 | | 女子400メートル決勝で優勝したオーストラリアのキャシー・フリーマン〔共同〕 |
過度の期待を裏切らないためには、どんなレースをすればいいのか。女子400メートルのフリーマンが、決勝で一つの例を示した。
6コース。強敵が内側にいる。焦って飛び出す危険を避け、前半は耐えて抑えた。ホームストレートに入っても3番手。フリーマンが今季、初めて取った慎重な金メダル戦略だった。
大型化が進む女子スプリンターの中で、ひときわ小柄な163センチ。それでも平均ストライドは2メートル33センチもある。ピッチ走法の男子のジョンソンは身長185センチで2メートル15センチ前後。よく伸びるストライドで前半から飛ばすのがフリーマンの特長だ。この2年間無敗のレースは、ほとんど300メートルまでに大きくリードし、逃げ切るパターンだった。
総立ちのスタンドの歓声を受けて、先行したグレアムらをかわしたのは残り50メートル付近。「地元の五輪でプレッシャーはあった。連勝続きでも、相手を侮ったこともない」。金メダルに向けて、作戦通りに蓄えていたパワーを爆発させた。
五輪前に、かつては恋人でもあったマネジャーと別れ、契約違反で提訴もされた。年間1億円近く稼いでいたことは、別れて初めて知ったという。
大事な調整段階で、個人的に追いつめられた時期も乗り越えた。燃焼し尽くしたゴール。すべての重荷から解放され、全身スーツのフードを外した。〔共同〕 |