グエン・コン・タン
ベトナム副首相
 経済自由化を支持する改革派

 昨年9月の首相交代に伴い誕生した副首相5人のうちの1人で、農業、地方開発、森林の3分野を担当する。同分野専任の副首相は初めて。ベトナムでは人口の7割以上を占める農民の生活向上が重要政策の1つであり、農産物の輸出拡大や生産近代化などの重責を担っている。

 ベトナム戦争中の60−70年代に農業研究所の講師や地方政府の農業担当などを歴任した。同戦争終了後の77年に農業省次官に抜てきされ、ハノイ市副市長を経て、87年農業・食品工業相に昇格した。

 次官時代に個人請負制導入や農産物の流通自由化など農業改革を指揮、コメ輸入国だった同国を世界有数の輸出大国に導いた手腕が評価されている。経済の自由化を支持する改革派の1人と見られている。

 笑みを絶やさず、柔和な表情で話をする姿から「優しい先生のよう」との人物評もある。二男一女の父で、2人の息子は米国と豪州に留学中。来日は初めて。50−58年中国華南農業研究所に留学。北部タイビン省出身。63歳。

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