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スポンサー契約、ほころぶブランド神話・祭典の素顔、直前報告(5)
 五輪公園内でひときわ目立つ真っ白なテント張りのパビリオンが15日、オープンする。シドニー五輪の公式スポンサー、韓国のサムスン電子が開設したショールームだ。

 「大会期間中に60万人の入場者を見込んでいる」。ソウルから駆けつけたスポーツマーケティングPR部長、ジェイ・キムさんの期待は大きい。イベント用のステージや選手専用のショールームを設けたパビリオンの広さは4000平方メートルと、企業パビリオンとしては群を抜く大きさ。

 サムスンは五輪開催に合わせて2億ドルの宣伝費を投入したが「五輪のブランド力は強大で、2億ドルで通常の6億ドル分の効果があり、米国での携帯電話売上高は1年で3倍になった」。

 国際オリンピック委員会(IOC)の招致疑惑にもかかわらず五輪のブランド力はあいかわらず健在のようだ。

 米国での五輪のテレビ放映権を持つNBCは大会中のCM枠を完売。売上高は前回アトランタ大会の3割増の9億ドルとなった。

 五輪ロゴを使った広告の世界展開が可能な最上位スポンサーは11社あるが、撤退を表明した米IBMと、現在IOCと交渉中の米UPSを除く9社の契約更新が既に決まっている。

 ペイン・IOCマーケティング部長は「(招致疑惑で)IOCのイメージは悪化したが、スポンサーへの影響はなかった」と言い切る。

 だが、その一方で五輪ブランド神話のほころびが目立ち始めているのも事実だ。「アンセット航空よりもカンタス航空を五輪スポンサーと思っている人が多い」。豪の広告会社スウィニー・スポーツが最近発表した世論調査の結果である。

 豪航空最大手のカンタス航空は、五輪ロゴの国内使用権を持つアンセットに対抗し、金メダル候補のイアン・ソープ(男子競泳)など有力選手と個人スポンサー契約を結び、活発な宣伝活動を展開した。さらに「公式スポンサーのナイキよりも多数の有名選手をCMに起用したアディダスを五輪スポンサーと勘違いしている人が多い」という英社の調査もある。

 「汚れたIOCと組むより、有力選手と契約した方が得」――。大会コストが回を追うごとに膨張し、スポンサー契約料も値上がりするなか、こんな考えを持つ企業が増えてくる可能性がありそうだ。(大石信行)=おわり

[2000年9月14日/日本経済新聞 朝刊]

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