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公開された選手村全景
 いよいよ五輪開幕まで1カ月となった。シドニー市内には五輪マークの入った旗が飾り付けられ、15日には五輪報道の拠点となるメーン・プレス・センター(MPC)がオープンした。これに先だって五輪期間中に集まる選手・役員1万5000人が宿泊する選手村が報道機関に初公開されるなど、ようやく五輪ムードも盛り上がり始めた。今回は五輪史上最大とされる選手村の探索をしてみたい。

 ・州で5番目に大きな“市”

 選手村はメーンスタジアムなど主要競技場が集中する五輪公園に隣接して新しく建設された。一戸建て住宅が約500軒、アパート350室、簡易ハウス約300軒が集まる。部屋数の総数は3万5000で、ベッドメーキングや清掃を担当するスタッフだけで1200人に達するという。

2人に1部屋が割り当てられる。壁には地元小学生の描いた絵が飾られる
 五輪史上で一つの場所にこれだけの選手・役員が集まって寝起きするのは今回が初めて。さらにシドニーがあるニューサウスウェールズ州にとっても、選手村は州内で5番目に大きな“市”となる。使われるトイレットペーパーの総延長は東京からシドニーを往復するのとほぼ同じ1万4960キロに達するほか、必要とされるバスタオル1万4000枚を畳んで積み重ねると高さが7キロになるという。驚くべきスケールだ。

 選手には原則として、2人1部屋。バスルームは4人に1つが割り当てられている。部屋の大きさは8畳程度で、正直言って「大柄な選手が2人で使うにはちょっと窮屈」という感じだ。

 このほか選手村には銀行、スーパーマーケット、理髪店、無料のゲームセンター、トレーニングセンター、マッサージルーム、ディスコなどが完備。ネットサーフィンができる「IBM・サーフ・シャック」には60台のコンピューターが置かれ。選手が自由にインターネットでメールをやり取したり、自分のホームページをその場で作ったりすることも可能だ。ただし、日本語は使えないらしい。

一度に5000人が食事できる世界最大規模の食堂
 ・1日に6万食提供

 だが、何と言っても壮観なのは食堂。広さは約1万7000平方メートルで甲子園球場のグラウンド面積を軽く超える。一度に約5000人の食事が可能で、一日に提供される食事は6万食に迫る。食事はすべてが無料、しかも食べ放題だ。

 1日に必要な食材も、果物が1万6000トン、野菜3.1トン、肉3.7トン、コメ1.9トン、魚が800キロとけた違い。シェフなどのスタッフも2000人に達する。

 報道陣への公開日には、本番に向けた予行練習として、50種以上の昼食メニューが提供された。

 少し中身を紹介すると、メインコースとして、「チキン・ケバブ」、「ビーフ・ストロガノフ」、「ラムの北アフリカ風」、「ブタのセージとアプリコット詰め」。アジア系料理として、「チキン・タイカレー」、「牛肉の黒豆ソースあえ」。

デザートのケーキ類だけでもこんなに種類が…
 オーストラリアならではのバーベキューのコーナーには、サーモン、ラム、パーチ、チキン、ブタのグリル。

 そのほかパスタ4種、ピザ4種。デザートにはティラミス、チョコレートケーキ、チーズケーキなど8種。そして各種前菜、サラダ、スープなどなど。またこの日はみそ汁、巻きずし、キムチもメニューに並んだ。

 ・食いしん坊には天国

 「味もなかなかいける」というのが率直な感想。24時間営業でメニューも毎日変わる予定と、食いしん坊にはとってはまさに天国だろう。

日本製のゲーム機がずらりとならんだゲームセンター。この日は研修中の地元警官が制服姿でゲームに興じていた
 ところでこの選手村は民間不動産業者によって開発され、五輪終了後にはすべてが売却される。価格は一戸建てでベッドルームが3部屋あるタイプが37万豪ドル(1豪ドル=約63円)〜44万豪ドル。ベッドルーム4部屋のタイプが43万豪ドル〜60万豪ドルと、周辺の住宅相場に比べるとかなりの割高。

 五輪チケットが大量に売れ残るなど、五輪に冷ややかな豪州国民のこと。さぞかし住宅も売れ残りが目立つのではと不動産業者に問い合わせてみると、販売中の410棟のうち「360件に買い手がついた」といい、成約率は実に9割近い。

 現在、豪州の景気拡大は9年目に入り、住宅用不動産も高騰している。その場限りの五輪チケットに対しては財布のひもも固いが、将来値上がりも期待できる投資物件としての選手村住宅への人気は高い。実利的な豪州人気質の一端をかいま見るような気がする。

(シドニー支局=大石信行)

[8月15日]

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