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伊藤国光・鐘紡陸上競技部監督 27日の女子1万メートル予選は弘山晴美(資生堂)、高橋千恵美(日本ケミコン)、川上優子(宮崎沖電気)が3人とも決勝進出を決めた。ある意味で当然の結果だと思う。弘山は全く危なげないレース展開だった。日中、天気が良く暑かったのでペースは遅かった。弘山やロルーペ(ケニア)の出場した予選第1組は後半ペースが上がった。ただやはり力は使い切りたくないとの思いがあったようだ。ロルーペはいい走りをしていた。
予選第2組はやや遅いペースだった。川上が引っ張ったりしたが決定打に欠けていた。川上は勝負が決まっていたことを察したせいか、ラストで先頭集団のスパートが始まってもあきらめていたような気がする。高橋も含めて日本勢は総じてちょっと動きすぎた印象がある。前に行ったり後ろに行ったり、走りにくそうだった。終盤高橋はスパートしていたが、体にとっていい刺激になったのではないか。ゴールのパターンには体を高めて終わるかしぼんで終わるかに分かれる。予選でもスピードを上げて入れば良い負荷がかかるし、ゴールのイメージを持ちやすい。次の決勝でも体がついてきやすくなる。
その意味では弘山と高橋の体の動かし方はすっとゴールに入っていったので良いと思う。こういうゴールなら腰の位置も高くなるし次へつながる予選だった。戦えるイメージを自分なりに持てることは精神面でも良い影響がある。川上は後半落としたので決勝はきついのではないかと思ってしまう。
30日の決勝は予選と違い、夜のレースなので動きが変わってくるのではないか。引っ張るとしたらラドクリフ(英国)。他の選手は前に出たとしても中途半端だと思う。日本人はこの先頭集団について、他の選手が落ちていくのを待つレースになるだろう。あるいはだれも出なければ日本3選手のうち1人が引っ張るかもしれない。予選の動きでは弘山が良い。高橋はよく先頭に出るが、27日は監督から力を無駄に使わないため前に出ないように指示があったのかもしれない。決勝のペースが遅ければ自分で前に出てペースを作り、実力のない選手を振り落としていく作戦も考えられる。
弘山のメダル獲得の可能性が高くなるには、ラドクリフがレースを引っ張って集団を散らしてしまうことが必要だ。27日のラドクリフは力を使っていなかったし、動きははっきりしなかった。予選は弘山を含めて3人とも不安が表情に出ていたが、レースを終えて弘山はもやもやが消えたのではないか。ロルーペはマラソンよりも体がしゃきっとしていた。
決勝での金メダルをかけた優勝争いはラドクリフ、ロルーペ、マイアー(南アフリカ)、リベイロ(ポーランド)の4強に日本選手が絡むだろう。また5000メートル2位のオサリバン(イスラエル)が今回予選第1組の7着に入っている。中1日でこの結果なので、中2日空いた決勝ではどのようなスタミナで勝負するか注目したい。当日の気候条件は日本選手にはそれほど影響しないと思う。むしろ寒ければ日本選手が有利になる。(シドニーで27日午後、聞き手は遠藤繁)
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