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170センチ、100キロの体は、巨漢ぞろいの外国勢の中でひときわ小さく見える。五輪だけでなく、世界選手権の出場経験もない。そんな山下が高くなかった前評判を覆し、銅メダルを獲得した。
3位決定戦は劇的だった。1997年世界選手権王者のシコとの激しい攻防が続いて同じポイントで並び、終了間際に大外刈りで一本勝ち。「執念で技を出しました」と会心の試合だった。
決め手に乏しいと言われてきた。本人も自覚している「私には一本取れる技がない。だから先に、先に」。その攻めの姿勢が出た。初戦、3回戦とも一本勝ち。準決勝で世界無差別級王者のベルトランに合わせ技で敗れたが、果敢な柔道を貫いた。
外見通り、穏やかで優しい性格。「気が小さくて、試合の前になると、胃がしくしく痛む」と話したことがある。それが一変。「オリンピックだからという変な緊張はなかった。普通の国際大会のつもりでやれました」
この階級には世界選手権に二大会連続で出場し、銀と銅の通算4個のメダルを獲得している二宮美穂、新鋭の薪谷翠がいる。国内3番手といわれながら、選考会を勝ち抜いてきた。「2人が納得してくれる成績を残したかった」。そう語る表情に笑みが浮かんだ。
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