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(9/28)<解説者の目>宮川千秋氏「マリオンJ、逆境に強さ見た」
日本陸上競技連盟強化副委員長・宮川千秋氏
 宮川千秋・日本陸上競技連盟強化副委員長 男子200メートル準決勝に出場した伊東浩司(富士通)と末続慎吾(東海大)は精いっぱい戦った。疲れが出たというよりもあのラウンドで見せた走りがいまの2人の力。自己ベストの記録と今回の結果を単純に比較して、選手の状況を判断するものではない。選手は決勝にたどり着くまでレースを重ねてくる。世界の強豪は強い選手ほど、決勝までのレースでタイムを上げられる。伊東、末続の場合、2人とも精いっぱい走った結果が順位に出た通りだった。準決勝に残ったことは躍進と言えるが、モーリス・グリーン(米国)やマイケル・ジョンソン(米国)がこの種目に出ていないことも勘案すると、厳しい言い方だが日本が強くなったというより世界選手の方が伸び悩んでいると言える。

 今回のシドニー五輪は特に短距離で記録が出ていない。これは寒さや風といった気象条件が考えられる。陸上選手にとっては25度程度がベストの気温だが、シドニーは15―18度で、たまに暑くなるなど不安定。こうした中で選手はまず勝ちに行くレースをするようになる。気温が上がらなければ思い切ってレースできない。

 世界選手が伸び悩んでいる理由の1つは厳しいドーピング(薬物使用)検査が挙げられる。陽性反応が出た選手も少なくないし、恐れて出場しないケースもある。薬物は陸上界に潜在的にまん延しているし、スーパースター級の選手も陽性反応が出た。ただこうした選手は温情措置も取られ、実績の少ない選手の場合は無条件で制裁措置を受ける。この基準が分からない。中国のような思い切ったコントロールが必要だ。

 夫のドーピング騒動に巻き込まれたマリオン・ジョーンズ(米国)は女子200メートルで圧勝だった。スタート以降、勝負は決まっていた。ただ世界記録は強い競争相手がいないと出ないもの。現在の状況は力の差がありすぎる。ライバルが登場しなければ世界記録更新は厳しい。苦手と言われる走り幅跳びも一発で標準を突破している。彼女の5冠を阻むのはむしろリレー種目だろう。チーム仲間の欠場問題は自分ではどうすることもできない。

 夫がドーピング検査で陽性反応だったことで、周囲からはどうしても「妻も知っているはずだ」と見られてしまう。つらい心境だろうし金メダルを取っても疑いのまなざしを向けられやすい。その中で堂々と戦っているのは大変な精神力だと感心した。その強さを見せた走りだったと思う。心理的に追い込まれている中での金メダルは記録以上の力を彼女は備えていることを示した。

 この種目にはキャシー・フリーマン(オーストラリア)も登場した。女子400メートルの金メダル獲得で精根尽き果てているが、よく決勝まで残った。普通は金メダルを取った後、ジョーンズがいて勝てない種目に出ようとはしない。それをあえてメダルを狙って走り切った。途中何度もあきらめるかな、と思わせる場面があったが一生懸命だった。そして決勝にコマを進めることで代表選手としての使命を果たした。彼女に純粋な競技者の姿勢を垣間見た気がする。

 ドーピング汚染のイメージが付いた陸上界にとって、28日の公開競技・パラリンピック陸上車いす女子800メートルで、土田和歌子が銀メダルを獲得したことは、フェアに戦う姿勢が見えて素晴らしかった。パラリンピックの選手が五輪の競技場で一緒に戦うことは大きな意味を持つし、スポーツ本来の良さを改めて教えてくれた。コースの取り方やレースの引っ張り方は全く通常の陸上短距離と同じ戦略が求められる。その迫力はものすごい。土田はうまくペースに乗ってインコースについて力を出していた。陸上中距離に当てはまる理想的なレースをやったと思う。

 女子1500メートルではマーラ・ランヤン(米国)が決勝進出するが、出した記録や結果を見るべきで、障害を持っていることなどを大きく取り上げて報じるべきではない。いろいろな可能性を競うのがオリンピックの本来の精神なのだから。

 女子走り高跳び予選で太田陽子(ミキハウス)が3回目で1メートル94の自己ベストを記録し、決勝進出を決めた。この3回目でクリアというのは力が上がっているので決勝でも独壇場で飛ぶ可能性を秘めている。大いにプラスになることだ。もし28日に決勝が開かれていれば1メートル95の日本記録更新は可能だっただろう。日が改まるとコンディションは変わるものだが、この自己ベストと並んだ記録を出すというのは大変なことで評価したい。

 29日はまず日本が400メートルリレーに出場する。強いのは米国と英国。日本は3番手以降になるがこの位置は他国のチームと同列で競争が激しい。メダルに届く可能性もあるが入賞に終わる場合もある。予選では必ずトップで入ることが次に進む条件になる。38秒31の日本記録を更新する気持ちでいて欲しい。1600メートルリレーは激戦だ。日本は決勝に残れない力ではないのだが厳しい戦いを強いられるだろう。強い国は米国のほかジャマイカ、南アフリカ、ポーランドなどひしめいている。朝原宣治(大阪ガス)や苅部俊二(富士通)がいよいよ登場するがベテランなので、不安を抱えることはない。天候がレース条件を左右することは考えられる。(シドニーで29日未明、聞き手は遠藤繁)

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