 | | 日本水泳連盟競泳委員、武蔵野音楽大学講師・野口智博氏 |
野口智博・日本水泳連盟競泳委員・武蔵野音楽大学講師 男子200メートルバタフライの山本貴司(近大)は思った通りのペースで泳げているように見えた。98年に1分56秒75の日本記録を出したバンコクでのアジア大会よりも今回の方が調子が良い。本人の性格も目立ちたがり屋なところがあり、田島寧子や北島康介が活躍する傍らで早く泳ぎたかったのだろう。
米国のトム・マルチョーの金メダルが固いので、残り2つの表彰台を巡って、山本のほか、田中久喜(明大)、シランティエフ(ウクライナ)、エスポジト(フランス)らが争うことになる。山本はまずは準決勝で日本記録を出し、マルチョーに近いコースで泳ぐよう狙うべきだ。
田中は調子が上がっている。自分のペース感覚と実際の記録タイムの差がなくなっているようだ。田中は水をとらえるセンスなど技術面がたけた選手ではなく、むしろ鍛えた心肺機能を生かし持久力で勝負するタイプ。バタフライは胸から腹を使う種目なので、持久力を生かして頑張って欲しい。
萩原智子と田島寧子の登場した200メートル個人メドレーでは、萩原の動きが良かった。一方の田島は左足首を壊しているようで、本来の動きがなかった。あの表彰台からの転倒が原因かもしれないが、本人やコーチはそのことを言い訳にしたくはないようだ。これで出場種目を終えた田島だが、彼女にとっては銀メダルを獲得したけれども課題を残す五輪だったと言えそうだ。
萩原は苦手の平泳ぎの腕のかき方が数段良くなっている。小さいストロークになりがちだったが大きくなっており、背中周辺が強くなっているのだと思う。予選は自己ベストの2分12秒84(日本記録)よりも遅いゴールだったが、準決勝で更新すればいい。決勝にも残ると思うが萩原の場合は200メートル背泳が頭にあるだろう。
準決勝の予想だが、表彰台に上るには2分11秒から12秒台を出す必要がある。ヤナ・クロチコワが別格の泳ぎを見せているが、萩原も日本記録のタイムならメダル圏内だ。まずは集中力を高めて臨み、後の種目がきつくなりすぎないようにして欲しい。萩原自身は次の種目の200メートル背泳にかけていると思う。
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