アリ・アラタス
インドネシア外務大臣
 欧米の信頼厚いベテラン

 今年3月に発足した第7次スハルト内閣で留任、同政権の外相として初めて3期目(1期5年)に入ったベテラン外交官。東南アジア諸国連合(ASEAN)を巡る外交の表も裏も知り尽くし、ASEAN加盟9カ国の外相のなかでも一目置かれている。柔らかな物腰と実直な態度で欧米外交官からの信頼も厚い。

 一方、人権問題などでインドネシアを非難する先進国に対しては同国の立場や特殊事情を熱心に説明。外国人記者に声を荒らげて反論する激しい一面も持つ。

 一時は高齢を理由に辞意を漏らしていたが、経済危機克服のためには外国からの支援が必要と判断したスハルト大統領が、外交の経験と実績を評価して強く慰留したといわれている。

 78年にアダム・マリク副大統領(当時)秘書官、82年には国連大使に就任。88年発足の第5次スハルト内閣で外相に就いた。

 インドネシア外交アカデミー、インドネシア大学法学部卒業。趣味の読書ではスパイ小説を好む。ユニサ夫人との間に三女。65歳。

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