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不足するボランティア・夢の祭典ラストスパート(4)完
バレーボール会場前で打ち合わせをするボランティアの中村和美さん
 「ボランティアなら、五輪の楽しさがもっと見えてくるかも」――。バルセロナ、アトランタと2大会連続で五輪に出場した女子バレーボールの元日本代表、中村和美さん(29)は、「3度目の五輪」への準備に忙しい。

 バレーボール担当のボランティアとして競技施設などへ週2回ほど出かける。9月からは豊富な国際競技経験を買われ、各国の代表チームがトレーニングする施設の管理責任者を務める。

 バルセロナでは「『絶対ミスしちゃいけない』とガチガチになった」。「ある程度は満足できたが、五輪を楽しむ余裕はなかった」というアトランタ大会の後は「バレーばかりやってきて、このあと何をやるんだろう」と漠然とした不安にかられたという。

 国際大会でよくみかけたボランティアに興味を持ち、シドニー五輪への参加を決意。昨年5月にオーストラリアに渡り、ホームステイしながら英語学校に通い、週末はアルバイトもこなす。女子日本代表の初めての五輪欠場、かつて在籍したユニチカバレー部の廃部と「二重のショック」を受けた中村さんだが、「ボランティアを通じて、今後のヒントになるようなものが見つかれば」と期待している。

 シドニー五輪では、アトランタ大会をしのぐ約4万5000人のボランティアが大会を支える。ただ、スタッフ不足や予算不足が指摘され、五輪組織委員会は「ボランティアになると自動車や海外旅行が当たります」と開幕1カ月前になっても人集めに奔走中だ。

 今月上旬、参加各国に専属ボランティアをつける制度の一環として、日本選手団を支援するボランティア「チームジャパン」の面々がシドニー郊外の日本料理店に集まった。チームは日本人3人とオーストラリア人5人。

 「ほんまにうれしいわ」。大阪や名古屋に計5年間留学し、野村証券に勤務した経験もあるというジェイソン・グラハム・ナイ(30)さんは大阪弁で喜びを表現。開会式で国名のプラカードを持つ大役にほぼ内定している。ルーシー・バンダーウォールさん(23)は「サッカーのナカタ(中田英寿選手)が好き」。

 「世話役」の松永義雄さん(50)は元東海大助教授で、現在は柔道の日本代表が練習場に予定しているシドニー郊外のトレーニングセンターの管理責任者。「選手が最高の状態で試合に臨めるよう、最善を尽くしたい」と語る。

 15日オープンしたメーンプレスセンターでメディア担当をしている忠地誠さん(27)は長野冬季五輪でもボランティアを務めた。原田雅彦選手のジャンプの感動が忘れられず、昨年3月、家業の工務店をやめワーキングホリデー制度で現地入り。貯金を取り崩しながら本番を目指してきた。すでに自らホームページを立ち上げ、五輪情報を発信。「五輪という大イベントに参加し、裏方で支える充実感はこたえられない」と意気込んでいる。(おわり)

〔日本経済新聞 朝刊8月17日〕

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