《地域の波動を伝える(「日経地域情報」357号=2000.12.18より抄録)》


都道府県 ●地方新聞普及率●
トップを走る徳島新聞の85.07%
新聞流通を映す経済圏の広がり


地方新聞の普及率ランキング
順位
新聞名
都道
府県
普及率
(%)
発行部数
(部)
順位
新聞名
都道
府県
普及率
(%)
発行部数
(部)
1
徳島新聞
(徳 島)
85.07
252,522
21
南日本新聞
(鹿児島)
54.53
401,609
2
福井新聞
(福 井)
79.43
201,515
22
大分合同新聞
(大 分)
52.60
244,527
3
日本海新聞
(鳥 取)
76.72
160,429
23
宮崎日日新聞
(宮 崎)
51.61
237,181
4
北国新聞
(石 川)
71.45
286,398
24
北海道新聞
(北海道)
51.04
1,232,921
5
高知新聞
(高 知)
70.02
232,640
25
東奥日報
(青 森)
49.16
261,897
6
中日新聞
(愛 知)
69.22
1,706,183
26
佐賀新聞
(佐 賀)
48.42
137,985
7
山梨日日新聞
(山 梨)
66.95
205,055
27
岩手日報
(岩 手)
47.66
228,883
8
秋田魁新報
(秋 田)
65.32
262,073
28
下野新聞
(栃 木)
45.79
307,231
9
新潟日報
(新 潟)
63.45
495,662
29
福島民報
(福 島)
44.24
300,284
10
北日本新聞
(富 山)
63.20
224,981
30
上毛新聞
(群 馬)
43.47
297,862
11
信濃毎日新聞
(長 野)
63.07
474,068
31
琉球新聞
(沖 縄)
42.97
197,866
12
山陽新聞
(岡 山)
62.47
438,843
32
京都新聞
(京 都)
42.69
425,209
13
山陰中央新聞
(島 根)
60.98
160,123
33
長崎新聞
(長 崎)
34.79
199,943
14
山形新聞
(山 形)
60.70
212,656
34
西日本新聞
(福 岡)
32.63
630,569
15
中国新聞
(広 島)
58.48
658,845
35
福島民友
(福 島)
28.44
195,807
16
熊本日日新聞
(熊 本)
58.16
386,138
36
神戸新聞
(兵 庫)
26.12
543,815
17
河北新報
(宮 城)
58.00
477,376
37
北陸中日新聞
(石 川)
26.07
102,329
18
静岡新聞
(静 岡)
56.72
729,342
38
岐阜新聞
(岐 阜)
25.46
170,726
19
四国新聞
(香 川)
55.33
207,440
39
デーリー東北
(青 森)
19.02
100,443
20
愛媛新聞
(愛 媛)
54.68
319,631
40
茨城新聞
(茨 城)
11.74
115,826
         
41
神奈川新聞
(神奈川)
6.96
234,268
(注)発行部数は朝刊紙の本社県内での2000年10月実績(日本ABC協会調べ)。伸び率は発行部数の2000年上期と10年前の比較。
普及率に影響する県人気質

 全国には都道府県を代表する地方紙がある。そこで、新聞協会に加盟し、日本ABC協会が発行部数を集計している地方新聞に限って、本社のある都道府県内でどれくらいの普及率を誇っているかを調べた。
 1位は徳島県の徳島新聞。普及率は85.07%と全国でずば抜けて高い。20年以上も前からトップを走っている。ちなみに、香川県では四国新聞の普及率は全国紙に押されて55.33%と低い。徳島県人は先祖からの土地に対し執着心が強く、そのせいで用地買収が進まず、四国4県の中で道路事情がいちばん悪いと言われる。こうした風土が郷土意識を醸成し、地方紙への愛着を生んでいるようだ。

地方紙を優位にする輸送距離

 2位以下は福井新聞(福井県)の79.43%、日本海新聞(鳥取県)の76.72%、北国新聞(石川県)の71.45%、高知新聞(高知県)の70.02%と続く。いずれも本州の日本海側、四国の太平洋側と中央から距離的に離れた地域のため、ニュ−スの鮮度で地方紙が優ったことが現在につながっている。また、福井、鳥取県のように中央から孤立色が強い経済圏であることが地場企業、地場経済の重要性を高めることになり、それが地元紙を有利にさせている面もある。
 ランキングの下位にくるのは首都圏、近畿圏、中部圏の地方紙。全国紙の力の前に苦戦している。最下位は神奈川新聞(神奈川県)の6.96%。次に茨城新聞(茨城県)の11.74%、岐阜新聞(岐阜県)の25.46%、神戸新聞(兵庫県)の26.12%の順。岐阜新聞は明治14年創刊と地元に根付いた地方新聞だが、名古屋市に本社を置く中日新聞に県紙の座を譲っている。岐阜県内での中日新聞の普及率は60.93%にもなる。岐阜県が中京経済と物流、通勤などいろいろな面で一体化していることを物語っている。

大都市圏周辺で苦戦する地方紙
 巨大経済圏に接近していたり、その狭間にある地域では地方紙は育たない運命にあるようだ。例えば山口県の場合、下関市に本社を置く山口新聞があるが、公称部数は8万3000部で、県紙というには小さすぎる。このほか、和歌山、滋賀、奈良、三重、埼玉、千葉の各県で地方紙は影が薄い。和歌山県には夕刊紙の紀伊民報(田辺市)があるだけで、大阪の全国紙が席けんしている。
 中日新聞は岐阜県のほか、三重県でも52.28%と断トツだ。同県には明治11年創刊の伊勢新聞があるが、公称部数10万部しかない。中日新聞はホームグラウンドの愛知県で69.22%の普及率で独走。その勢いは北陸、長野、静岡にまで広がっている。
 九州の新聞でも普及率が50%を切っているのは長崎新聞(長崎県)と佐賀新聞(佐賀県)。いずれも福岡経済圏の勢いが向いている地域で、福岡県紙である西日本新聞と北九州に拠点を置く全国紙の攻勢が激しい。

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