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【レポート】 グローバル人材育成オンラインセミナー

トライオン×日本経済新聞社
会議・放送通訳者 新崎隆子氏
関西学院大学大学院教授 門田修平氏 
トライズ語学研究所所長 西牧健太氏

グローバル人材育成オンラインセミナー 新型コロナ対応 海外留学に代わるオンライン型語学研修のあり方とは日本経済新聞社人材教育事業局 トライオン株式会社共催 日経ビジネススクールセミナー

2020年5月28日(木)11:00~12:00

第1部 11:0011:50 パネルディスカッション

第2部11:50~12:00 オンライン型プログラムの紹介

◎パネリスト

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博士(国際コミュニケーション)会議・放送通訳者 

新崎隆子氏

関西学院大学法学部教授 関西学院大学院言語コミュニケーション文化研究科教授 

門田修平氏

ファシリテーター 
トライズ語学研究所所長 
西牧健太氏

【トピック1】本来、海外留学で期待するべき効果とは?

門田僕自身、昨年8月からニューヨーク大学(NYU)というところで客員研究員の立場で半年ちょっといた。多くの方が留学で一番期待されるのは、英語に接する時間が増える点だろう。子供が母国語を習得するまでに要する時間は概算で、小学校卒業までとして3万5040時間。これに対し日本人が従来のように中学校から初めて中高6年間で接する時間は、どれだけ多く見積もって3065時間。約10倍違う。こあたりの大幅な改善期待されていると思結局留学中にどんな生活を何をするかがすべて。日本でもリスニングやリーディングのチャンスを増やすことはできる。

ただ、①相手の発話を理解し、②どう答えるか考え、③言葉にして反応するという3つ同時進行が必要なインタラクションは、日本では学習チャンス少ない。英語コミュニケーションでは①③だけなら何とかこなせても、零コンマ何秒、一秒以内で処理する日本ではなかなか付かない留学の効果をいちばん期待できるのはインタラクションのところだと思う

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新崎私自身、留学の経験がな国内でのみ英語の勉強をしてきた。通訳者の養成コースに来る人は分類できる。最初は幼少期から中高まで現地に住んで正規の学校教育を受けた人、一般的に高度な英語能力を身に付けて帰ってる。ただ通訳をするには英語だけではだめ。日本語が貧しい場合があり、そちらのほうが課題大学・大学院の正規のコースで学び、学位を取得した人、短期の語学留学した夏休みのホームステイプログラムなどのグループ、企業からの派遣留学、この種については一般的な英会話能力の個人差が大きい。企業から派遣留学した人は、期間中にどれだけ勉強し、日本人との接触を断って現地の人と接したかが問われるがそれ以上に留学から英語を使った仕事をしているかどうか

質問渡航先で効果いがあるか

門田英語圏であれば、アメリカ、NZ、豪州、英国念頭にある思うが、どこにどのくらいの間いくかより、何をしたかが重要である。日本実際に英語を毎日使っていれば留学と変わらない。NYに行っても日本人とばかり接するは結構多い。英語圏英語を使う環境に自分がいるときに一方的に聞く・すではなく、インタラクティブなコミュニケーションをどれだけとるかが非常に大事

【トピック2】30代後半以上のミドル人財の英語力に切り込む!

司会)弊社の営業が企業訪問すると、20代はそこそこできる、30代後半から苦手な方が多いという声をよく聞くが本当にそうか

新崎平均的に大学生英語力昔より思わない。個人差が拡大しできる人る一方、基本的文法も身についていない大学生がおり、後者のほうが多い20代そこそこできるいえず、30代後半から苦手な人が多いというのは思い込みと思う。

可能性として大卒者の採用基準が変化したことがある。35歳以上の採用時期は2007年以前。08年にリーマンショックが起きるなど経済環境が安定せず企業は手堅い人材を求めた。25歳の人が採用されたのが17年前後とするとオープンな公募制のなか、労働力多様化が非常に叫ばれ企業側も多様な経験を持人を求めたことがあるかもしれない。35歳以上決して見捨てる必要はない私自身リスニング力が一番伸びたのは35歳から6カ月くらいの間

司会)第二言語習得で年齢などによる影響があるとうかがってい

門田30やれば伸びるのは間違いない。私も半年NYにいっ伸びた実感もあ年齢の影響についてはLennebergが提唱した臨界期」説がよく知られている。当初、12歳くらいと仮定されたが、その後の研究で、生物的な臨界期は7、8歳位までがピークであると言われている確実に言えることは、英語のネイティブのような発音を身に付けるのは、1歳以降きわめて困難になるということ。しかし、それ以外のリスニング力、考えて話す力、リーディングやライティング力は、練習すればするほど、学習すればするほど、力が付くことが確認されている。言語習得.jpg

質問30代から英語が伸びたということが、苦労した点は?何をしたらいいのか?

新崎大学の時はESSクラブに入っていた。ディベートをやっていたのでスピーキングは鍛えられたが、リスニングはどうしても後回しになった。リーディングは多読したのでだいぶ鍛えられたが、通訳学校で「今なんて言ってた」と聞かれ分からないのは辛かった。リスニングをどうするか悩んだが、シャドイングはとてもよかった。音声に対する集中力を高める口で追いかけので、時間がかからない点ですごくよかった

メッセージをつかむ練習した。大意をつかみ能動的に内容を理解する訓練をずいぶんした。FENで定時のニュースを聞いて書き出すとか、口で言ってみるとかそういうことをした。最初はニュースの本数もわから終わったが一時間後にはまた同じような内容のニュースを聞くことができるので、何度か繰り返すうちに理解できるようになった知らない単語が聞こえてきたから分からないでなく、この人は何を言おうとしているかという能動的な聞き方。能動的理解と、シャドーイングを中心とした精密な聞き取りが二本柱

【トピック3】言語学・コミュニケーション学に基づいた英語習得法とは?

新崎英語学習の目的はコミュニケーションだということ日本の英語授業でもその視点が抜けている。日本語母語話者が英語を勉強する際に頭に入れるべきなのはコミュニケーションスタイルの違い。一番大きな違いはHigh contextかLow contextかということ。High contextコンテクストに頼ってコミュニケーションするスタイルで、言外の意味察しを期待する通訳として日本語の発話を英語にする際に大変苦労する。何が言いたいのか、どうしたのか全然出てこない英語その他言語圧倒的にLow contextで、言語化し言わないと伝わらない。同時通訳の際に英語みたいな日本語をしゃべる人何の苦労もなく、こういう話し方なら英語でも通じる。High contextのスタイルから一歩も出ない人がいくら勉強しても、伝わる英語になるとは私は思わない。

もう一つの違いは読み手・聞き手責任か書き手・話し手責任か日本語は圧倒的に読み手・聞き手責任。変な文章でも、少々しゃべり方が悪くても、聞き手が全部それを理解することが期待されるところが英語は圧倒的に書き手・話し手責任。英語母語し手に「わからない」と言って聞き返すのは恥でも何でもなく、一度聞き返すべき。伝わらないのは自分の責任いって非常に気持ちよく言い直。わからないのは自分が悪い、自分のリスニングのせいだと思って聞かないと、ますます話しづらくなると思

World Englishesという世界各国の英語はそれぞれ独特の特徴と平等の価値を持、英語は話しの文化を表現する手段だという考え方がある。英語を使ってだれと話をするのか。母語話者同士当然だが、みなさんが思い描く母語話者と非母語話者会話より、非母語話者同士の会話のほうが今は多いまりEnglish as a global language だ。これを考えると、何のために英語をやるのかがよくわかってくると思

司会)心理言語学や応用言語学分野における研究成果からお話しください

門田英語の母語話者が世界の言語をどれくらいの時間で学習できるかの目安となる一覧表がある。それによると、一番簡単に学習できるのは、カテゴリー1のデンマーク語やオランダ語。他方、日本語も含め韓国語、中国語などはカテゴリー5である。この中でも、日本語はとりわけ難しい言語であると注記されている。英語と日本語に言語的距離が大きいということは、日本語をもとにした類推は、英語学習にはまず役に立たないということを示している。この大きな言語差に加えて、新崎先生がご指摘になった、High context vs. Low contextという文化的な壁を乗り越える必要もある。

私自身、2018年に「外国語を話せるようになるしくみ」という本を出し、外国語を話せるようになるポイントとして、I.P.O.M.(インプット理解、プラクティス、アウトプット産出、メタ認知モニタリング)の4つを提案した。英語を聞いて理解できるようになっても、その能力をアウトプットにつなぐためには、聞いたものを繰り返す、スピーキングの前段になる練習をたくさん積む必要がある。母語との言語差の大きな英語を学ぶ私たち日本人にとって、I.O.に結びつけるには、その間にあたるプラクティスが非常に重要な意味を持っている。このための代表的なトレーニングである、聴いたものを間髪おかず繰り返すシャドーイングが極めて大切であろう。

シャドーイングはまた、①インプット音声を知覚して、②その意味を理解しながら、③発声(発音)し、さらにまた、④自分のシャドーイング音声を聞いてモニターするという4つのプロセスをほぼ同時に実行するトレーニングである。それだけ英語の総合力を育成するのに適した学習法だ。ただ、その学習は、あまり無理をせず、散歩やジョギングなどと、何か別の運動と組み合わせて行うのもいい。ことばの学習は、それだけに集中するよりも、エクササイズなど運動しながら行うと、意外に効果が上がるものである。

質問年齢の高い従業員への英語研修で、必須にすべき内容はある

新崎学習システムを作ること。日常的に自分だけでやっていける人はいい仲間を作って一緒に学習するとか、あるいはコーチみたいにそばにいて、ときどきチェックし、動機付けしてくれるような人が身近にいるといい。もう一つはやっぱりインターアクション。実際にネイティブのレッスンをして、ネイティブの人と話すというのはとても重要。勉強するだけではだめで、使う環境を自分で作ることが欠かせないと思

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