IJICHI MASASHI
データや地図を視覚化することで
読者に新たな発見や気づきを与える。
記者職
データジャーナリスト
伊地知 将史
データビジュアルセンター
データ報道グループ
2016年入社
政治経済学部卒
※所属部署は取材当時のものです
入社理由
新しいことを知り、知らない場所に行き、そして文章を書くことが好きだったことから報道機関の仕事に興味を持つ。中でも、経済は人や社会が豊かになるために重要な要素であり、経済を見ればその時々の人や社会のあり方が背景として分かるのが面白いと感じ、「経済」に軸足を置いた報道をしている日経に入社。
仕事の内容は?
様々なデータを収集・分析し
過程で得た発見を記事にする
日経ではグラフや写真、地図を主体としてニュースをより分かりやすく、より身近でリアルに紹介する「日経ビジュアルデータ」を配信しており、新しい手法や技術を取り入れながらこのデータドリブンのコンテンツを供給するのが私たちの役割です。表現方法にも記事執筆と同じくらい力を入れているのが特徴で、デスクやデザイナーと協力しながら、より分かりやすく、より美しいチャートづくりを心がけています。
また、世の中にある情報量は増え続けていますが、人力に頼っていては情報を処理するのは極めて困難です。そこで、プログラミング技術を活用して大量の情報をデータとして整形し、データから得た仮説に対して取材を通して検証しながら高品質なコンテンツづくりを目指しています。
大切にしていることは?
実態を確実に捉えるために
あらゆるデータを検証する
どんなに長い時間をかけてデータを収集・分析しても、実態を捉えられていなかったり、トレンドの変化がなかったりすると記事化できないこともあります。また、せっかく良いデータ収集・分析ができても、そのデータを的確に表現できるチャートを作成できなければ間違った印象を与えてしまう恐れもあります。そのため、文章だけでなくデータからチャートまで幅広い要素で高品質を担保し続けることが重要となります。
また、企業から提供された「もらいデータ」に頼りきらないこと。きれいに加工されたデータの中には、企業にとって都合の良い情報しか得られない可能性があり、データ分析の幅が狭まってトレンドを捉えられなくなる恐れがあるからです。そこで公開情報や他のデータソースと照らし合わせて内容を検証するなど、自力でデータを収集・分析することも大切にしています。
業務の魅力は?
文字で伝えられる情報量を
遥かに超えた表現ができる
所属するデータ報道グループは、写真・映像、デザイン、プログラミングのプロが在籍するデータビジュアルセンター内にあります。こうした専門スキルを持った人たちと連携することで、文字で伝えられる情報量を遥かに超えた表現ができるのは魅力です。
ロシアによるウクライナへの侵攻が始まった2022年前半。戦場となった現地の様子をリアルに伝えるために、当時まだ珍しかった衛星画像を活用してビジュアルコンテンツを作成しました。みんなで思考錯誤を重ねながら、現地の状況をタイムリーかつ視覚的に分かりやすい形で日本経済新聞の読者に届けられた達成感は大きかったです。反響も大きく、「ウクライナの記事を書いた人ですよね?今まで見たことのないスタイルの記事でした」と手がけたコンテンツを喜んでもらえたのはうれしかったです。辛い現実だからこそ、日本経済新聞の読者に事情を知らせる意義は大きいのです。
プライベートのこだわりは?
街を散策しながら
社会の変化を観察する
オンオフに関係なく、街を散策して時系列で見た変化や地域差などを観察しています。これが記事になることもあり、「繁華街で人が減るのが早くなった気がする」という気づきから、夜の地球を撮影した衛星画像や携帯電話の位置情報のデータをもとに『東京の夜の光 コロナ前比1割減』というコンテンツを制作しました。妻には「何ぼーっと歩いているの?」と言われますが、頭の中ではあれこれ考えながら歩いています笑