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(9/23)「日本チーム、よくやった」=女子400メートルメドレーリレーで銅メダル
日本水泳連盟競泳委員、武蔵野音楽大学講師・野口智博氏
 野口智博・日本水泳連盟競泳委員・武蔵野音楽大学講師 23日の競泳最終日、日本は頑張った。女子50メートル自由形で8位になった源純夏(中大)は、前半はそこそこでも後半が伸びなかった。次に控えたメドレーリレーを考えて集中力を欠いたのだろう。2種目の決勝が重なった状況でベストを出せというのは難しいができることはやった。決勝の中では最年少の源はこれからまだ伸びる。ひざの関節や周囲の筋力をつける必要がある。負担をかけないように練習を積み重ねるため、トレーナーとも相談しその環境を作るべきだ。今日本で25秒台を切る選手は源しかいないように思う。

 女子400メートルメドレーリレーは、背泳の中村真衣(中大)はスタートから力が入りすぎて体の位置が普段より少し沈んでいた。銀メダルを取って今回のレースでモカヌ(ルーマニア)がいないのであれば1位でゴールして当然だが、先の100メートルで精神や肉体を使い果たしたのだろう。

 田中雅美(中大)の平泳ぎはスピードの問題があったが、31秒でターンできていた。これで力は持っていることを改めて証明したが、前半の無理が後半でたたった。ただ中村でリードできなかったせいもあり「私がいくしかない」という泳ぎを見せたのは、吹っ切れた時の彼女の強さだ。田中は選手生活を続けるなら原点に戻って取り組んで欲しい。何のための練習なのか理解できるといい。

 バタフライの大西順子(ミキハウス)は予選を見たとき心配したが出せる力は出していた。評価できる数字も残している。源は54秒07で泳ぐ最上級の内容を示してくれた。やはり世界選手権で戦っている選手が強いことを証明した。

 シドニー五輪を総括すれば最初の3日間での平野雅人、田島寧子、北島康介の成果を評価したい。日本選手の明暗を分けたのは調整内容の質にある。試合の支えになるのは練習で得た自信だ。コーチも含めてまだ経験が足りない部分もあるので泳ぎやレースで反省材料を確実にとらえていくことが必要だろう。今回はまず自己ベスト更新が山本貴司、荒瀬洋太、北島、平野と男性陣が頑張った。入賞の数もバルセロナの水準に戻した。当時は予選の後すぐ決勝だったが、シドニーは予選、準決勝、決勝と進むためきつくなっている。それでも多くの入賞を得たのは相対的に実力がついて強くなったのだろう。

 また日本記録更新は平野のほか山本、北島、中村、そして女子400メートルメドレーリレー。アトランタ五輪よりも多いし世界記録保持者が負けていく中でここまで出した健闘はたたえたい。メダルの数も銀2銅2で、「何でもいいから1個のメダル」という予想を上回った。

 シドニー五輪では体力面強化が教訓になった。8日間を戦う力やタフさが求められる。世界の選手との体形の差もある。目標に向けどこをどう変えて技術を得ていくのか、努力する必要がある。また今回はヘッドコーチが抱える負担が大きすぎて、現場の選手の状態にどれだけ目を配れたのか、という気がする。千葉すず問題も影響している。どのくらいの距離をどのくらいの時間で、練習はどれだけこなすか、という視点でヘッドコーチなどと相談して進めていく必要がある。

 勝てる選手を五輪に送る――という日本の姿勢はとりあえず吉と出た。今後は世界を舞台に経験を積むことも必要。予算の限界もあるが、選手の層を厚くすることも欠かせない。ファンデンホーヘンバント(オランダ)は大きな舞台を楽しみ、レース後は「ビールを飲みたい」などと言い放つ奔放さを持っている。五輪を楽しむ姿勢は必要ではないか。今後イアン・ソープはまだまだ伸びてくるだろうし、彼が強くても壁だとは思わず積極的に選手育成に向けていって欲しい。(シドニーで23日夜、聞き手は遠藤繁)

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