 | | アトランタ五輪ビーチバレー日本代表・5位入賞、ソウル五輪6人制女子バレー日本代表・相楽幸子さん |
相楽幸子・アトランタ五輪ビーチバレー日本代表5位入賞 25日の3位決定戦の高橋有紀子・佐伯美香組はよく戦った。最後の日までコートに立ったことは、アトランタ五輪から正式種目になり高橋・佐伯も選手歴10年という浅い歴史の中で、次につながる試合だった。2人はスタートこそ良かったがブラジル側の作戦の切り替えが早く、佐伯から高橋狙いの攻撃に変えていた。高橋も後で「あんなに狙われたのは初めて」と言っていた。ビーチバレーはケース・バイ・ケースで作戦を練り上げ、臨機応変に切り替えていかなければならない。高橋狙いの戦略に変えたのはキャリアの差を感じる。特に高橋がチームを引っ張って勝ってきたので、その高橋を狙って得点を入れさせない作戦だ。
対戦したブラジルのサムエル・ピレス組は高橋・佐伯組がブラジルで長期合宿した時の練習相手でもあり、お互いを知り尽くしている。両チームの実力は互角で、スパイク数やディグの数に開きがない。ただミスがあった分だけ得点は相手に流れてしまった。決めるべきショットが決まらなかったり、ラインぎりぎりを狙ったはずがアウトになったりネットに引っ掛けてしまったり、というミスが起こると選手はもどかしい気持ちになる。ネットに引っ掛ける攻撃をすると、次は無難にしようとして相手の拾いやすい球を投げてしまうことになる。そこがうまくいかなかったようだ。
そうなるとブラジル組は調子づいてしまう。高橋・佐伯組はメダルへのプレッシャーもあったのだろうし、気象条件も朝は雨が降り気温が低かった。高橋自身、動いても体が温まらなかったそうだ。天気が良く暑ければ、高橋・佐伯組に有利だったかもしれない。アトランタ五輪よりも1つ進んでいるのでこの4年間積み重ねた来たことは出ていたように思う。シドニー五輪を通じて高橋はサーブが1位にランクされ、アタック、レシーブも決めており個人の賞があれば1位を上げられるほど評価は高い。メダルは取れなくても記録がその実力を示している。
最後、高橋が起き上がれなくなっていたのでこちらも息が詰まりそうだった。高橋が高校のころから知っているだけに気持ちが分かる。良くやったとしか言えない。若い選手たちにもいい試合を見せてくれたし、学んでいるはずだ。
金メダルを獲得したオーストラリアのクック・ポットハースト組は地元開催の影響もあり、観客の応援を自分に引きつける戦い方を見せた。予選から調子は良くなかったが地元開催は強い。そして決勝のアドリアナベアール・シェルダ組との対戦では自分たちの力で戦い抜いた感じだ。上位で戦うということは他チームと同じことをしていては勝てない。トスをあげ後ろに回って大きく打つ、という技は決勝まで見せていなかった。実は高橋自身このオーストラリアの2人組と仲良しで、優勝の試合も観戦していた。彼女たちの胸を借りて日本のビーチバレーを作ってきた経緯がある。
シドニー五輪を経て、高橋・佐伯組に続く選手が育って欲しいと感じる。高橋は年齢が年齢だけに、との理由で引退を取りざたされるがビーチバレーは楽しい競技なのでがちがちに取り組むのではなくて楽しんでいって欲しい。静養も必要だ。日本では国際大会でも上位に食い込める選手を輩出する必要がある。高橋や佐伯が動く間にできるだけ多くのことを吸収して伸びて欲しいと思う。ビーチバレーの歴史が長い米国やブラジルに日本の選手が食い込んでいるのは大きな意味を持つ。
自分もビーチバレーの解説者として外側から競技を見つめることが出来た。アトランタで共にプレーした高橋が再びコートで活躍してくれていたことに感謝しているし、自分自身も楽しむことが出来た五輪だった。(シドニーで25日午後、聞き手は遠藤繁)
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