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7月1日の記事

学生ボランティア走る・98参院選模様
瀬戸際の社民・民主と「怨念」の戦いも
識別可能な党名は有効・自治省
不在者投票数6.3倍・28日現在、自治省発表



学生ボランティア走る・98参院選模様

 「日本の政治はこのままでいいのか」。こんな思いから、今回の参院選でボランティアとして選挙事務所を手伝う学生たちがいる。「候補者にひかれた」「授業の単位の取得のため」など動機は様々だが、現在の政治の状況に危機感を抱いていることはみんな同じだ。「大学ではできない勉強ができる」と政治の実体験を通じて普段の生活にはない躍動感を味わう一方で、「汚い面もある」と選挙の現実にも目を向ける学生たち。若者の政治離れが言われる中で、学生ボランティアの目に今回の参院選はどのように映っているのだろうか――。

 「毎日新しい発見があって楽しい」――米オルブライト大で政治学を学ぶ牧健さん(20)は授業の単位として認めてもらおうと、6月初めから東京選挙区のある陣営事務所に通い出した。週末も休まず毎朝9時半から“出勤”する。「いろいろな人に会え、選挙のシステムもわかる。単位獲得という目的以上の収穫がある」と語る。

 牧さんと同じ事務所で働く慶応大3年の古閑裕康さん(20)がボランティアで選挙に参加して最初に感じたのは「選挙の情報が一般の人に十分に伝わっていない」ということ。「有権者からの電話を受けると、誤解に基づく苦情などが多いことがわかる。正しい情報を伝えるのが大切」と日々の仕事を通じて問題意識も芽生えた。

 麗沢大大学院で国際経済学を専攻する別府志海さん(23)は日本の選挙の仕組みに疑問を持ち、神奈川選挙区のある陣営でボランティアを始めた。実際に選挙にかかわって、「個々の候補者に個性があっても、政党の枠の中ではそれが埋もれてしまうと感じた」と打ち明ける。

 首都圏の野党陣営でボランティアをしている学生(20)は「イメージばかりを優先して、何でもいいから票が欲しいという態度が見え見え。有権者をだましているような気がしてくやしい」と率直に告白した。また、選挙ボランティアに熱心に取り組む学生らを、「何頑張ってるの」と冷めた目で見る若者が多いのも事実だ。

 それでも、多くのボランティア学生は選挙を「貴重な体験」と肯定的にとらえている。大学3年からボランティアを続けている同志社大大学院生、蔭山千寿さん(22)は「地道な活動だけど、他の若者に理解してもらえるよう話しかけていくしかない」と話している。


瀬戸際の社民・民主と「怨念」の戦いも

唯一の現職公認候補

 「どうしても新潟では負けられない。いても立ってもいられないという気持ちで応援に駆けつけました。庶民の代表である大渕さんを応援してほしい」――。社民党の土井たか子党首は公示後の最初の日曜日である28日、新潟市内の繁華街で声を張り上げた。

 社民党は今回の参院選で20選挙区に公認候補を擁立した。選挙区の改選議席は六議席だが、そのうち4人が引退、鹿児島の上山和人氏は非自民統一候補となったため無所属。大渕絹子氏はただ1人の現職公認候補だ。

 土井氏が新潟を訪れるのは5月に続き2度目。土井氏だけでなく26日には伊藤茂幹事長も新潟を訪問。比例代表名簿1位の福島瑞穂氏も応援に駆けつけるなど議席死守に総動員態勢を敷く。大渕氏は反消費税や農産物輸入自由化による農政批判が渦巻いていた89年6月の参院補欠選挙で自民党候補を破って当選、同年の参院選で当時の社会党の大躍進をもたらすきっかけを作った。当時の委員長は土井氏。「夢よもう一度」という切々たる気持ちはぬぐえない。

 新潟選挙区は定数2。かつては自社2党で議席を分け合ってきたが前回の参院選では自民、旧新進両党が議席を獲得。今回も自民党公認の真島一男氏に加えて、96年衆院選の福島5区で落選した自民党の田中直紀前代議士が国替えし出馬。これを民主、公明両党などが推薦する無所属の星野行男氏が組織票と個人票を武器に猛追する激戦区だ。

 一時は連合新潟が仲立ちし「非自民統一候補」の擁立を模索したが、結局、労組票は星野氏と大渕氏の両候補に割れた。社民党県連の近藤正道代表は「連合の全面協力が得られなかったのは痛いが、もう過去の話。死んだ子の年を数えてもしかたがない」と話す。大渕陣営は女性票を多く取り込むことで、かつての指定席確保に望みをつなぐ。

96年以来のしこり

 民主党と社民党。96年10月の旧民主党結党時に大量の社民党議員が離党し旧民主党に参加、今年4月の新民主党結党にも合流した。今も両党間には大きなしこりが残る。

 今回の参院選で社民党は民主党と16選挙区で同一候補を推薦する一方で、民主党が候補者を立てた20選挙区のうち、15選挙区では対立候補を擁立した。勝負を度外視した「怨念(おんねん)」の争いを繰り広げる所もある。

 宮城選挙区。定数が1人増え2人となり社民、民主両党はそれぞれ公認候補を立てて戦う。自民党が事実上3人を擁立したのをはじめ候補者数も9人に跳ね上がるなど激戦区の一つ。

 宮城で民主、社民両党は昨年10月の知事選で脱政党化を訴えて再選を果たした浅野史郎氏を勝手連的に共同で応援するなど息のあったところを見せていた。ところが続く11月の参院補選で、社民党で党県連代表までしたことのある岡崎トミ子氏が民主党から出馬し当選、両党の亀裂は決定的になった。

困惑する連合

 「佐藤さん並びに社民党のますますのご発展を心よりご祈念申し上げます。宮城県知事 浅野史郎」――。仙台市内にある社民党公認の佐藤芳博氏の選挙事務所にはこんな紙が積まれている。選対幹部は「浅野支援の本家は社民党。かつて自民党から出ようとした民主党の候補なんか問題じゃない」と胸を張る。一方の民主党は佐藤氏が昨年11月の参院補選にも出馬したことを皮肉って「社民党さんも人材不足で」(選対幹部)。

 非自民統一候補を模索してきた連合宮城は困惑の表情だ。民主党支援との連合方針に自治労など一部労組が反発、傘下労組の社民党支持も容認した。傘下の単産も同居している仙台市内の連合宮城本部。土井氏と民主党の菅直人代表のポスターが入り乱れて張られていた。


識別可能な党名は有効・自治省

 自治省は30日、参院選の比例代表の有効票と無効票の判定基準をまとめ、各都道府県選管に通知した。公明内では有権者が「公明党」と書いた場合に無効になるのではないかとの懸念が出ていたが、有効票と認められる。同様に社民党を「社会(土井)」と書いたり、自民党を「自」、民主党を「民」と一文字略称で書いた票も有効とする。


不在者投票数6.3倍・28日現在、自治省発表

 7月12日投票の参院選の不在者投票者が95年の前回参院選に比べて急増している。自治省が30日発表した県庁所在地など全国49の自治体や行政区での状況調査だけでも、参院選公示日の6月25日から28日までに不在者投票をした人は3万2106人に達した。公示日からの4日間で見ると前回参院選の5069人に比べ6.3倍になった計算だ。

 前回からの伸び率が最も高いのは松江市で、20.6倍(227人)。以下、岡山市の15.6倍(3186人)、宇都宮市の15.5倍(434人)、大津市の14.6倍(555人)――などの順となっている。前回を下回った都市はなく、伸び率が最も低い北九州市の門司区でも2.3倍(287人)だった。

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