《ネヴァーモア》
ポール・ゴーギャン
1897年
油彩・カンヴァス
60.5 × 116.0cm


 ゴーギャンは2度目にタヒチを訪れた1897年2月に《ネヴァーモア》を描いた。彼はこの絵について、パリで彼の代理人を務めていたダニエル・ド・モンフレへの手紙に次のように書いている。

「私は単純な裸婦によって、はるか昔に失われた野蛮の豪奢といったようなものを暗示したかったのです。画面全体が、意図的に暗く悲しげにした色彩に浸されています……人間の想像力だけが、その幻想ですみかを豊かにしたのです。題名の《ネヴァーモア》はエドガー・ポーの大鴉(がらす)ではなく、監視し続ける悪魔の鳥です。塗り方はひどいものですが……それは問題ではありません、私はいい絵だと思っています」

《ネヴァーモア》は、アングルのような画家たちの官能的異国趣味を思わせる横たわる裸婦という旧来の伝統に連なるものである。だが、ゴーギャンは伝統を再解釈し、複雑で挑戦的な画像を生み出している。

 また、この作品の効果は画面と色彩によって高められている。裸婦の枕の鮮やかな黄色と足元の赤が彼女の不思議な感じを高めており、さらに彼女を周囲から切り離している。

 1927年2月、サミュエル・コートールドが購入。価格不明。1932年、コートールドにより寄贈。



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