 | | 日本競輪選手会専務理事・鈴木孝幸氏 |
鈴木孝幸・日本競輪選手会専務理事 21日のケイリンには太田真一、神山雄一郎の2選手が出場した。太田は豪州入り前にレースで落車があり心配していたが、敗者復活戦では途中までは大丈夫かなと思える走りだった。しかし、欧州の強豪にしてやられたという印象だ。
一方、神山は敗者復活戦でトップだったものの走路妨害という判定で最下位降格。後で何回もビデオを見たが、神山は他の選手に直接触れてはいない。斜行したので、走路妨害になったと審判が見たのだろう。ルールや判定基準はスプリントの延長線上のものなので、やむを得ない。神山は最初緊張していたが、次第に良くなってきたなと思ったところにあの判定だったので残念だ。
今回は厳しい戦いとなったが、日本が自転車のナショナルチームを作り、科学的なトレーニングを導入して2年ということを考えると、それなりに良いものが出たのではないかと思う。ナショナルチーム結成に伴い医学スタッフや栄養士などをつけるようにしたが、この体制を継続していけばさらに良くなってくるのではないだろうか。
日本選手にとっての基本的な課題としては、日本の競輪場より短い1周250mのバンクを乗りこなせるようにならないといけないということがまず挙げられる。たとえば、スプリントで海外の選手が見せたような、後ろにいた選手がバンクの傾斜の下の方にさっと切れ込んでくるようなことが日本の選手にはできない。
日本にとって難しいのは、プロの競輪選手は月2回のレースがあり、それが本来の仕事であるということだ。それに対して欧州の選手は大きなレースに向けた長期的な調整ができる。アマチュアで傑出した選手が出てきて、年1回の世界選手権に合わせて調整するような形ができればよいのだが、現在はプロ選手中心なので難しい。
今回見た中で目についた外国勢としては、スプリントで金メダルを獲得したノースタイン(米国)が挙げられる。以前からレースに出てはいたがさほど目立った活躍はしておらず、今回急に力が伸びて驚いた。特に、脚力の向上が目覚ましい。
彼や欧州勢と太田、神山ら日本勢を比較すると、スプリントではまだまだだがケイリンやオリンピックスプリントではこれまでより良いタイムが出ている。レベルが世界に近づいたことは間違いない。ナショナルチームを編成した成果が出てきたということだ。次の五輪までの4年間、若くて良い選手が出てくることも期待しつつ、日本としてはもうひとがんばりをしなければならないだろう。 |