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(9/19)「萩原、瞬発力が低下」=女子200メートル個人メドレー決勝、萩原智子は8位
野口智博・日本水泳連盟競泳委員・武蔵野音楽大学講師
 野口智博・日本水泳連盟競泳委員・武蔵野音楽大学講師 女子200メートル個人メドレーの萩原智子(山梨学院大)はバタフライで飛ばしたが背泳はやはり目標より1秒遅い33秒台で泳いでおり、次の種目(200メートル背泳)に課題を残した。ターンの後早めに浮き上がっている。いまの萩原には瞬発力や弾みがついてきていない。200メートル背泳ぎでは日本選手権の時よりもスタート後とターン後それぞれ、バサロの回数を1回ずつ増やすことを目的にしている。バサロの回数を増やすと後半持たなくなる可能性があるのでこの大会前には心肺機能、持久力中心のトレーニングに挑戦したという。しかし持久力を目的にしたトレーニングはその量がスピード・パワー系の練習量よりも増え過ぎると、速度や力自体が落ちるとも言われている。今回の泳ぎを見る限り、本人の努力する意欲とバタフライ・背泳での実際のタイムの間に差があるのは否めない。

 バサロの回数を増やし、後半の持久力維持を目指した練習を続けたことが、本来の持ち味であるスピードを殺している可能性も考えられる。平泳ぎは良かったが自由形では疲労困ぱいしたように見えた。照準に合わせているのが次の種目なので100メートルずつ泳ぐ今回の場合は必要な瞬発力を持つことができていなかった。

 金メダルのクロチコワは金メダルや世界記録を狙っていった。萩原はだれがどうこう、というよりも自分のレース、というだけ。特に背泳は良い泳ぎを見せ、先頭に立ってこなせるようになってきている。バタフライを含めて穴を感じることは出来ない。前半からレースに出ていくシミュレーションを積んでいるように思う。

 200メートル平泳ぎ準決勝の林亨(中京大大学院)はストロークが浅い感じがしたが、ある程度は問題ない。むしろ動かし方はベストを記録した時と変わっていない。泳ぎのテンポやリズムはベストに近い。1回のストロークで進む距離が短くなっているのではないか。パワーダウンを感じる。泳ぎ込む量、すなわち持久力に対しスピードやパワートレーニングの質が追いついていないことが原因かもしれない。腕か足かどちらかだろうが個人的にはキックに原因があると見ている。精神的に弱ければタイムは落ちるが林は同じところを維持してよく我慢した。調子の悪いときは泳ぐのが嫌になるものだが気持ちの切り替えが上手になっていると思う。

 女子200メートルバタフライ中西悠子(近大)と三田真希(須磨学園高)はよく決勝に残った。中西はやる気満々だったし過剰なペースにも巻き込まれなかった。三田は100メートルから150メートルに入るターンが良かった。不信だった前の種目からの気持ちの切り替えが出来るようになっている。決勝では2人で出るので緊張感も違っているはず。自己ベスト更新を目指して欲しい。

 男子4×200メートルリレーはイアン・ソープがやはり第1泳者で世界記録を狙いに来た。ただソープ自身は体調が悪そうだ。今後この状況をどう次につなげるのか注目したい。ただ2位に米国が3位とタッチの差で入ってきたのはさすがという感じだ。米国は学校対抗戦がさかんでリレーのつなぎやタッチなどを細かく練習している。腕を伸ばすときの頭の位置と指先の入り方といった具合で慣れている。その蓄積がこの種目でも表れた。オランダはファンデンホーヘンバンドがマスコミ取材で睡眠が6時間だった状況の中でのレースだったのにいい記録を出している。この辺に精神面などのタフさを感じる。

 20日は源純夏(中大)が女子100メートル自由形に登場する。負けず嫌いだし大舞台に強い。練習中でもいいタイムで泳げているようだし期待できる。ただ調整時期を先に泳いでいる同じ大学の田中雅美と合わせていると練習量の面で心配だ。予選は55秒前半で決勝に残りたい。田中は200メートル平泳ぎに出るが後半持久力で攻める作戦だが、前半に遅れすぎると精神の乱れが出て来かねないので特に準決勝は注意して欲しい。男子200メートル個人メドレーは田渕晋(早大)と三木二郎(京都西高)が出る。田渕は気負わずに泳ぐことだ。三木はシドニー入りした選手の中で1番調子いい。準決勝で日本記録を狙えるはずだ。(シドニーで19日夜、聞き手は遠藤繁)

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