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開始早々に大外刈りで技ありを奪った。「今日は初戦から肩に力が入っていたが、あれで守りに入ったかな」と吉村和郎・女子監督。技が出なくなり、残り2分余りで「指導」を宣告される。その直後、ベルデシアの背負い落としに、楢崎がゆっくり回転して畳に倒れた。一本というには中途半端な決まり方。「一本の勢いはなかったと思うが……」。試合後、楢崎は悔し涙をぬぐった。
柔道女子で大会前の評判は1番高かった。組み合わせにも恵まれた。アトランタの準々決勝で負けたベルデシアと48キロ級で前回五輪王者になったケー・スンヒ(朝鮮民主主義人民共和国)が準決勝で対決。強敵が絞られたことでスタミナの消耗はかなり避けられた。
昨秋の世界選手権決勝では、僅差(きんさ)ながらもベルデシアに勝った。だが、そんな状況が、逆に動きを硬くしたのかもしれない。アトランタで「4分間で力を出し切れなかった」と悔いを残したが、今回はどうだったか。楢崎は「決勝でああいう形で負けたのは悔しい」と答えた。
もちろん、この決勝の1試合だけで、4年間の過程まで否定されるものではない。97年に結婚、筑波大大学院にも進み、競技と距離を置いた。それでも、「アトランタに忘れ物をしてきた。もう一度、挑戦したい」と本格復帰。27歳という年齢で、再び五輪の舞台を踏んだこと自体、称賛されていいだろう。
「4年間、私の心の中にある弱い部分を克服することを考えて、練習してきた。ここまで、積み重ねてきたことには納得している」と総括していた。(岩本一典)
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