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IOC改革の現状、サラマンチ会長に聞く
 国際オリンピック委員会(IOC)は、招致スキャンダルで傷ついた五輪のイメージを取り戻せるのだろうか。シドニー五輪を控え、ファン・アントニオ・サマランチIOC会長に改革の現状などを聞いた。

 ――シドニー大会は招致スキャンダルの影響などでスポンサー収入が目標を下回った。大会運営に影響はないのか。

 「3月にシドニーでIOC理事会を開いた時に現地を視察したが、準備はすべて順調に進んでいた。9月15日の開会式から、支障なく大会を運営できる見通しだ。施設建設は計画通りだし、観客収容人数11万人という五輪史上最大のメーンスタジアムもある」

 ――IOCは組織改革を昨年12月に決定した。それから半年後の評価はどうか。

 「昨年末のIOC総会は改革委員会が提案した50項目の改革案をすべて承認した。一連の改革の実現によって、IOCはより開かれた組織となり、透明性も高まっている」

 「現在113人のIOC委員には各競技の国際競技連盟(IF)や各国・地域のオリンピック委員会(NOC)代表がいる。さらに、16人のメダリストを含む選手の代表も加わった。IOCは真に五輪運動を代表した組織となった」

 ――五輪立候補都市を選ぶ際に、IOC委員が現地を訪問することを禁止したが、その影響はどうか。

 「個人的にはIOC委員が候補地を訪問したのは悪い経験だったと思っている。訪問禁止によって候補地も出費を抑えられるだろう。ただ、スキャンダルへの批判はIOCという組織と一部委員へのもので、五輪の大会そのものには影響しなかったことを指摘したい。2008年大会にも日本を含めアジア、アフリカ、米州、欧州から10都市が立候補している」

 ――その2008年大会でのアジアの候補都市である大阪と北京の評価は。

 「デリケートな問題なので、会長の立場では軽々しく発言できない。大阪は強い候補だろうし、北京も同様だ」

 ――2004年大会の欧州(アテネ)開催で、2008年はアジアの可能性が高いといわれているが。

 「ルールがあるわけではないが、過去の例を見ると、欧州で開かれた後は欧州以外の都市で、というローテーションにはなっている」

 ――五輪はテレビを中心にメディアとのかかわりが深い。インターネットなど新たに登場してきたメディアをこれからどう活用するのか。

 「新たなメディアはよりよいイメージ、画像を提供することができるだろうが、慎重に研究する必要がある。(IOCが放映権を販売している)テレビとインターネットが争うようなことは避けなければならない。われわれは今年11月、IFやテレビ関係者、インターネット関連企業の代表者らを集め、『スポーツとニューメディア』と題した会議を開いてこの問題を論議する予定だ」

 ――あなたは2001年で退任する。1980年に会長に就任してから、これまでの成果を振り返ると。

 「(この20年間で)IOCと各NOCとの一体性を確保した。五輪の重要性は増したし、IOCも強化された。今後、五輪およびスポーツは、社会の中で一段と大切なものになるだろう」

 「商業路線が私の退任後も継続されるかは分からない。次期会長には会長自身なりのパーソナリティーもあるだろう」

 ――退任後の身の振り方は。ローザンヌにある五輪博物館の館長就任説もある。

 「(笑い)それは知らない。新体制の意向次第だろう。しかし五輪活動への協力を求められれば、いつでも引き受けるつもりでいる」(ジュネーブ=三科清一郎)

[2000年6月7日/日本経済新聞]

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