マハティール・ビン・モハマド
マレーシア首相
 率直かつ大胆な行動力

 アジアを代表する政治家の1人。81年にマレーシアでは王族以外から初めて第四代首相に就任した。以後、17年間首相職にあり、東南アジア諸国のなかではインドネシアのスハルト大統領に次ぐ長期政権を維持する。

 アジアの通貨・金融危機では激しい投機批判を繰り返すとともに、東南アジア諸国連合(ASEAN)主要国を歴訪して結束固めに力を入れるなど、その発言や行動は率直かつ大胆。「真の公平とは何か」を基準に、欧米先進国中心の政治・経済体制に常に疑問を投げかけている。途上国の結束にも執念を燃やし、主要途上国で組織する「G15」を主導する。

 国内的には与党の統一マレー国民組織(UMNO)総裁として強い権力基盤を保持する。工業化のため積極的な外資導入政策を採り、短期間でマレーシアの経済成長を軌道に乗せた。日本の経済発展を見習う「ルック・イースト政策」を始めた親日家でもある。

 53年マラヤ大(現シンガポール大)医学部卒。72歳。

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