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(9/24)「室伏、初回のファールが影響」=男子ハンマー投げ、室伏広治は9位
日本陸上競技連盟強化副委員長・宮川千秋氏
 宮川千秋・日本陸上競技連盟強化副委員長 男子ハンマー投げの室伏広治(ミズノ)は残念ながら8位に入れなかった。いきなりファールになったが、入っていれば78メートル後半の記録になっていた。これが最後まで尾を引いて入賞を逃した。2投めで慎重になり3投めで勝負に出る、という形で展開し追い込まれてしまった。

 雨が降って気温が下がる、という気象条件の下で選手は早く投げ終わりたいと思うもの。24日は一度やんでもいつ雨がひどく降り出すか分からなかった。そのせいか十分振り切らないうちに投げてしまうフィニッシュの動作が気になった。投げる位置の確認をこまめに繰り返すなど神経質な様子だったし、2投めでは唇に指を当てて神経を集中させていた。ああいう室伏は見たことがない。

 この種目は1投めで記録を狙うのが最重要。雨が降って気温が下がり、80メートル以上を軽く投げる実力がある選手でも、今回は80メートルがやっとという感じだった。室伏に力がないのではなく、他の選手も記録を落としていることは指摘したい。

 男子110メートル障害はアレン・ジョンソン(米国)、コリン・ジャクソン(英国)、アニエル・ガルシア(キューバ)の3強が順当に来ており、メダル争いを演じる。2次予選は寒さもあって選手は慎重なレース展開だった。ただこの3強とそれ以外の選手は水をあけられている。谷川聡(ミズノ)は3台めまで良かった。ということはこの種目の走りとしては「悪かった」と言わざるを得ない。ハードル走は立ち上がりのリズム感ではなく、徐々にスピードをあげてリズムを守っていく競技。それが途中3台めまでは良かったというのはそこでピークになったという悪い走りを意味する。本当の勝負はハードル6台めあたりからだ。13秒55のベスト記録を持っているのに残念だった。その走りで日本では勝っても、世界は強い。スピードの維持が課題だし、世界と日本はここで決定的な違いがある。ジャンプ力とのバランスも身に付けなければならない。

 男子400メートル障害1次予選に出場した日本選手は完敗だった。山崎一彦(デサント)は力が出し切れないというよりもこれが実力と考えた方がいい。過去の実績を忘れてゼロから取り組んでいかなければならない。河村英昭(三英社製作所)はいつもなのだが自分の力を出し切れないで終わる。選考会で強くても代表になったことに満足している。ただ年齢的に見て若いし五輪を良い経験にして、この種目の第一人者となって引っ張って欲しい。為末大(法政大)は9台めで足を引っ掛けて転倒した。向かい風が強いレースは軽量ランナーには不利だ。踏み切りが近すぎると足を引っ掛けるが、力のある選手だとハードルがなぎ倒される。為末は軽量なので自分が転倒してしまった。走り込んでスピードをつける練習も欠かせない。

 男子400メートル準決勝でマイケル・ジョンソン(米国)は1位を取れず負けた。余裕ある負け方、とも言えるが、勝ったアルヴィン・ハリソン(米国)がアウトレーンでありながらの勝利だったことを注目したい。決勝は43秒台後半ならハリソンがマイケル・ジョンソンに勝つチャンスがある。雨や向かい風など気象条件が悪くことが勝つチャンスを広げる。ただハリソンが手ごたえを感じているほど、マイケル・ジョンソンは失望していないようにも思える。マイケル・ジョンソンの勝利の確率は90%以上堅い。

 女子400メートル準決勝で勝ち続けているのがキャシー・フリーマン(オーストラリア)。決勝で勝つことを最大の課題と考えており、あまり無理していない。レース展開はこれまで抑え気味。動きに余裕を感じる。本人はこれまでずっと1位で通過してきたが、これも五輪の地元開催を意識してのことだろう。決勝は48秒台が無理だとしても、49秒台前半は間違いなく出る。そうでないとこの種目では勝てない。だから決勝は思い切った走りで勝負してくるはずだ。実力者が残っておりダークホースもいない。顔なじみの選手たちと落ち着いて走ることになるだろうし、この種目は100メートル走と違って一発屋が勝つことはない。金メダルは間違いない。

 高橋尚子の金メダルで日本陸上チームは活気づいた。室伏の不振でやや盛り下がりそうだが、25日は金沢イボンヌ(佐田建設)が女子100メートルハードル走に登場する。2次予選で日本記録を更新して欲しい。目標は12秒台に乗せること。そうすれば準決勝は固い。男子1万メートル走はゲブルセラシエ(エチオピア)が中心になるレース。風次第で変わってくるがハイペースになる気はしない。五輪は記録よりもメダルを目指して争う傾向がある。ラスト400―500メートルで勝負が起こるだろう。日本からは高岡寿成(鐘紡)と花田勝彦(エスビー食品)が出るがペースについていくのが精いっぱいかもしれない。自分のレースをすればいいし、流れに乗ることができれば6―8位といった下位入賞も可能性が高い。

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