 | | 全日本柔道連盟強化副委員長・上村春樹氏 |
上村春樹・全日本柔道連盟強化副委員長 柔道女子57キロ級で銅メダルを取った日下部基栄には、よくやったと言いたい。3回戦で敗れたものの、今大会は最初から強豪との対戦が組まれており、去年までの彼女なら最初で敗退していただろう。3回戦も優勝したフェルナンデス(スペイン)を相手に2対1の判定負けで、見方によっては日下部の方が良かったようにもとれる試合だった。
その後、敗者復活戦以降は3位決定戦まですべて一本勝ち。短期間でよくここまで成長してくれたものだ。これから先の成長が楽しみになってきた。近い将来、金メダルをめざせる選手になったと思う。
一方、男子73キロ級の中村兼三の敗因は自分の柔道ができなかったことだ。良い体勢になったと思ったら、技をかけずに相手をつぶしてしまうというまずい攻めに終始してしまった。目先の優勢点を狙いすぎたのではないか。
アトランタ大会以来の4年間で、中村兼の技のバリエーションが増えていなかったのは事実。一方で対戦相手は皆、彼の技を止める研究をしてきた。強力な技を持っていたがために、技を増やすのが間に合わなかったという面もある。
それにしても中村兼は集中力を欠き、自分の気持ちをコントロールすることができなかったように見える。五輪では、自分の力を100%出さなければ勝つことはできない。4回戦で敗れた崔鎔信(韓国)には以前は勝っており、そう怖い相手ではなかった。要は、中村兼は自分の柔道を徹底的にすべきだったのに、それをしなかったのだ。自分に敗れてしまったということだ。
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