 | | 全日本ナショナルチーム強化本部長・太田誠氏 |
太田誠・全日本ナショナルチーム強化本部長 3位決定戦の日本対韓国はとても残念な結果になった。先発の松坂大輔(西武)は初回こそピンチを迎えたがうまく切り抜けたし、10奪三振などよくやっていたと思う。その松坂に対して打線や守備のカバーがなかったことが痛かった。決勝戦を見ると米国やキューバといったチームにはミスがない。この点は大きな違いだ。
総合的な見方をすれば日本は本当に監督、コーチ陣、選手の皆が一生懸命取り組んでいた。ただ事実を挙げれば、プロとアマチュアの合同練習をこなしきれなかったことや他の出場チームとの試合をやることができなかった。他のチームはこうした取り組みの中で相手チームに探りを入れつつ、結束を固めていた。27日の試合もメダルを取ろうとする姿はよく分かったし、それが空回りしているようにも思えた。終了後、選手たちはロッカーで動けないほど悔し涙にくれていた。この悔しさを持って選手たちはプロやアマで野球を続けて欲しい。
米国は3A軍団を作りあげ、うまいチームになっていた。決勝の対キューバ戦では日本と対戦し松坂と投げあったシーツ投手を登板させていた。強敵と見なしていた日本と同じ投手を投げさせたということはどういうことか。メダルをかけて勝負に来たのであり、しかも一度敗れたキューバを完封で倒して優勝したわけだ。表彰台に上った米国には素直に拍手を送るしかない。キューバも強かった。
韓国は初めてのメダル獲得でその喜びもよく分かる。こうした中で日本はどうするべきなのか。これは巷間(こうかん)指摘されてきた問題であり、いまの自分の立場からは言いたくない。プロとアマの合同チームになって良かったが、もう少し期間が必要だったのは否めない。
日本はプロとアマが入り交じり、短期間でしっかり心の結ばれたチームになった。「心のチームプレー」があって盛り上がったが、それだけではいけない。野球は甘くはないということだ。シドニー五輪では審判のミスジャッジも確かにあった。こうした問題も今後いろいろな意見が出てくることになるだろう。(シドニーで27日深夜、聞き手は遠藤繁)
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