マレーシア首相「インドネシア、政権交代でも状況好転とは限らず」
マレーシアのマハティール首相
 マレーシアのマハティール首相は4日、日本経済新聞主催の国際交流会議「アジアの未来」で講演し、インドネシア情勢に関して「政権が交代したからといって状況が良くなるとは限らない」との見方を示した。同首相はインドネシアの経済回復について新しい政権に対し支持が表明されることが問題解決の一つの前提となる」との見方を示した。

 同首相はまた、日本のマレーシアに対する投資について「拡大することで日本も利益を得られる」とし、マレーシアに対する投資の拡大により同国経済が回復すれば日本にとっても良い市場となり景気回復の助けにもなるとの見方を示した。

 同首相はアジア共通の通貨構想に関し「どこかの段階でそういう話はでようが、そう簡単には実現できない。相当な時間がかかるだろう」との見通しを示した。

 また、為替相場に関して「乱高下は望ましくない」との認識を示した。その上で為替取引については、「人々が最大限のもうけを得る方法があれば、妨げてはならないというのは正しくない」と話し、欧米型の取引は完全に自由にすべきとの市場主義に疑問を呈した。また「政府は通貨を規制しなければならない」として、通貨には規制が必要との考えを改めて強調した。

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