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【シドニー24日=遠藤繁】シドニー五輪の女子マラソンで高橋尚子が金メダルを獲得したことを受けて、バルセロナ、アトランタの両五輪で銀メダルと銅メダルを獲得した有森裕子が24日午後、シドニー市内で記者会見した。有森は「いい勉強になったし、見ている場合じゃないぞ、って思った」と語り、高橋の栄冠をたたえながらも、現役のランナーとしての意地をのぞかせた。11月のニューヨーク・シティー・マラソンに挑戦するため現在も調整を続けているといい、「恥ずかしくないように走る刺激になった」と自らの次のレースへの意気込みも示した。
有森は、自らと同じ小出義雄監督に育てられた選手が金メダルに輝いたことについて質問が及ぶと、「人が違うので特別、重ね合わせて見たわけじゃない」ときっぱり。会見終了時には、片手で顔を覆いながら「比べられるのはしんどい。マラソンは以前以上に(プロのランナーとしての自分の)生活につながっているし、(高橋の言う)楽しいというのとは違う。2つの異なるタイプの選手が五輪でメダルを取ったということ」と話すなど困惑をあらわにしていた。
会見での主な一問一答は以下の通り。
――高橋のレースを見た感想は。
「ベストタイムから見ると無難な入りだったし、最後のゴール記録も驚きはない。後半は少し自重したかなと感じたが、スタミナを蓄えるにはいい走りだったのではないか。小出監督の、1つのマジックがしっかり効いた大会だったし、監督を信じていった選手と信じさせた監督の結果だと思う」
――小出監督について感じていることは。
「選手のいろいろな状態を顔色などで感じて言葉を出したり黙ってみたりする人だし、(シドニー五輪でも)気を使っているように見えた。必要以上にマスコミの取材も避けて彼女(高橋)を守っているように感じたし、大ざっぱに見えても実は細かい方だ」
「(監督の夢の金メダルが獲得となって)よかったですね、という感じで、元々金メダルの夢はあってその夢をじらしたのが私かな、という感じか。実現したのは高橋で、最高にうれしいのではないか。おめでとうございますというしかない」
――高橋に対して、同じ監督に付いた先輩としての感想は。
「まだ高橋には会っていないし先輩と言うより同じアスリートとしてすごかったね、とは言いたい。ただ私自身も戦っているしそこまで私も落ち着きたくない。自分の戦う刺激になる。今回は金メダルの大変さ、というより取れるという自信をしっかりつける大変さがあるんだなと思った。彼女は自信がある中でレース展開を頑と信じて向かっていけるものを持つすごさがある。私は一切金メダルのことを思い浮かべたことがないし、レース前から(メダルの)色に対する考えは浮かばなかった。こんなに練習してもそうだった。金を狙っていくとはこういうことなんだと思った。(金メダルに)向かっていく選手を見て、それを成し遂げてすごいなと感じた」
――自分自身を重ねてみたか。刺激を受けたのはどういう点か。
「特別重ね合わせてはいない。『このままいける』とか本人はこういう風に感じているだろうという心理は読みやすかった。レベルが違う、というのではなく人間が違う」
「シモンも身近でよく接しているし、日本選手以外の選手の走りをよく見ることができた。レースの何から刺激を受けた、というよりもレースを見ている自分自身にいい勉強になったし見ている場合じゃないぞと感じた。次の仕事はニューヨークなので恥ずかしくないように走りたい」
――山口衛里の転倒と7位入賞をどう見るか。
「もともと粘りのある選手と思っていた。転倒した割には落ち着いてリズムを戻し、本人の思った以上のレースが出来たのはすごかった」
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