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(9/26)やっとつかんだ銀メダル・宇津木
 【シドニー26日共同】バッグの中には、そでを通すことがなかったアトランタ五輪の日本代表ユニホームを、今でもそっとしまってある。

 ソフトボール界で「アジアの大砲」と呼ばれた元中国代表の強打者、宇津木麗華(37)=日立高崎=は4年前、国籍変更に絡む五輪憲章の規定で祖国の承認を得られず、五輪出場を直前で断念させられた。

 決勝では惜しくも敗れたが、苦難と挫折を乗り越え、やっと手にした銀メダル。泣きじゃくるチームメートの中で、涙は見せなかった。

 4年前の夏、4位と健闘したチームメートの活躍はテレビで見た。「あそこにわたしがいれば勝てるのに…。今度こそ」。しかし、いつしか気力を失っていく。再び歩き出すにはきっかけが必要だった。それをピアスに求め、左耳に穴を開けた。「人生がまた動き出したようだった」と言う。一粒のダイヤが気持ちに火をともした。4年越しの再挑戦が始まった。

 昨年1月は選手生命をかけて右肩の手術に踏み切った。もう一度五輪を目指すためだった。小学生から14歳まで続けたやり投げと長いソフトボール生活で酷使してきた右肩は悲鳴を上げていたのだ。部分断裂したじん帯を修復する難しい手術だった。

 指が動くまで2週間、自分で顔が洗えるようになるまで約1カ月もかかった。「もうホームランは打てなくてもいい。ヒットさえ打てれば」。そう自らを鼓舞し、長く苦しいリハビリを乗り越え、夢の舞台に立った。

 遠投78メートルを誇った強肩は、今でもその半分ほどしか投げられない。両肩のバランスは微妙にずれ、本来の力強い打撃も取り戻せないでいた。それでも準決勝と決勝で本塁打。三塁手として軽快な守りも見せた。修羅場をくぐり抜けてきた強さだった。

 16歳のころ、中国に遠征してきた日本代表の試合を観戦した。そこで当時選手だった宇津木妙子監督の闘志あふれるプレースタイルに目を奪われ、人生が変わった。文通などで連絡を取り続け、1988年に周囲の反対を押し切って来日。95年夏、日本国籍を取得した。

 日本名に「宇津木」の姓をもらい、ときには母親代わりになってきた宇津木監督との二人三脚の挑戦はここでひとまず完結した。

 今後は指導者を目指したいという。「監督に負けないように若い選手を育ててみたい」。ただその前に、どうしてもしなくてはいけないことがある。銀メダルを土産に、脳こうそくで倒れた父、任位凱さん(69)に会いに北京へ帰ることだ。波乱の人生の節目の日。晴れやかな顔だった。

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