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観戦ツアー、「安・近・短」好条件追い風・シドニー五輪ビジネス模様(1)
観光名所巡りを組み込む五輪ツアーも多い(シドニー市の新名所「フォックス・スタジオ・オーストラリア」)
 20世紀の最後を飾るスポーツの祭典、シドニー五輪の開幕まであと1カ月。観戦ツアーの予約は早くも満杯、BS(放送衛星)デジタル放送の試験中継をにらんで、家電メーカーはデジタルテレビのフル生産を始めた。国内では五輪を巡る企業のビジネスが、佳境に入ってきた。

 ゼロ泊3日の「炎の弾丸ツアー」――。日本交通公社(JTB)が3日に発売した日本対ブラジルのサッカー観戦ツアーは、1週間で完売となった。

 定員180人、全日本空輸のチャーター機を使う特別企画で、1人16万8000円。9月19日深夜に関西国際空港を出発し、翌朝9時半にブリスベーンに到着。昼間はゴールドコーストで泳ぎ、夜7時からサッカーを観戦して深夜帰国の途につく。機中泊のみだが割安感から若者に支持された。

 旅行各社はシドニー五輪の取扱旅行者数を前回のアトランタ五輪の1.5-2倍と見込んでいる。最大手のJTBの目標は6000人(アトランタ実績3800人)。14日現在の予約で目標を上回っており、「シドニーは消費不況の中でも大健闘」と満足げだ。

 人気の秘密は、シドニーと日本の時差は1時間と小さいうえ、北米よりも近く旅費が安いこと。海外旅行のトレンド「安・近・短」の条件に合致している。サッカー人気がアトランタより、高まっているのも追い風だ。

 もっとも、五輪観戦をセットした旅行を企画できるのは日本オリンピック委員会(JOC)公認のJTB、近畿日本ツーリスト、東急観光、日本旅行、西鉄旅行、西武トラベルの6社だけ。6社はシドニー市内の観光名所や海浜リゾート巡りを含むツアーも販売しているため、6社以外は五輪の期間中、ホテルや航空券の手配を含めて豪州旅行の取り扱いが難しくなる。

 6社の中でも“五輪特需”に慎重な企業はある。近ツーは五輪ツアーを「選手の活躍次第で需要が増減する、リスクの大きい商品」とみて、主力ブランド「ホリデイツアー」を冠せず、トヨタ自動車などとの若者向け共同ブランド「WiLL(ウィル)」を付け発売した。

 日本の海外旅行者数は99年で1636万人に達した。公認6社が数千人ずつ企画する五輪ツアーの規模は、それに比べ決して大きくはない。

 単価の低迷などから旅行関連業界の収益環境が厳しさを増す中で、五輪後も豪州人気が続くような旅行の新たな魅力づくりが必要だろう。

〔日本経済新聞 朝刊8月15日〕

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