 | | ヤワラちゃんにはこのベンチに座ってシドニーの良さを知ってもらいたいというグラハムさん |
シドニー五輪の開幕目前。柔道の田村亮子選手をはじめとする日本選手団が続々とシドニー入りした。選手たちには大会での大活躍を期待したいのはもちろんだが、シドニーという街の良さもぜひ知ってもらいたい。そこで、日本選手団を支えるボランティア「チーム・ジャパン」の一員で「デート」のエキスパートでもあるジェイソン・グラハムさん(30)に、金メダル獲得後の田村選手に薦めたい「シドニー・ワンデー・デート・コース」を聞いてみた。
・「最高の場所にあるベンチ」
「やはり第一印象が大事ですから、ヤワラちゃんにはこの場所に来てもらわないと…」。流ちょうな日本語を操るグラハムさんにつれてこられたのは王立植物園「ロイヤル・ボタニック・ガーデン」内にある“ベンチ”。シドニー湾の青い海、そしてオペラハウスとハーバーブリッジが目前だ。
シドニーのシンボルといえば、1973年完成でシドニーの文化の中心オペラハウスと、「古い洋服かけ(オールドハンガー)」の愛称で親しまれ、不況対策の公共事業として1932年に建設されたハーバーブリッジだ。大会期間中のテレビ中継にはこの二つが何度となく登場することだろう。
「実はこんな最高の場所にあるベンチを自分だけのものにすることができるのです。ヤワラちゃんにはシドニーと金メダルの記念として、ここに自分のベンチを作って欲しい」とグラハムさん。ベンチの背もたれには金属製のプレートがあり、王立植物園に3000豪ドル(約18万3000円)を支払うと自分の名前や好きなメッセージを刻んでおくことができる。プレートは10年間有効だ。
記念のベンチに座りながら、夕日が沈むのを眺める。そして手配しておいたウェーターにシャンパンをついでもらって乾杯をする。「最高の思い出になるでしょう!」。
・日本に5年間留学
 | | シドニー国際空港に到着、出迎えの人たちに笑顔で手を振る田村亮子選手(9日午前)〔共同〕
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グラハムさんは名古屋や大阪に計5年間留学し、野村証券に勤務したことがある。五輪期間中はボランティアとして、シドニー五輪組織委員会(SOCOG)と日本チームの間を取り持つ仲介役を務める予定だ。
しかし、もう一つの顔はデートの達人。奥さんのキンバリーさんとシドニーだけで異なるパターンのデートを200回以上こなして、その経験を「グレート・デート」(副題はロマンティック・ガイド・ツー・シドニー)としてまとめた。
2年前にこの本を出版すると、読者から「自分たちのためにデートのコーディネーションをぜひお願いしたい」という問い合わせが相次ぎ、「デートのコーディネーターも務めるようになった」という。大手企業の社長などお金持ちの顧客を多く抱えているそうだ。
グラハムさんが提案する田村選手向けのデートは「ベンチでのひととき」だけではない。
全コースを紹介すると、まず田村選手が滞在する選手村近くの港に木製のアンティーク・ボートでお出迎え。そしてオペラハウスにボートを横付けして、ベンチに移動し、シャンパン片手に夕日を眺める。
・送りはロールスロイス
その後はオペラハウス内にあるシドニー一の高級レストラン「ベネロング」でディナー。そして選手村まで1930年型のロールスロイスが送り届ける。
予算はグラハムさんの手数料(10%)も含めて4500豪ドル(約27万円)となる。
「オーストラリアはコアラとカンガルーだけの国ではないということをきちんと知ってもらいたい」とグラハムさんは強調する。「すばらしい景色とおいしい料理。そして多民族国家ならではの多様な人々。これがシドニーのすばらしさです」。
田村選手、今回紹介のデートコースが気に入ったら、予約はグラハムさんまで。背が高くて、名古屋弁と大阪弁の混じった日本語をしゃべるボランティアなので、すぐに分かるはずです。
(シドニー支局=大石信行)
[9月12日]
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