 | | 日本陸上競技連盟強化副委員長・宮川千秋氏 |
宮川千秋・日本陸上競技連盟強化副委員長 男子400メートルリレーの日本チーム(川畑、伊東、末続、朝原)は力を十分発揮して、評価できる内容のレース展開だった。4人の力で完全な準備ができていた。気象条件も良く、高温で風もない。30日が同じ気象条件であれば日本にもいい結果が期待できる。気温低下と風はレースを見る上で考慮しないといけない。
予選、準決勝と上位に食い込むチームはラウンドを重ねるごとにスピードを上げている。そういうチームが決勝に出てくるので、日本も4人がしっかり自分の走りをすることが重要だ。日本記録を目指すことが決勝で上位に食い込む条件になる。バルセロナ五輪の6位入賞が過去最高なので、1つでもあげて欲しい。メダル獲得の可能性だってないとは言えない。準決勝では強いチームほど無難な走りで終わるが、決勝は思い切って走るチームが多い。逆に言うとミスをするチームも出て来かねない。準決勝のタイムを継続的に記録できればその分、日本には優位に働くはず。
男子1600メートルリレーは一番悪い結果になってしまった。これは小坂田淳(大阪ガス)に責任の矛先が向かう形になってかわいそうだが、耐えるしかない。落ち込むのは仕方ないが、本人が犯したミスだ。五輪の雰囲気にのまれた、という以前に個人の問題。基本的な走り方のミスだった。第1走者の成績があまり良くなかったので、前に出たい気持ちは分かる。ただインコースから走者を抜く場合、接触が起こりやすいのは基本的なこと。外側から抜きにかかればいいし、内側から抜くならバトンをしっかり持つべきだった。だれが見てもこれは小坂田のミスが明らかだし、日本が抗議を出しているのだとしたら非常におかしな話だし、まずあり得ない。相手に悪い点などない。
マリオン・ジョーンズ(米国)は女子走り幅跳びで3位に終わった。ファールも4回取られている。この結果は重圧以前に、本人の持つ技術の問題だ。ミスなのではない。ファールしないで飛ぶことも重要な技術。記録が十分ではなく、実力が上の選手が2人いたということだ。
50キロ競歩では失格が相次いでいる。しかしだからといって選手がクレームをつけているのはどうかと思う。審判を批判する前に技術に対する反省をする、そういう視点を持ってもらいたい。そうでなければ進歩がない。肉眼でのジャッジを基本にしている競技と聞くが、ビデオや写真を本格的に導入したら失格者はもっと増えることだろう。
30日の陸上競技はまず女子1万メートル決勝がある。男子決勝はとてもスピードが上がったレース展開だった。これまでは前半の遅れを後半で拾うパターンだったが予想されるスピード化されたレースに日本選手がどれだけ食い込めるのか注目したい。
男子400メートルリレー決勝は1―3走が勝負。日本の場合、第2走者の伊東がポイントだ。川畑が出遅れても、伊東でばん回する。しっかりカバーすることを期待されたポジションで、カギを握っている。今までのレースではそれなりに十分走り切っている。レースをリードするのではなく世界の強豪と互角に戦う力を見せて欲しい。末続も非常に頑張っている。横一線なので3位銅メダル獲得もあれば、8位もあり得る。
女子走り高飛びの太田陽子(ミキハウス)は1メートル95の日本記録更新に期待がかかる。無理ではないし、可能性が高い。
男子5000メートルの高岡寿成(鐘紡)のレース展開も評価ができる。(シドニーで30日未明、聞き手は遠藤繁)
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