株価や企業評価に影響する記事だからこそ、
校閲の責任とやりがいも大きい。

記者
記者

東京・編集局 記事審査部
2014年入社
文化構想学部卒
※所属部局は取材時点のものです

CAREER STEP

2014年

入社 東京・編集局記事審査部

政治、経済、国際などのニュースを担当する硬派グループに所属。
社会、スポーツなどを担当する軟派グループ、電子版グループを経験し、現在は再び硬派グループに。

なぜ就職先に日経を選んだのですか。

学生のころ、大学院に進学するか就職するか長らく迷っていました。ですが校閲という仕事があると知り、就職活動を始めました。文献を読みこんだり、調べものをしたりするのが好きだったので、ぜひこの仕事ならやってみたいと思ったからです。校閲の求人を探していくうちに、日経が候補にあがりました。

日本経済新聞は株価や企業の評価にも大きな影響を与えるため、特にミスが許されません。また、多くの専門家が購読している専門性の高い新聞でもあります。そのような厳しい環境だからこそ、校閲記者として責任が大きく、やりがいがあると感じました。

私はパソコン教室で講師のアルバイトをしていました。その影響もあって、電子媒体にも力を入れている会社がいいと考えていました。紙媒体にももちろん愛着があるのですが、新しい媒体にも挑戦できる環境の方が様々な経験を積めそうだなと。そういう点からも、電子版に力を入れている日経は魅力的だと感じ、入社を決めました。

現在の仕事内容を教えてください。

政治、経済、国際などのニュース面を校閲する硬派グループに所属し、そこで1面や総合面などを主に担当しています。誤字脱字がないか、日本語としておかしい文章になっていないか、固有名詞や事実関係が誤っていないかなどを細かくチェックします。間違ってはいないが分かりにくい表現や、読者に不快感を与えるような表現などにも気を配ります。

誤りを見つけたら取材部門のデスクに指摘に行きます。自分よりもずっと経験豊富なデスクに誤りを指摘するわけですから、中途半端な理論武装では納得してもらえません。根拠をきちんと整理して説明する必要があります。机に座ってじっと作業しているイメージが強いかもしれませんが、コミュニケーション能力も必要です。

校正辞書のメンテナンスも担当しています。校正辞書とは、日経では使用しない表記や間違った固有名詞などを登録したデータベースです。登録した言葉が記事に出てきたとき、注意喚起をしてくれます。人力だけでなく、こういったツールも利用しながら紙面の校閲にあたります。

この仕事ならではの難しさと
面白さを教えてください。

経験を積むことで「慣れ」が生じて、ミスを見逃してしまうことがあります。もちろん経験を積めばミスが起きやすい箇所が分かるようになったり、校閲の精密さやスピードが上がったりします。ですが「慣れ」によるほんの少しの油断が、ミスの見落としにつながります。どんなにたくさんの誤りを防いだとしても、たった一つの致命的なミスを見逃せばその記事を台無しにしてしまいます。経験を積めば積むほど技能は上がりますが、油断との戦いに終わりはないのだなと感じます。そこがこの仕事の難しさだと思います。

面白さをひとつ挙げるとすれば、言葉の奥深さを知ることができる点です。言葉は常に変化しているので、新語や新しい用法に日々出くわします。それが新聞に載せてもよい表現かどうかを検討するために、何冊もの辞書を比較したり、過去の事例を調べたりします。その作業自体が面白いですし、新しい発見がたくさんあります。時には同僚や上司と議論をしたり、教え合ったりもします。言葉に興味がある人にとっては魅力的な環境だと思います。

今後のビジョンを教えてください。

校閲という仕事は、時代によって求められる業務内容が変化してきたといいます。活字を拾って新聞を印刷していた時代と多くの作業がデジタル化された現代とでは、ミスの種類も違います。また今ではネットで多くの公式資料が手に入り、便利なデータベースもたくさんあるため、校閲記者がファクトチェックできる範囲が広がっています。校正辞書などのツールが進化していくことも考えられます。技術の進歩により新たな種類のミスが発生するかもしれません。

今後も多くの変化があると思いますが「読者の立場にたって原稿を読む」という原則を忘れずに仕事を続けていきたいです。校閲は「最初の読者」といわれます。読者の視点から記事を読むことで誤りを防ぎ、読者にとって分かりやすい原稿を目指すためです。読者、ひいては社会が変化していけば、校閲記者として注意すべきポイントも変わっていくかもしれません。これからも「最初の読者」として何が求められているのかを意識しながら、この仕事を続けていきたいです。