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シドニー五輪でメダルを狙う女子ソフトボールの日本代表に新兵器が加わった。
「飛ぶバット」である。カーボン繊維などを埋め込んだ複合素材の繊維強化プラスチック(FRP)を使った新型バットは、反発力を示す数値が従来より15%も高く、実打テストで平均10メートルの飛距離アップを記録した。ホームベースから外野フェンスまでの距離は、女子は200フィート(60.96メートル)以上と定められている。10メートルの伸びは大きい。
飛距離の理由は、航空機やゴルフクラブなどに使われる軽量で柔軟なFRPでアルミニウム合金を挟んだ三層構造にある。インパクトの瞬間、厚さ2ミリの各層にしなりが生じ、その復元力が強い反発力を生む。主砲の宇津木麗華(日立高崎)は「ソフトな感覚」と打った感触を表現した。
国際ソフトボール連盟は、チタン素材の禁止以外は原則として材質を規制していない。反発力制限の国際規定もないという。米国、オーストラリアなどはアルミ素材で二層構造のバットを使う予定で、メダル争いの裏でバットの市場競争も激しい。
今回の開発に一昨年から取り組んできたM社の北川徹氏は「変形しやすい材質なので耐久性の問題に苦心した」。新型バットへの関心は高い。早くもイタリアなどが五輪での使用を要望しているという。
アトランタ五輪用にアルミ素材のバットが開発されて4年。今回の「10メートルアップ」が本塁打量産に直結するのか。アトランタ五輪で4本塁打の斎藤春香(日立ソフトウェア)は「しんに当たれば軽くホームラン」と豪快なアーチ合戦を予告した。
〔共同〕 |