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滝本の柔道にはっきりとした特徴がある。一本勝ちか、逆に一本で負けるか。得意の組み手になれば、強烈な攻撃ができる。逆に、組めないと、格下の相手にも簡単に負けてしまう。そう言われ続けてきた。
そんな特徴の、いい面の持ち味がこの日、すべて出た。趙麟徹との決勝は象徴的だ。気負いはない。最初から技を狙い、厳しい組み手争い。そで釣り込み腰で有効を奪って、勢いに乗った。
ぴんと背筋を伸ばした高い姿勢ゆえに、相手の内またでふわりと体が浮く。それでも、動じない。内また、出足払い、と攻め続けた。技を掛けて勝つ、自身の柔道スタイルだけは貫く、と言い聞かせているようだった。勝利が決まった瞬間、ガッツポーズをつくって、めったに笑わないクールな男がやっと表情を崩した。
このクラスに君臨した天才柔道家、古賀稔彦氏の陰でじっくりと時間をかけて成長してきた。得意は内また、そで釣り込み腰。古賀氏とは少しタイプは違うが、鮮やかな技があることから、「天才肌」という関係者もいた。
一本勝ちにこだわるゆえに勝負に甘さもあった。だが、最高の舞台で勝利を収め、ここに「天才滝本」の称号を手に入れた。(シドニー共同) |