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日経TESTの活用法
セミナー「変革の時代の人材育成
とアセスメント」より

日本経済新聞社

日本経済新聞社は2021年3月9日、教育・研修担当者向けセミナー「変革の時代の人材育成とアセスメント」を開催しました。ここではその中から第三部「日経TESTの活用法」の模様をお届けします。

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日本経済新聞社 人材教育事業局 日経TEST編集長 石塚慎司

東京本社編集局経済部、同経済解説部、西部支社編集部次長、東京本社経済解説部長などを経て日経産業地域研究所(当時)「日経グローカル」編集長に。日経グループのシンクタンクである公益財団法人日本経済研究センターの経済予測・研修部長、総務・事業本部長等を経て、2015年より現職。

日本経済新聞社 人材事業教育局HRD事業グループ HRDコーディネーター 赤木雅樹

人材育成会社で人事企画や企業のマネジメント層の選抜・育成などの育成ビジネスに約20年従事。グローバル企業や多くの企業でトップマネジメントを含めたリーダーの人事評価・選抜に携わる。2019年12月より現職。グローバル企業の次世代リーダーの選抜育成プロジェクトの支援をする傍ら、サクセッションプランの研究会の企画運営をサポートしている。

日本経済新聞社 人材教育事業局部長 佐々木玲子(ナビゲーター)

顔写真さしかえ.png

左から)石塚、赤木、佐々木

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佐々木)まずは、日経TEST編集長の石塚慎司より、日経TEST(正式名称:日経経済知力テスト=Nikkei Test of Economic Sense and Thinking)について、ご説明させていただきます。

石塚)日経TESTは一言でいえば、経済の動きを理解し考え方を鍛えて視野を広くすることを目的とし、「知識」と「考える力」の双方を測るテストです。第1回は2008年で、イノベーションを起こせる力を測ることを目的に開発しました。私は立ち上げの議論にも参加し、この5年ほど編集長を務めています。

変革人材といったときに、「経済・産業動向に関する知識とか、考える力が果たして役に立つのか」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。能力や経験、資質といったことのほうが大事ではないかとの声も耳にします。ただし、視座を高め、視野を広げることで、ビジネスや業務の課題を見つけられるといった部分も少なからずあると思います。

改革できるのは手の届くところ 視野を広げ、改革できる範囲を広げる

と申しますのも、「変革をする」「イノベーションを起こす」といっても、実のところ、その人の手の届くところでしか、なかなか改革できないんですね。ただし、視座を高め、視野を広げることができれば、自分の改革できる範囲も広がっていく。そうした意図で日経TESTを設計しております。

出題領域は6つあります。そのうちのひとつ、「経営環境」というのはマクロの景気とかGDPとかそういうところ。それから「企業戦略」「会計・財務」「法務・人事」「マーケティング・販売」「生産・テクノロジー」です。いわゆる経済だけではなく、広い範囲を網羅したテストになっています。

A 日経TESTの6つの出題ジャンル.png日経TESTは、これら6つの領域と同時に、5つの評価軸で構成しています。具体的には、「基礎知識(Basic)」「実践知識(Knowledge)」「視野の広さ(Sensitive)」「知識を知恵にする力(Induction)」「知恵を活用する力(Deduction)」ということになります。

それでは、実際にどんな試験なのか、ここで例題をいくつか、ご紹介させていただきます。

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【例題1】

.日本の国内総生産(GDP)に占める割合が最も大きいのはどれか。

選択肢:1.政府支出 2.民間設備投資 2.個人消費 4.輸出

(正解は3)

【例題2】

.1人当たり国内総生産(GDP)が10位以内に入っている国はどれか。

選択肢:1.中国 2.ドイツ 3.日本 4.アイルランド

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石塚)例題2について、簡単に解説します。GDPの総額では米国が1位で、中国が2番目、日本が3番目です。ただし、1人当たりGDPでは中国は70位台、日本も20位台です。アイルランドは小さくて北海道と同じくらいの面積・人口ですが、製薬とかIT(情報技術)、金融が立地し非常に収入が多い。1人当たりではルクセンブルグが1位、2位がスイスで次がアイルランドです。こういう視野の広さも測っています。正解は「4」です。

佐々木)GDPのトップ3は皆さんご存知かと思いますが、1人当たりGDPの順位も理解しておいたほうがいいというのは、どんなところに役立ちますか。

石塚)データの見方です。中国は非常に大きい国。経済発展しているといいますが、1人当たりではまだまだ所得が伸びる余地があり、金額ベースでは日本の4分の1くらいです。海外の経済とかマーケットを見るときに、こうしたことを視点として踏まえておくことが大事だと思います。

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【例題3】
.以下の企業に共通する経営戦略はどれか。

・家庭用ゲーム機でヒットが相次ぐ任天堂

・高収益企業で知られるキーエンス

2020年に上場した個性派家電のバルミューダ

選択肢:1.規模の経済 2.水平分業 3.垂直統合 4.囲い込み

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石塚)任天堂、キーエンス、バルミューダ、それぞれ去年とても業績が良かった会社です。共通するのは、ファブレス企業で生産は別の会社に委託し企画とサービスをやっている会社だということです。正解は「2」の水平分業ですね。

佐々木)例題1、例題2は、基礎知識(Basic)の問題の例です。一方、こちらの例題3は知識を知恵にする力(Induction)からの問題です。

石塚)日経TESTでは3つの知識を測っています。具体的には、基礎知識(Basic)、実践知識(knowledge)、視野の広さ(Sensitive)です。別の言い方をすれば、たとえばGDPとかマクロの経済の知識と実践知識、つまり、日本経済とか米国経済とか、そういうことですね。さらに、視野の広さでは、多様な社会現象や国内外の政治、科学技術などについても、ビジネスの役に立つ知識として測っています。さらに、それらに基づいて考える力として、知識を知恵にする力(Induction)と知恵を活用する力(Deduction)の2つも測っています。

B 日経TESTの5つの評価軸.png

このうち、知識を知恵にする力(Induction)とは、例題3の3社の事例に共通する動きを見い出す問題のように、物事が発生したときにどういうトレンドや法則にのっとっているかを分類する力です。この例題であれば、3つの事象ABCの共通点を探す推論力となります。日経TESTで測っているもう一つの考える力が、知恵を活用する力(Deduction)といえる演繹的な思考力です。これは、何かが起きたときにどういう結果が生じるのか、あるいは反対に、何が原因だったのかが分かる力といえます。知識を知恵にする力が「視座の高さ」とすると、知恵を活用する力は「視点の鋭さ」を測る設計になっています。

変革人材の要件(視野の広さ、視座の高さ、視点の鋭さ)を測れるアセスメント

佐々木)さて、人材アセスメントとは「組織のなかで、人材を配置・育成するときに、行動や適性を客観的に評価すること」ということですが、日経TESTは果たして、アセスメントとして活用できるでしょうか。

赤木)そうですね。日経TESTが有効的に機能する部分もあると思います。実は私自身、日経TESTはアセスメントではなく単なるテストではないかとのイメージを持っていました。しかし、今は先が見えない、正解がない時代です。そうした環境下で新規事業開発で活躍する可能性のある人材かどうか、変革を起こせる可能性のある人材かどうかを見い出していく際に、とても有効なアセスメントになりうるのではないかと考えています。

B2 広い視野高い視座鋭い視点.png

なぜなら、変革人材の要件となる視野の広さ、視座の高さ、視点の鋭さを磨く助けとなり、さらに、その成果を測ることができるアセスメントツールというのは、実に限られているからです。もちろん、日経TESTの結果だけで管理職の適性があるかどうかを判断するのは正直難しいと思います。しかしながら、私たちが考える変革人材の要件を満たしているかを測るうえでは、部分的かもしれませんが日経TESTで適性の有無をみることは可能だと思います。

佐々木)日経TESTで、変革人材の要件となりうるビジネス洞察力は測定できる。ただし、コミュニケーション力などソフトスキルも含めたビジネス構築力までは、残念ながらカバーできていないということですね。ただし、人材アセスメントのツールは、いくつか組み合わせて使う例も多いそうですね。

赤木)はい。個々のアセスメントツールはそれぞれに特徴があるので、目的や用途に応じて組み合わせて活用することが重要かと思います。その意味では現在、みなさんがお使いのアセスメントと日経TESTを組み合わせていただき、事業開発における育成という新たな視点で人材活用を「見える化」していただくのが有効と考えます。

費用面について

赤木)日経TESTの受験料はお1人様5500円(税込み)です。私が知っている範囲ですが、役員や経営幹部選抜・育成のアセスメントではお1人あたり100万円かかるというものもあります。「1人100万円」と聞くと、ぎょっとされる方もいらっしゃるかもしれません。ただし、「100万円で役員にふさわしい人材を見極められならば安い」と考える企業さんがいらっしゃるのも確かです。そうした視点に立てば、日経TESTの受験料も活用の仕方次第で決して高くないのではないでしょうか。

C  日経TESTのアウトプット(団体分析表).png

自社・業界・全国の比較ができる

組織全体のアセスメントの結果は、自社の立ち位置を把握したり組織全体の傾向を理解したりするうえで非常に有効だと思います。日経TESTの場合、法人でのご受験の際にお渡しする企業団体分析表は、5つの評価軸ごとの自社、業界、全国の比較が可能なデータです。

こちら(比較診断分析表)も各業界とか、他社との比較が可能な資料です。こういった資料を個人結果と共に組織の結果としてお示しできますので、今後の能力開発や組織活性化に向けた施策のご参考に使っていただけると思います。

D  日経TESTのアウトプット(比較診断分析表2)⇒要差し替え.png

佐々木)同時に、個々の受験者の方向けにはお1人ずつの成績表を別途、用意してございます。石塚編集長、学習の助けとなるものはありますか。

石塚)日経TESTはいわゆる検定試験ではないので、テキストをマスターしてそれを試すというものではありません。とはいえ、では何を勉強したらいいのかというときに、普段から経済情報を吸収するためのコツをご伝授しようというのが公式テキスト&問題集です。こちらには、日経TESTの問題に準じた例題も100問、収録しております。コロナ危機で世界経済の動きがだいぶ変わりました。2021-22年版では、そうしたことも踏まえて、新しい経済・産業の見方まで丁寧に解説しております。

27万人が受験し客観データを蓄積

佐々木)日経TESTをご活用いただいた実績について、説明をお願いします。

石塚)日経TESTのこれまでの受験者数は累計で27万人です。おととしあたりで3万人近く、法人単位ではだいたい例年500社くらい。去年はコロナの影響で300社くらいとなりましたが、毎年500社・2万人以上に受けていただいた蓄積があります。これが日経TESTの強みです。

赤木)日経TESTよりさらに多い受験者のあるアセスメントツールも多くあります。とはいえ、27万人ほどの母集団ということであれば、かなり客観的なデータが集まっているといえます。個々の受験者データを業界別や役職別で相対比較してご活用いただけます。

変革人材を見い出すアセスメントとして

石塚)日経TESTでは100問中40問で考える力を測っています。イノベーションとか変革では、従来の常識的な部分と逆をやらないと成功しないということもありますが、「順張りがあっての逆張り」ということもあります。まずは、起きていることを正確に理解し分類できるか、そして、オーソドックスな法則性・ルールを理解し、きちんと分析・理解できるかを測っています。

赤木)第二部でリーダー人材に求められるものとして、知識・知力、経験、能力、個人特性といった4つが必須要件であるとお話をさせていただきました。この4つの要件のうち、一般的なアセスメントの項目として、「能力」を測るという切り口で考えた場合、具体的にはしっかり情報収集ができているか、そして分析や考察ができているかということに分解できると思います。こうした発想に基づき、私たちは、視野・視座・視点を持っていただきたいというメッセージとともに、インプットの重要性をお伝えしています。

E 公式テキスト&問題集2.png

佐々木)先ほどの公式テキスト&問題集以外で、良質なインプットを促す仕組みや学び方のアドバイスがあれば、お願いします。

石塚)基本は毎日起きている経済情報を正しく理解していくということです。何かにぶつかった時に解を引っ張り出せる「引き出し」を育てるため、普段から経済情報に接していただくのが一番重要かと思います。苦手な方はまずは公式テキスト&問題集の活用などで、そこを克服されるのが良いかと。日経の紙面には「私の履歴書」とか「私の課長時代」といったいろいろな読み物があります。経験とか能力とか資質をインプットと合わせて養うのに、経営者のストーリーのようなものも役に立つと思います。

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