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カバエワ(新体操、ロシア)・出番待つ世界のスーパースター(4)
 新体操のアリーナ・カバエワ(ロシア)は、シドニー五輪で全種目を通じ最も金メダルに近い位置にいるのかもしれない。ロシアのライバル、ベラルーシのリパールスカヤ・ヘッドコーチは、17歳の天才少女をこう評する。「彼女は新体操をするために生まれてきたのよ」

 カバエワの武器は人並み外れた柔軟性と跳躍力にある。背中を弓なりに反らし両足の間から顔を出す演技は、人間の姿をした軟体動物を見るようで観客は度肝を抜かれることになる。

 手具を扱う技術も評価が高い。リボン、ロープはその先端まで彼女の指先の神経が通じていると思えるほど。ボールとフープは命を吹き込まれたように、彼女の意思と寸分の狂いもない場所で跳ね、静止する。

 五輪予選を兼ねた昨秋の世界選手権(大阪)。高難度の技を次々と繰り出し、ロープを除く個人総合3種目で10点満点を連発、初優勝した。五輪予選もトップで通過し、「10点は正当な評価」と言ってのけた。

 彼女に大きな転機が訪れたのは5年前、12歳の時だった。モスクワの名門クラブ「インターフィン」でロシア代表コーチも務めるビネル・コーチに師事し、頭角を現した。トップ選手が集まるクラブの中でも際立つ柔軟性を持った少女は、食生活を含めたコーチの指導で1998年の欧州選手権を初制覇、埋もれていた才能が開花した。

 アトランタ五輪後の規則改正も彼女を頂点へと押し上げた。芸術性中心の採点基準はスポーツの本筋にそぐわないと、技の難度などを重視するようになったのだ。芸術性より技で勝負するカバエワが10満点を連発する要因でもある。

 「健康さえ持続できれば四年後のアテネにも出場したい」。シドニーで新たな女王の伝説が生まれようとしている。(磯貝守也)

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