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唯一の現職公認候補
「どうしても新潟では負けられない。いても立ってもいられないという気持ちで応援に駆けつけました。庶民の代表である大渕さんを応援してほしい」――。社民党の土井たか子党首は公示後の最初の日曜日である28日、新潟市内の繁華街で声を張り上げた。
社民党は今回の参院選で20選挙区に公認候補を擁立した。選挙区の改選議席は六議席だが、そのうち4人が引退、鹿児島の上山和人氏は非自民統一候補となったため無所属。大渕絹子氏はただ1人の現職公認候補だ。
土井氏が新潟を訪れるのは5月に続き2度目。土井氏だけでなく26日には伊藤茂幹事長も新潟を訪問。比例代表名簿1位の福島瑞穂氏も応援に駆けつけるなど議席死守に総動員態勢を敷く。大渕氏は反消費税や農産物輸入自由化による農政批判が渦巻いていた89年6月の参院補欠選挙で自民党候補を破って当選、同年の参院選で当時の社会党の大躍進をもたらすきっかけを作った。当時の委員長は土井氏。「夢よもう一度」という切々たる気持ちはぬぐえない。
新潟選挙区は定数2。かつては自社2党で議席を分け合ってきたが前回の参院選では自民、旧新進両党が議席を獲得。今回も自民党公認の真島一男氏に加えて、96年衆院選の福島5区で落選した自民党の田中直紀前代議士が国替えし出馬。これを民主、公明両党などが推薦する無所属の星野行男氏が組織票と個人票を武器に猛追する激戦区だ。
一時は連合新潟が仲立ちし「非自民統一候補」の擁立を模索したが、結局、労組票は星野氏と大渕氏の両候補に割れた。社民党県連の近藤正道代表は「連合の全面協力が得られなかったのは痛いが、もう過去の話。死んだ子の年を数えてもしかたがない」と話す。大渕陣営は女性票を多く取り込むことで、かつての指定席確保に望みをつなぐ。
96年以来のしこり
民主党と社民党。96年10月の旧民主党結党時に大量の社民党議員が離党し旧民主党に参加、今年4月の新民主党結党にも合流した。今も両党間には大きなしこりが残る。
今回の参院選で社民党は民主党と16選挙区で同一候補を推薦する一方で、民主党が候補者を立てた20選挙区のうち、15選挙区では対立候補を擁立した。勝負を度外視した「怨念(おんねん)」の争いを繰り広げる所もある。
宮城選挙区。定数が1人増え2人となり社民、民主両党はそれぞれ公認候補を立てて戦う。自民党が事実上3人を擁立したのをはじめ候補者数も9人に跳ね上がるなど激戦区の一つ。
宮城で民主、社民両党は昨年10月の知事選で脱政党化を訴えて再選を果たした浅野史郎氏を勝手連的に共同で応援するなど息のあったところを見せていた。ところが続く11月の参院補選で、社民党で党県連代表までしたことのある岡崎トミ子氏が民主党から出馬し当選、両党の亀裂は決定的になった。
困惑する連合
「佐藤さん並びに社民党のますますのご発展を心よりご祈念申し上げます。宮城県知事 浅野史郎」――。仙台市内にある社民党公認の佐藤芳博氏の選挙事務所にはこんな紙が積まれている。選対幹部は「浅野支援の本家は社民党。かつて自民党から出ようとした民主党の候補なんか問題じゃない」と胸を張る。一方の民主党は佐藤氏が昨年11月の参院補選にも出馬したことを皮肉って「社民党さんも人材不足で」(選対幹部)。
非自民統一候補を模索してきた連合宮城は困惑の表情だ。民主党支援との連合方針に自治労など一部労組が反発、傘下労組の社民党支持も容認した。傘下の単産も同居している仙台市内の連合宮城本部。土井氏と民主党の菅直人代表のポスターが入り乱れて張られていた。

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