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杉山愛(テニス)、上り調子でメダル期待・スタンバイOK、日本のエース
6日、全米オープンテニスの女子ダブルス準々決勝に勝ち、ベスト4に進出した杉山〔共同〕
 「私にとって五輪は第五のグランドスラム大会。いや、もしかしたらそれ以上のイベントかもしれません。再び、挑戦の場が与えられるわけですから、持てる力を出し切りたい」

 杉山愛(25)は前回のアトランタ五輪では長塚京子と組んだダブルスこそ1回戦で敗退したものの、シングルスでは2回戦でマルチナ・ヒンギス(スイス)を下してベスト16。当時、伊達公子を先頭に押し立てた日本女子は多くが世界の舞台で活躍、21歳だった杉山も次代のエースとしてのびのびプレーした。

 しかしこの4年間でとりまく環境は激変した。日本女子テニス栄光の時代をともに駆け抜けた選手は次々と姿を消し、期待を一身に受ける存在になった。プレッシャーやけがなどにもがき苦しみながら屋台骨を1人で支えてきた孤独のエースに、今年に入ってようやく光が差し込んだ。

 全豪でのベスト8に続き苦手なクレーコートの全仏でベスト16。さらにシングルス以上にダブルスではめざましい活躍をみせる。全豪でベスト8、全仏でベスト4、ウィンブルドンでは準優勝、全米では優勝に向けて疾走している。今季ツアーでのダブルス優勝はすでに4勝。ダブルスランキングは世界4位とトップに迫る勢いだ。

 「体調もよく、これまでになく充実している」と自信をみせて7月下旬に渡米。得意としていたハードコートでのシングルスでは5試合で2勝5敗と力を発揮できなかったが、幸いなのはその理由を自覚していること。決め球にしようとするフォアハンドの改造に戸惑いがあったからだ。

 「一応、問題は解消したと思う。フラットに加え、確実にスピンも打てるようになったので攻めのバリエーションが増えたと前向きに考えています」と「チーム愛」コーディネート役で母親の芙沙子さん。

 ウィリアムズ姉妹やリンゼイ・ダベンポート(米国)らが席けんするパワー全盛の女子テニス界。技巧と戦術は巧みであっても、体格的に劣り、これといった強力な武器を持たない杉山が不利なのは否めない。

 ただグランドスラム大会を中心に世界を転戦するツアーの中で五輪にピークを持っていくのは難しい。シングルスと(宮城ナナとの)ダブルスに出場する杉山にもメダル獲得の可能性はある。(芦田富雄)=おわり

[2000年9月8日/日本経済新聞 朝刊]

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