゲーム機を使った健康増進ソフト「Wiiフィット」が1位に選ばれた。2位にはすべてのフィルター交換を不要にした三菱電機の加湿空気清浄機「ラクリアエア MA-517DK」、3位に1袋100kcalを提案した湖池屋のスナック菓子「おいしい! 100kcal」シリーズが入った。いずれも健康志向を強める消費者へのアピールを狙った。4位の琵琶湖のヨシを使った紙製文具「ReEDEN(リエデン)シリーズ」(コクヨ工業滋賀)や5位となった世界初の有機ELテレビ「XEL-1」(ソニー)は環境対応が高く評価された。
(主任研究員 小池正夫)

順位
製 品 名
企 業 名
1位 ゲーム機を使った健康増進ソフト「Wiiフィット」 任天堂
2位 フィルター交換不要の加湿空気清浄機「ラクリアエア MA-517DK」 三菱電機
3位 1袋100kcalを提案したスナック菓子「おいしい! 100kcal」シリーズ フレンテ
4位 琵琶湖のヨシを使った紙製文具「ReEDEN(リエデン)シリーズ」 コクヨ工業滋賀
5位 世界初の有機ELテレビ「XEL-1」 ソニー

三菱電機のフィルター交換不要加湿空気清浄機「ラクリアエア MA-517DK」
  三菱電機が9月下旬に発売した「ラクリアエア MA-517DK」はこれまでの空気清浄機とは違って、使用しているフィルターすべての交換を不要にしたのが特徴。掃除の手間が省け、交換費用もいらないので経済的であり、フィルターを廃棄しないなど環境に優しい面も評価された。表面にはっ水剤を塗布した集じんフィルターと、活性炭を増量した脱臭フィルターを採用し、それぞれ約1年、半年ごとに水洗いすれば交換が不要という。
 加湿フィルターには、表面に親水加工した加湿ディスクを100枚並べて水受けトレー内を回転させ、ディスク表面に形成する薄い水膜に送風して加湿するユニークな「交換&お掃除レス・ディスク気化式」を採用し、交換や掃除を不要とした。
 「カルキ水回収システム」と呼ぶ仕組みも設け、カルキ濃度が高くなった水受けトレーの水をタンクに回収して給水のついでに捨てるだけで済むようにした。水受けトレー内の水に溶け込んだにおい成分も同時に回収できるので、脱臭効果が長持ちし、代表的な生活臭のアンモニアは従来機種に比べ約2倍脱臭できるという。
 実売価格は5万6000円前後でやや高いが、ハウスダストや花粉を取り除く集じん・空気清浄機能に加え、乾燥する冬にのどや肌の乾燥を防ぐ加湿機能も備えているので別に加湿機を購入する必要がない。しかも、部屋に1台置くだけで済むので設置スペースの面でも便利であり、健康的な生活空間を求める消費者に積極的にアピールしている。
コクヨ工業滋賀のヨシを使った紙製文具「ReEDEN(リエデン)シリーズ」
 コクヨ工業滋賀は紀州製紙などと共同で、琵琶湖・淀川水系のヨシから作ったパルプを1〜50%混入したノートやはがき、封筒などを開発し、11月に紙製文具8種類を発売した。無塩素漂白のミックスパルプや古紙パルプなどの材料も使っている。ヨシパルプ100%の名刺や賞状も受注生産する。商品名は「楽園(EDEN)に返す」と「ヨシ(Reed)」を掛けて「ReEDEN」とした。
 ヨシは水質浄化だけでなく、水鳥や魚の生息地保護、二酸化炭素の吸収など環境対策に役立つ。そこで同社は文具でヨシの活用推進を狙うとともに、売上高の0.2%を苗の購入やヨシ刈りを行うNPO(特定非営利活動)法人への協賛に充てることでヨシ群落の保全活動に役立てる。
 価格はA5判ノートが147円、長3判封筒(10枚)は945円などと通常の文具と大差ない。販売エリアは滋賀県と京都府内だが、環境保護意識の啓蒙に貢献する製品として注目されている。


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◆価格メリット◆
低価格で楽しめる本格感
価格メリットでは1位に桐灰化学(大阪市)のお湯なしで足湯効果が得られるカイロ「スチーム足湯」が選ばれた。温泉に行かずに家庭で足湯気分が低コストで楽しめる点が評価された。2位は永谷園のカレーを使った鍋の素「カレー鍋」。3位以下にはタカラトミーの世界最小の二足歩行人型ロボット「オムニボット17μ アイソボット」などが並んだ。専門店などよりは求めやすい価格を設定して、家庭でも手軽に本格感が楽しめるよう提案した製品が目立った。
(スタッフライター 相良隼二)

順位
製 品 名
企 業 名
1位 お湯を使わずに足湯効果が得られるカイロ「スチーム足湯」 桐灰化学
2位 カレーを使った鍋の素「カレー鍋」(2品) 永谷園
3位 広さと使い勝手を向上させたコンパクトカー「フィット」 ホンダ
4位 世界最小の二足歩行人型ロボット「オムニボット17μ アイソボット」 タカ ラトミー
5位 自動写真補正機能付き家庭用インクジェットプリンター「ピクサス MP610」 キヤノン

桐灰化学の家庭で足湯が楽しめるカイロ「スチーム足湯」
  蒸気の出る専用のカイロ(発熱体)を使って、湿った感じの熱(42℃)によって足を温めるコンセプトが注目された。この湿熱効果によって、温泉などの足湯で味わうようなぬくもりが楽しめる。
 特殊な断熱材で仕上げたブーツの足底に取り換え可能な専用の発熱体を入れて両足を温める。使用するたびに発熱体を取り換える。発熱体の希望小売価格は14個で924円。1回に両足の2個を使うことで、1回当たりのコストは130円くらいになる。評価委員会では「缶コーヒー1個程度の支出で温泉気分が味わえるのなら、それは安い」とする声が圧倒的に多かった。
 一方、ブーツの購入にもコストがかかる。価格は3465円。「ちょっと高いのではないか」との指摘があった。これに対し、家庭で足湯を楽しむことを迫られている人にとっては「決して高くない」と、反論する声もあった。
 家庭で手軽に足を温めたいと思う人は冷え性の女性が多い。足が冷えると不眠症になりやすいため、夜、風呂の代わりに足だけを温めて就寝する人が増えている。そういうニーズを抱えた女性には便利な商品で、“固定費”にあたる3465円はそんなに高い値段ではないというわけだ。
 桐灰化学の発売の狙いもそこにある。「冷え性に悩む女性をターゲットにした」(マーケティング課)という。それが当たって、売れ行きは順調だ。10月1日の発売から11月中旬までに「目標の半分になる2億5000万円の売り上げを達成した」(同)。冷え性の女性の目には価格メリットのある製品と映っているようだ。
永谷園のカレーを使った鍋の素「カレー鍋」
  人気のカレー鍋が家庭で簡単に安く、味わえることが価格メリットとして評価された。価格は3〜4人前(400p)で315円。しかも、2倍濃縮タイプなので割安感がある。これと肉、野菜などの具材を購入すれば、専門店で味わうようなカレー鍋が楽しめる。
そのコストが1人当たりどれくらいになるかは具材などにもよるが、鍋スープ代が100円くらいとして、それに具材など諸経費を入れて「500円から1000円くらいになる」とする意見が多かった。
 それに対し、外食でのカレー鍋の料金はどれくらいなのか。東京・世田谷にあるカレー鍋の専門店「伝心望」によると、「酒、食事代は含まず、鍋だけを4人が楽しんで1万円くらい」という。1人当たり2500円程度になる。
 従って、このカレー鍋の素を使えば、家庭で外食の半分程度の費用でカレー鍋が食べられることになる。


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◆アピール度◆
新しい見せ方で消費者に楽しさを提案
 アピール度の1位は、資生堂がダメージヘアケアラインとして発売した「ツバキ ゴールデンリペア」だった(写真)。同社が2006年に発売したヘアケアブランド「ツバキ」の新ラインで、より幅広い女性にアピールした点が評価された。2位はソニーが9月29日に発売した、光って踊る携帯音楽プレーヤー「ローリー」。音楽を聴いて、観て、感じて楽しむ」をコンセプトにしており、製品の動きを楽しめる。ヘアケア製品も携帯音楽プレーヤーも多くの競合商品が存在するが、ほかとは違ったアプローチで消費者の心をつかんでいる。
(研究員 中村奈都子)

順位
製 品 名
企 業 名
1位 傷んだ髪を補修するツバキのダメージケアライン「ツバキ ゴールデンリペア」 資生堂
2位 光って“踊る”携帯音楽プレーヤー「ローリー」 ソニー
3位 ゲーム機を使った健康増進ソフト「Wiiフィット」 任天堂
4位 振動でいびきを抑える「いびき軽減まくら V−1」 フランスベッド
5位 妊娠中でも安心して楽しめる宿泊プラン「マタニティープラン」 近畿日本ツーリスト


傷んだ髪を補修するツバキのダメージケアライン「ツバキ ゴールデンリペア」
 ツバキは「日本の女性は、美しい。」をキャッチコピーに2006年春、発売したヘアケア製品の新ブランド。初年度の売り上げは目標を8割上回る180億円を記録し、大ヒット商品となった。
 同社によれば、女性の髪へのこだわりは、「美髪」と「ダメージケア」に二分される。このため、第2弾としてダメージケア効果を打ち出した「ツバキ ゴールデンリペア」を9月下旬に発売した。
 「美髪」をうたった既存品が赤いパッケージであるのに対し、今回の商品では同じ形状ながら陶器のような白い容器を採用。それぞれを「赤ツバキ」「白ツバキ」と呼び、店頭でも赤と白の対比を際立たせることでインパクトを高めた。
 「ツバキ ゴールデンリペア」は、既存のラインに配合されている毛髪補修成分「高純度椿オイルEX」に加え、ダメージケア効果に優れた浸透補修成分「ツバキアミノ」を配合。傷んだ髪の毛先までをくまなく補修し、指どおりのよい滑らかな髪に仕上げるという。「椿緑香(つばきりょくか)」の香りだ。
 商品はシャンプーとコンディショナー、トリートメントの3種類で、シャンプー、コンディショナーはともに220pと550pの2サイズある。オープン価格だが、赤ツバキがシャンプー、コンディショナーともに800円前後であるのに対し、白ツバキは1000円近くで販売されている。
 CMでは赤ツバキ同様、複数のタレントを起用して多彩な日本の女性美を表現している。今回は蒼井優さん、竹内結子さん、広末涼子さん、仲間由紀恵さん、観月ありささんに加えて鈴木京香さんを起用し、より幅広い年齢層にアピールしている点も注目だ。CMなどを通じて日本女性への応援メッセージを送り続ける手法も、女性に好意的に受け入れられている。
光って“踊る”携帯音楽プレーヤー「ローリー」
 卵形の本体両側にスピーカーを内蔵。音楽を再生中、スピーカーのふたが羽のように開閉するほか、本体がその場で回転したり光ったりして踊りのような動きが楽しめる。本体の操作ボタンは電源スイッチとプレーボタンだけ。曲送りや音量調節はセンサーを搭載した本体を振ったり、本体の一部を回したりして操作する。ブルートゥース機能を備えた音楽プレーヤーやパソコンに保存した音楽を再生できる。店頭実勢価格は4万円程度。
これまでにない発想の商品で、デザインも既存の概念を打ち破る。今までにない新しい使い方、楽しみ方を提案する商品として消費者へのインパクトは大きい。


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データに関するお問い合わせは、日経産業地域研究所・新製品評価情報センター(Tel:03-5294-2596)
または まで、お願いいたします。