公立の小中高、授業を5段階で評価 「生徒が採点」広がる
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授業を保護者や中学生らに公開、学校を評価してもらっている都立飛鳥高校(東京都北区)
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児童・生徒が教師の授業を評価する試みが公立の小中高校で広がっている。分かりやすさや進め方について子どもが点数をつけたり、不満や要望を自由に記述。子どもの意見に耳を傾けることで、教え方について考えてもらう。学生による授業評価は大学で定着しつつあるが、「教師が子どもに迎合する」など問題点を指摘する声もある。
東京都教育委員会は2004年度から、約210ある都立高校全校で生徒による授業評価を導入する。すでに準備会が発足、今年度末に具体的な評価項目など実践例を取りまとめ、来年度には半数に当たる約100校で試行する方針。
飛鳥高校(北区)は2000年度から独自に実施。約700人の全校生徒を対象に「分かりやすく行われている」「進み方が適切である」といった設問でアンケート調査をし、5段階で評価させている。遠藤隆2校長は「教師が自己満足から脱皮するには、上司からの指示より生徒の声に耳を傾けるのが最も効果的だ」と強調する。
数学担当の清水久雄教諭(26)は3年前の赴任当時、一部生徒から「理解度を無視して授業を進めている」と進度の速さを指摘された。「定期試験などに間に合うよう『これだけは教えたい』という気持ちが強すぎた。自分と生徒の思いがかみ合っていなかった」。翌年からは「学力をつけるためには速さも必要。頑張ってついてきてほしい」と理解を求めるようにした。
高知県教育委員会は「教師の資質と子どもの学力を向上させてほしい」との県民アンケート調査結果を受け、1998年度までに公立の小中高全約450校で児童・生徒による授業評価を採り入れた。
高知市立泉野小学校は約600人の全児童に「授業が楽しかったか」「おもしろかったか」といった質問をして感想文を書かせている。当初は3―5段階で評価させていたが、「教師によっては9割以上の児童が『楽しかった』と答えるなど授業改善の参考にならなかった」(江渕喜美子校長)ため、数値化する方式から感想文に変更。「子どもたちも授業態度を反省するなど効果が出てきている」(同)という。
授業評価を嫌がる教師も少なくない。ある都立高校の40代の男性教師は「高い評価を得るため生徒に迎合するような授業をする教師が出てくる」と指摘。都教委は全国に先駆けて教師の人事考課制度を導入しており、50代の男性教師も「生徒の評価が考課に利用される恐れもあるのでは」と不安を示す。都教委は「授業評価はあくまで授業の改善が目的。人事考課に結びつけることはしない」と強調している。
文部科学省によると、2001年度に学生による授業評価を実施した大学は国公私立合わせ513校と全体の76%を占めた。1997年度の272校から倍近く増えている。
[2003年2月6日/日本経済新聞 朝刊]