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競技支える企業も熱戦・会場で営業展開
メーン会場に設置された松下電器の「アストロビジョン」
 松下電器産業は全世界で五輪マークを使った宣伝活動が許される最上位スポンサー「TOP」11社のうち、唯一の日本企業である。AV(音響・映像)機器の広告では独占的に「五輪協賛」をうたうことができる。シドニー五輪にはデジタルVTRなど約1000台のデジタル放送機器や3000台のモニターテレビを現地に納入、世界中から集まる放送関係者向けに「パナソニック」ブランドを売り込む。華やかな競技の舞台裏で、企業の五輪商戦も熱を帯びる。

 松下電器がTOPとして負担する協賛金は、1998年の長野とシドニーの2大会で50億円前後といわれる。それでも「機器の売り上げや知名度、ブランドイメージの向上などで十分に元はとれる」と、五輪プロジェクトを指揮する遠山信樹・国際宣伝部長は強調する。

 有力スポンサーには、競技の入場券やホテルの部屋の確保などでの優先権も与えられる。松下電器はシドニー五輪の期間中、全世界から取引先など約1800人を招き、現地での接待を予定している。過去の五輪でも同様の活動をした。各国の放送関係者に自社のデジタル放送機器を活用してもらうのも、重要な営業戦略の一環だ。

 五輪スポンサーには「1業種1社」の原則がある。松下電器はTOP契約を更新し続けてきたが、その間、ソニーなどのライバル企業は自社製品と五輪を結びつけた広告を打てない。そうした特典を最大限に生かしながら実際のビジネスに結びつけようというわけだ。

 もっとも、「スポンサーになった当初は張り切り過ぎて、五輪が始まる1年も前からCMを流し、結局、宣伝が空振りに終わったこともある」と遠山部長は苦笑する。失敗から培ったスポンサーとしてのノウハウは今では「貴重な財産」。2004年までの次の契約に応じるかは未定だが、あえてやめる理由は見当たらない。

 TOPの国内版ともいえるJOC(日本オリンピック委員会)の公式スポンサー制度もある。トヨタ自動車やキリンビール、野村証券など11社が名を連ねる。

 注目すべきは今回の五輪から、国内向けのスポンサーを探す代理店業務が電通の1社独占から三菱商事との2本立てに変わった点。

 結果は、国内スポンサー11社のうち8社を電通、3社を三菱商事が仲介した。数のうえでは「日本の五輪人気を育ててきた」と自負する電通が面目を保ったが、五輪スポンサーの獲得を巡る競争も激しさを増している。

[2000年6月7日/日本経済新聞]

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