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注目のパラリンピック、本大会に先駆けネット放送開始
シドニー・パラリンピック大会は前回のアトランタ(写真)上回る規模になる。
 シドニー五輪の開催期間は9月15日から10月1日まで。しかし、これに続くかたちで、10月18日から始まるパラリンピックにも注目したい。今大会には125カ国・地域から約4000人の選手が参加し、史上最高の規模となる見通し。日本からもアトランタの2倍近い151人の選手が参加する予定で活躍が期待される。

だが、もう一つ注目したい理由がある。五輪の本大会に先駆けて、ネット放送が始まることだ。このため、各国のメディア、IT(情報技術)関係者、そして国際オリンピック委員会(IOC)のパラリンピック大会への関心は高い。

・マラソンまるごとネット中継

 「人気のマラソンはまるごとすべてを中継する計画だ。テレビはハイライトしか放映しないが、ネットならすべてを流すことができる」 シドニー・パラリンピック組織委員会(SPOC)のサイモン・トーマス・テレビ部長が熱っぽく語る。「ネットの登場でパラリンピックに対する一般の関心が一気に高まる」

史上初のパラリンピックのネット放映権を買ったのは米国にあるウイ・メディア(http://www.wemedia.com)。同社は97年にニューヨークに設立された障害者向けマルチメディア映像配信会社で、インターネットやケーブル放送を通じて障害者向けの番組を配信、全米での視聴者の数はすでに5400万人にもなっているという。

・"ネット放映権"を設定

 パラリンピックの期間中(11日間)のネット放映は合計100時間。マラソンやバスケットボールなどの人気種目は生中継する。動画映像に加えて、選手の横顔や各種記録など様々な情報が随時更新される。すべてを無料放送とし、「コストはスポンサー収入で賄う」(ウイ・メディア)予定だ。

ネット中継でパラリンピックへの注目度は高まると期待するシドニーパラリンピック組織委員会のサイモン・トーマス・テレビ部長

 ネット放送開始にあたって、SPOCはテレビ放映権に加えて、新たに"ネット放映権"を設定した。テレビの場合、各放送局の放送エリアは国や地域に限定されるため、放映権も国・地域ごとに設定される。シドニーのパラリンピック大会でもNHK、欧州48カ国の放送局で構成するコンソーシアム(欧州放送連合=EBU)などがSPOCと契約し、各国・地域内での放映権を獲得している。

 しかし、インターネットを使った放送は、国境を超えて世界中が対象となるため、これまでとは全く異なる概念である"ネット放映権"が誕生したわけだ。パラリンピックの放映権収入はテレビ、ネットを合わせて300―400万豪ドル(1豪ドル=約64円)となるが、そのうちウイ・メディアがいくら支払ったのかということは「極秘事項」として、教えてもらうことはできなかった。ただ「金額ではNHKを上回り、EBUに次ぐ水準となる」(トーマス部長)ということだ。

・五輪本大会へのテストケース

 パラリンピックをネット放送するウイ・メディアのホームページではテレビ放映権を持つ放送局の番組スケジュール表も掲載し、テレビとネットの共存を目指すという。

 国際オリンピック委員会(IOC)は、シドニー五輪本大会でのネット放送解禁を見送った。巨額の放映権を支払った放送局が「ネット放送を認めれば、テレビ放映の独占権が侵害される」と一斉に反対したのが原因だ。しかし、IOCにとってネットは新たな収入源として非常に魅力的な市場。IOCもパラリンピックのネット放映に注目しており、ウイ・メディアの試みはアテネ大会以降に予定される五輪本大会のネット放映解禁に向けたテストケースとなりそうだ。

[6月26日]

(シドニー支局=大石信行)

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