マレーシアゴム研究所は1925年に小規模な研究機関として発足、当初はゴム生産の川上分野に関する研究開発を手がけてきた。その後、研究分野をゴム加工、製品化など川下分野にも広げ、今や世界でも最大の天然ゴムに関する研究開発機関のひとつになった。
研究開発の成果はゴム栽培のプランテーション経営や製品製造に多大な貢献をしてきた。また、種子販売、技術供与、遺伝子情報組み換えなどを通じて、他の東南アジア各国、アフリカなど海外にも貢献は広がっている。だが、工業化が進む中でマレーシア国内のゴム生産地の減少、生産コスト上昇などの問題が起きて解決を迫られている。マレーシアのゴム産業はタイやインドネシアと厳しい競争を強いられている。
今後、マレーシアのゴム産業が飛躍的に発展するためには研究開発の主眼を川下分野はもちろん、ゴム農林事業、及び戦略的研究に置く必要があると考えている。品質管理、製品の規格化、環境汚染対策も重要になろう。
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