TAMURA TAKAHISA
金融市場の変化について
確かな情報を提供する。
記者職
金融市場分析
田村 峻久
編集局 金融・市場ユニット
市場グループ
2018年入社
文学部卒
※所属部署は取材当時のものです
入社理由
仕事を通して新しいこと、面白いこと、知らないことを知ってみたいという思いから、「記者」という職種に関心を持つ。さらに経済に焦点を当てながら世の中の事象を俯瞰して発信するのは面白く刺激にあふれているだろうと考え、日経を志望。
仕事の内容は?
出来るだけ多くの人に話を聞き
真相に近づいた記事を提供する
金利や外国為替といった金融マーケット分野の記事執筆を担当しています。日々動き続ける金利水準や為替市場の値動きを通して世界経済の変化をつぶさに報じ、金融マーケットの変化について確かな情報を読者に提供するのが私のミッションです。ところが、マーケットは世界中の多様な参加者によって構成されているためなかなか実態が見えづらく、確かさを保証するのは非常に難しいです。理想を言えば、為替の動向であればドルや円の取引に関わっているすべての人に話を聞いて、回答の中から最大公約数をあぶり出したいのですがそれは不可能です。そのため、一部の参加者の意見だけで今起きている事象を説明せざるを得ません。限られたリソースの中で真相に迫っていく必要があり、記事を書く際には出来るだけ多くの利害関係者の意見を聞いてから書くようにしています。
大切にしていることは?
アウトプットの質は
インプットの量に依存する
お世話になっている先輩が、「1を聞いて1を書いているようではダメだ。1を書くなら10聞くこと」と語っていたのを印象深く覚えています。これは、アウトプットの質はインプットの量に依存するということ。実際に様々な意見を聞けば聞くほど記事に深みが増すように感じています。また、10を聞いたとしてもそのうちの9割は削ることも大事です。せっかく取材したので書き込みたい気持ちはありますが、皆が忙しく過ごしているこんな時代であるからこそ、記事が冗長にならないよう削りきることも必要です。
さらに、世の中の事象の多くは非常に複雑で、理解するためには多少なりとも事象を簡素化して分かりやすい構図に咀嚼することも必要です。一方で、分かりやすさを追求するあまり解釈が恣意的になってしまうこともあります。その線引きが曖昧な中で発信するのは難しいですが、微妙なバランスを取りながら発信することも重要です。
業務の魅力は?
自らの好奇心を
自由に追求していける
どんなに多くの人に話を聞いても、全くもってマーケットの真相に近づいている気はしません。その奥深さはもちろん難しくて大変だと感じることもありますが、逆に言えばどんなに調べても調べきれないほど面白いとも解釈できます。
数学的な手法に基づいて市場動向の分析・予測をする「クオンツ」という職種の方にインタビューしたときのことです。「マーケットに何らかの危機が訪れたとき、人間はパニックに陥ったり必要以上に恐怖を覚えることで非合理的な売買行動に走る。数理モデルで構築したアルゴリズムはそういった危機下でも感情的にならないため、非合理的な選択を取る人間から利益を奪える」といった趣旨の話を聞きました。どこか冷たい印象を持たれがちな数字が飛び交うマーケットは、むしろ人間の生々しい感情がうごめく舞台なんだと強く感じたのを覚えています。記者は、自分の好奇心を比較的自由に追求できます。新しいこと、面白いこと、知らないことをもっと知りたいという欲求に応えられるのが魅力です。
プライベートのこだわりは?
オフィス街から離れて過ごす
休日は妻と買い物や旅行に行ったり、友人と釣りやキャンプ、テニスに出かけたりとアクティブに活動しています。普段の仕事の中では出会わないような光景や、人に会うことが良い刺激になります。