 | | 金メダルを獲得したロシアのイリーナ・プリワロワ〔著作権:AP.2000〕 |
かつてのトップスプリンターが、見事な変身を遂げた。女子400メートル障害決勝。31歳のプリワロワが、ぐいぐいと飛ばし、本格的にこの種目を始めてわずか1年で金メダルをさらった。
「もともとメダルなんて考えてなかったわ。準決勝よりいい走りができればよかったの」。53秒02の自己新。堂々の優勝だった。
174センチ、64キロの体格。1990年代前半に、筋肉質の大型スプリンターとして世界一を争っていた。クラッベ(ドイツ)オッティ(ジャマイカ)らとしのぎを削った。91年東京での世界選手権では100メートルで4位、バルセロナ五輪で銅メダル。
その選手が、技術も求められるこの種目を選んだ。「ここ2,3年はけがをしていた。400メートル障害の方が100メートルや200メートルより、楽に走れる。その方が痛みがない」。100メートルでは世界に通用しなくても、生活のためにも他の種目で生きる道を探った結果なのだろう。
下地はあった。元はスピードスケートの選手。15歳で走り幅跳び、その後、100メートル障害もかじっている。
かつてのショートカットからロングに変わった金髪をなびかせ、ラストの直線ではアトランタ五輪金メダルのヘミングスを大きく引き離した。陸上ファンをあっと驚かす、意外なヒロインの誕生だった。
〔共同〕 |