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対談 グローバルリーダーの
コミュニケーション

日本経済新聞社

日本経済新聞社は322日、日経ウーマノミクス・プロジェクトの特別セミナー「未来を拓く!グローバルリーダーのコミュニケーション術」を開催しました。米ゼネラル・エレクトリック(GE)で日本およびアジアの人事責任者を歴任した人事のプロフェッショナル・八木洋介氏と、世界の一流リーダーが信頼を寄せる同時通訳者・関谷英里子氏が登壇。国を超えて活躍できるリーダーとしてのマインドセットや、英語コミュニケーションの鍛え方について経験談を交えて話していただきました。司会進行は日本経済新聞社編集委員の木村恭子が務めました。今回はセミナーの中から八木氏と関谷氏の対談「グローバルリーダーのコミュニケーション」の模様をお送りします。

(木村) 八木先生、関谷先生とともに対談を始めたいと思います。事前に皆さまから、ただいた質問にお答えいただきます。

(八木) ちょっと、先生はやめてくださいよ。

(木村) 八木塾の先生じゃないのですか?

(八木) 実務をずっとやってきたので八木さんと言ってもらっているし、私がお手伝いしているある会社では私のことを「G(じい)」と呼びますね。GlobalGですよ。要はコミュニケーションというのはどんなに自由にしゃべれるかということがあるので、先生とか社長とか、副社長とかそういうことをやっている段階でもうそもそもコミュニケーションの壁を作っちゃっている感じがしますね。

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(関谷) 今、八木さんがおっしゃったことはグローバルな観点でいうとすごく今の時代らしいことです。先生とか尊重する意味で付けがちです。付けても問題ないと思いますけど、「さん」というとフラットに話しやすい、ニックネームのような「爺」と呼べると思うと、自分の問題も語りやすくなるので、グローバルで見たら今っぽいリーダーなのかなと。

(木村) 海外ですとファーストネームで上司を呼んだりするのも普通ですね。

(関谷) マーク・ザッカーバークのことも、周りは「マーク」と呼びます。やはりファーストネームで呼ぶと親しい感じが伝わる。尊敬の意味がこもっているかどうかは声のトーンでわかるので、形というか言葉だけではないなとは思いました。

(木村) 皆さんからの質問はオンラインにまつわるものが多かったです。「リモートでのコミュニケーションで気を付けること、異文化の方、海外の方とオンラインで話すときに心がけたほうがいい点はありますか」という質問が来ています。

(八木) できるだけ表情豊かに手を使ってやるとか、にっこり笑うとか、普段よりも感情を表に出したほうがいいと思います。でも僕が一番気を付けているのは、終わりをネガティブに終わらないこと。終わりをポジティブに終わる。大変なことをしゃべっても「さあ頑張ろうね」みたいな感じでポジティブに終わる。前向きに考えることができる状態をとにかく作る。そういうのを心がけています。

(関谷) ちょっとテンション上げ目で笑顔とか、マスクが取れる状態であればなるべく画像はオンにして、表情がわかるように笑顔とかうなずくとか。会議だとどうしてもミュートにしないといけない状況がありますけど、画面越しにコミュニケーションとれるよう、ポジティブさや聞いていることを示し、どんな形でも参加するように気を付けています。

(八木) 関谷さん。さっきあったキッチンからの中継の話。少し堅苦しくない形で伝えたいとき、背景の工夫とかもあると思いません?

(関谷) おっしゃる通りで、(リード・ヘイスティングスさんは、)わざとかわからないですけど、「今、実はサンタクルスの家のキッチンから中継している」と語り掛けていました。それだけで親近感がわく、引き込まれることもあると思います。会社のロゴとか、これ実は会社で作ったバーチャル背景でちょっと素敵じゃない、みたいな話のつかみをするのもいいと思います。

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(八木) 背景もストーリーですよね。僕はときどき背景にチーターを映したりします。それなんでと言われると、チーターにかかわる話をしたりする。とにかく工夫すること。相手が「えっ?」と思ってくれる。「New」「Wow」といったけど、相手にサプライズを与えるのはすごく大事です。

(木村) アイスブレイクの質問です。「日本海外にかかわらず、これは間違いないという鉄板のトピックがあれば教えてください」という質問が来ています。

(八木) わたしの鉄板はないですね。大事なのは、信頼している人にしか言わないことをしゃべっちゃえばいいということです。仕事の話でなくても構わない。僕は阪神タイガースファンです。巨人ファンもいるかもしれませんが。パーソナルなことを言ってくれると、なんとなくふわっとする。ど真ん中じゃないところで少ししゃべると、「この人はそういうのを受け止める人だな」みたいな雰囲気は出ると思います。

(関谷)アイスブレイクで、たとえば初対面みたいなときですよね。ほぐれてない状態で自己紹介なんかがあるとき、名前とか出身地で由来をちょっとでも入れるといいなって思っています。

私の知り合いの方の名前、アツシさんですけど、"Call me Atsushi". アツシと呼んでください、と言ったあとが秀逸でした。日本語の名前って英語圏の方からするとなじみがないのでなかなか覚えづらいんです。それをよく理解しているアツシさんは "You know Sushi?" と言って、atSushi を合わせるとアツシになるよ、みたいに自分の名前を英語圏の人でも知ってるような日本文化 Sushiと合わせてプレゼンしていました。「アツシ」はパッと聞いただけでは発音できないかもしれないけれど、at Sushiを合わせた名前だ、ということで覚えてもらえる。そういうつかみがあるとぐっと親しみを感じてもらえると思います。

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もう一つ、アイスブレイクでなくても、Let'sを使うようにはしています。Let's start とか、Let'sを使うと親しみやすい雰囲気が出せるのではないかと思います。

(木村) 異文化についての質問です。

「海外の人と一緒に働くとき、どのようなコミュニケーションをとって進めるとスムーズにいくでしょうか?」

(八木) ダイバーシティでいろいろなバックグラウンドの人がいる会社、ぼくがいたGELIXILも、ローコンテクストです。

ローコンテクストというのは、はっきり言わないとわからないですよ。「私の国では」みたいなことは言っていられないので、まさに関谷さんがおっしゃった「Clarify and simplify」。

言ったことと違うコンテクストがある状態を作ったら、そういう会社はうまくいかないです。だから、ダイバーシティでいろいろな方がいらっしゃるのだったらちゃんと、言ったことがすべてという状態にしないと、勝てないと思いますけどね。

(木村) ジェンダーについての質問も来ています。「日本の場合は女性が強く発言することをよく思われない風潮があると感じています。海外では差別なく一人の人間としてみてもらえる、女性として強く発言してもそんなに変に思われることがないのでしょうか」

(八木) 「自分らしく」でいいのではないですか。女性だろうが男性だろうが、間違ったことにははっきり言えばいい。 確かに男のほうがはっきりきついこと言いがちだし、女性のほうがやさしいというのはあるかもしれないけど、それは個性なので、ちゃんと出していけばいいと思います。今求められているのは個性をちゃんと出す。そのこと自体がダイバーシティなわけだから。

それでも確かに、世の中にはアンコンシャス・バイアスがあるにはある。これは別に日本だけじゃないですよ。

米国だろうがどこだろうがある。4年ちょっと前の米国の大統領選を見てください。ヒラリーってなんで選ばれなかったのか。「ガラスの天井がある」と彼女は言っていたけど。ああいう激しくはっきりものをいうタイプの女性は「えっ?」と思われたりすることは米国でだってあるんです。

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だけど、会社では、いろんな個性があって、いろんな意見があって当たり前、という心理的に安全な状態をいかに作るか。男だとか女だとか言っていたら勝てない。これは理想論かもしれませんが、自分らしくというのが一番いんじゃないですかね。

(木村) 女性のアンコンシャス・バイアスの話がありましたが、関谷さん、働いていて感じられたことがありましたか。

(関谷) 八木さんの話にあった「自分のありのまま」というのは、英語でいうと「オーセンティシティー」ですね。オーセンティックであること、自分らしくあるというのがリーダーにはすごく大切です。「リーダーはこういう人ですよ」という型だけではなく、どんな人でもリーダーになれる、今の日本を見ても女性でいうと、スーパーな人じゃないとリーダーになれないみたいな見え方もちょっとされてしまうのですけど、そうじゃなく、「私でも大丈夫」と思えるようなリーダーが出てくるといいかなと思います。

カマラ・ハリスさんなんかも、女性らしさとか笑顔とかを講演のなかでもすごく使っていて、チャーミングさみたいなのが出てきて、私たちの中の一人、one of us を代表してくれていると、共感されていると思います。

(木村) 最後におふたりからひとことずつメッセージをお願いします。

(八木) 英語ってそんなに大変だって思わないで、ぜひやってほしいなって。自分をしっかり持って、知っている言葉で一生懸命しゃべる努力をすればいい。単語の数は多ければ多いほうがいいかもしれないけど、3000語あれば何とか話ができる。それよりも伝えたい自分というものをたくさん持つことがよほど大事です。英語もそうだけどぜひ、伝えたい自分をしっかりお持ちになるのがいいと思います。

(関谷) 自分らしさを持ち、どうやってリーダーとして活躍していくのかという図を思い描きながら、リーダーになる。それは人によってハードルがあります。自分はもっとスキルアップしなければとか、これでいいのだろうかとか思っている方がいたら、それでもいいと思います。

わたしはよく友達や後輩の女性には、「輝くことを恐れない」自分になろう、と言っています。輝いた自分はきっとその部署や組織に、そして社会にいい影響を与えられるのだと思います。そしていい影響は伝染します。ポジティブさが伝染するのと同じで、輝きも伝染します。だから輝くことを恐れないこと。女性の皆さんは本当に輝きの源泉を持っていると思いますので、それを思い切り輝かせられるように、これからも頑張っていただきたいと思います。男性の皆さんも、です!一緒に輝きましょう!

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