《髪を整える女》
エドガー・ドガ
1884年頃?
木炭、チョーク、パステル・紙
63.0 × 59.9cm


 この素描は、これに似た人物を描いた未完の油彩と複雑に関連している。ドガは油彩を完成したのち、この素描を描き直しはじめたのかもしれないし、何回か試みたのち再び立ち戻ったのかもしれない。ドガはこの素描を、何年にもわたって制作したと思われる。

 《髪を整える女》という主題は、ドガが1880年頃追求しはじめた婦人帽子店のテーマと関連している。ファッションの世界への興味は、おそらく友人のマネに刺激を受けたものである。これは現代市民生活にみられる最も人工的な側面に対するドガの広い興味の一端を表すものであり、劇場やカフェ・コンセールに取材した主題の扱い方にもみられるものである。

 コートールドは額に入った素描を購入した。等間隔の溝がつけられたその浅い凸状の断面を示す額は、ドガが自分の作品を展示するためにデザインしたものと似ており、画家自身がつけた額だったことが十分考えられる。もしそうであれば、ドガがこの制作中の素描を独立した芸術作品と見なしていたことを示している。

 1923年、サミュエル・コートールドがロンドンのレスター・ギャラリーから購入。価格不明。1948年、コートールドにより遺贈。



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