|
世界選手権に2連覇しても、アトランタ五輪の呪縛(じゅばく)から逃れることはできなかった。柔道女子78キロ級の阿武が五輪の重圧に押しつぶされ、またも初戦敗退。「開始30秒で負けたアトランタの恐怖心がどこかにあったのかもしれない」。敗戦のショックにぼうぜんとしていた。
ただでさえ、このクラスでは小柄なのに、このところ極度の緊張で食事を満足に取れず、熟睡もできなかったという。この日の朝の体重は71.8キロ。「これまで72キロを切ったことがなかったのに…。自分でもびっくりした」。神経質になってか、持ち前の技術を生かすスピードも鈍っていた。
不完全燃焼だった。相手のピエラントッツィとの身長差は約8センチ。組み手はけんか4つ。左奥襟を上からがっちりつかまれ、162センチは身動きが取れない。50秒すぎに指導を受けた。何もできないまま時間がたっていく。
4月に右手首を手術した影響か、組み手を切れない。吉村和郎・日本女子監督は「五輪の重圧に負けた。自分自身に負けた」と手厳しかった。
屈辱のアトランタ五輪から4年。「アトランタの雪辱戦」と意気込んでいた24歳にとって、またも悔いの残る結果となった。(共同)
|