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穏やかだが念のため雨具持参を・五輪期間中の天気
9月のシドニーは晴天ばかりではなさそう(五輪公園内のホテルからスタジアムを見下ろす)
 私ごとだが、うっかり風邪をひいてしまった。今、シドニーは冬。とは言え最高気温は20度近くになる。ただ急に寒くなる日が数日あったのが風邪の原因となったようだ。シドニー五輪が始まる9月だが、天気次第では、日本選手団が気候の変化で風邪をひいてしまい、競技に影響が出るとも限らない。五輪期間中の天候状況を調べてみた。

 ・東京の4月中下旬に相当

 「雨の心配はあるものの、9月は1年のうちでも最も過ごしやすい季節」。オーストラリアの気象庁にあたる気象局で、シドニー五輪の天気予報を担当するエリー・スパークさんは胸を張る。

 9月の過去の気象データを見てみると、平均最高気温は19.8度。一方、平均最低気温は11度となる。東京の場合だと「ちょうど4月の中旬から下旬にかけての気候」(日本の気象庁)ということだ。

 一般に気温が27度を超えると不快感を覚えると言われる。前回の夏期大会が開かれたアトランタの最高気温は37度、前々回のバルセロナは34度となり、気温との戦いが各選手にとっては大きなテーマだった。だがシドニーでこの時期に最高気温が30度を超える日数は過去平均では0.3日に過ぎない。

 五輪の開催される今年の9月についても「平均値とほぼ同じ水準となりそう」とスパークさん。「日本から来る皆さんは、軽装に上から羽織るジャンパーを持参すれば十分」。

 ・3日に1日は雨

 少し気になるのは雨だ。シドニーというと「青い海」と「青い空」というイメージが先行するが、年間降水量は約1200ミリある。東京の約1400ミリと比べると少ないが、やはり「青空」のイメージが強いカリフォリニアのサンフランシスコは約500ミリに過ぎない。

 過去平均でも、9月の平均降雨日数は10.4日もあり、ほぼ3日に1日は雨が降る計算だ。ただ雨が長く続かないのもシドニーの特徴。9月の平均月間降水量は70ミリで、東京の2月の平均月間降水量である60ミリを上回るが3月の99ミリよりは少ない水準。

シドニーの9月の気温は穏やかで、軽装にジャンパーがあれば十分という気象局のスパークさん
 シドニー五輪では開会式が夕方6時から夜10時まで。「開会式で雨に降られ、体を冷やしてしまい、風邪をひいてしまう」というシナリオ考えられなくはない。スパークさんも「9月は冬型の気圧配置から夏型に変わる時期。気候も不安定なのが特徴で。ちょっとした雨よけのポンチョを持ってくることを勧める」とアドバイスしてくれた。

 天気はまずまずでも、インフルエンザが大流行して、選手に影響が出る可能性もある。念のためにニューサウスウェールズ州保健局に尋ねてみると、「心配は全くいらない」との答えが返ってきた。

 伝染病の専門家である保健局のジェレミー・マッカナルティーさんによると、現在、同州ではインフルエンザの大々的な流行は見られていない。さらに五輪期間中、シドニーの病院という病院は特別監視体制の下におかれ、「インフルエンザや風邪、発しんなどの患者の動向が注意深くモニターされる」という。インフルエンザなどの流行の兆しが見られれば「すぐに対応できる体制にある」そうだ。

 ・懸念は人為的な風

  天候にも、病気の流行にも大きな問題はなさそうだが、懸念されていることもある。スタジアムなど人工建造物が作り出す人為的な風だ。

 最も問題視されているのが、メーン会場となる「スタジアム・オーストラリア」。今年2月に同スタジアムで初めて行われた陸上競技会となる豪州選手権では、地元選手の間から「強風が吹き抜け世界記録は望めない」との非難の声があがった。

 競技中には秒速2―3メートルの風が舞い続け、風向きがめまぐるしく変化。男子100メートルで優勝した地元のマット・シルビントンは「100メートルを走る間にも風向きが変わるのを感じた」と驚いた。五輪史上最大の11万人を収容するため、高くそびえたった観客席が風の原因と言われる。

 スタジアムは「なるべく多くの観客を収容するとともに、テレビ中継で西日が邪魔になることがないように設計された」とされる。実際、同スタジアムの観客席は東と西側のそびえ立ち、南北方向は見通しがきく設計となった。スタジアムの北方向にはシドニー湾が広がり、風が吹き込んでくることから、「そもそもの設計が失敗だった」という声すらある。

 商業五輪の落とし穴はこんなところにもあるようだ。

(シドニー支局=大石信行)

[8月8日] 

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