短期資本移動への対抗策、何か出てくる時期だ・宮沢元首相
宮沢喜一元首相
 宮沢喜一元首相は5日、国際交流会議「アジアの未来」で短期資本の急激な移動を抑制できるかどうかについて「投機資金とそうでない資金の定義することは困難。投機資金の動きを抑えたい気持ちはわかるが、デリバティブなどもあり、議論の収拾がつかなくなる」と述べ、短期資金の動きを抑えることは困難であるとの考えを示した。

 その上で「(投機によって、攻撃を受けた)国が、防御の手段を与えられる方が有効であろう」と指摘、アジア各国が外貨準備を持ちよって基金を作り、投機が起きたときの保険とするなどの方策があるとの見方を示した。

 宮沢首相はそうした投機に対する対抗策について、「先のG8蔵相会合でも議論があった。近々、何か出てくるのを期待しているし、そういう時期だ」と語り、近い将来、何らかの具体的方策が示されるとの期待を示した。

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